ブックマーク / sci-tech.jugem.jp (23)

  • 書評『脳・心・人工知能』 | 科学技術のアネクドート

    ばんばん出てくる数式もなんのその。出版後すぐに増刷したそうで、アマゾンでも売れ筋ランキング、カスタマーレビューの評価ともに高くなっています。 『脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす』甘利俊一著 講談社ブルーバックス 2016年 238ページ 脳や心は、じつはまだほとんどのことがわかっていないとよくいわれる。これからも、脳や心の未解明な部分をすこしずつ明らかにしていくための地道な研究がおこなわれていくことだろう。 いっぽう、人工知能の発達のしかたはとても速い。もはや、単なる「ブーム」では片づけられそうもなくなった。オーストリアの詩人ライナー・リルケ(1875-1926)は「未来はそれが実際に起こるずっと前に、われわれの中に入り込み、みずからの姿を変えようとしている」ということばを残したが、人工知能がしみわたる未来は、まさにそのように近づいているのだろう。 長年、脳科学の研究をしてきた科学者

  • 2015年の画期的科学成果、ヒト属の幅を広げる複数の発見あり | 科学技術のアネクドート

    米国科学振興協会(AAAS:American Association for the Advancement of Science)発行の雑誌『サイエンス』で、「2015年の画期的科学成果」(Breakthrough of the Year, 2015)が12月17日(木)に発表されました。 このブログできのうとりあげた「CRISPRが遺伝子編集を可能に」という成果のほか、『サイエンス』は“第2位”として9つの「成果」を選びました。順不同でその結果を見ていきます。 「小さな世界の大きな年」。3月、米国航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)の探査機「ドーン」(Dawn)が太陽系の準惑星で「セレス」の周回軌道に乗ることに成功しました。この準惑星は、火星と木星のあいだにある小惑星帯にある最大の天体です。さらに7月には、探

    2015年の画期的科学成果、ヒト属の幅を広げる複数の発見あり | 科学技術のアネクドート
  • 2015年の画期的科学成果、第1位は「CRISPRが遺伝子編集を可能に」 | 科学技術のアネクドート

    ことし2015年、自然科学の分野ではどのような画期的成果があったのでしょう。米国科学振興協会(AAAS:American Association for the Advancement of Science)は雑誌『サイエンス』で、「2015年の画期的科学成果」(Breakthrough of the Year, 2015)を12月17日(木)に発表しました。 『サイエンス』による「2015年の画期的科学成果」は、「切ることを実現 ― CRISPRゲノム編集技術が偉力を示す」(Making the Cut ― CRISPR genome-editing technology shows its power)というものでした。 生命科学の研究では「ゲノム編集」とよばれる技術が使われています。ゲノムとは、「遺伝子の全体」を意味することばで、その遺伝子の構成要素を意図的かつ効率的に“切ったり貼っ

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  • 「本当は血圧の上昇を抑える味噌」 | 科学技術のアネクドート

    ビジネスプレスのウェブニュース「JBpress」で、きのう(2015年)11月20日(金)「当は血圧の上昇を抑える味噌 味噌は体に良いのか悪いのか?(後篇)」という記事が配信されました。取材と執筆をしました。 記事は、題にもあるように「味噌は体によいのかどうか」という疑問に、一定の答えを見つけようとするものです。味噌汁摂取の血圧への影響などを研究している共立女子大学家政学部教授の上原誉志夫さんに答えてもらっています。上原さんは、東京大学医学部出身で、留学先の米国ミネソタ大学では、塩分の感受性が高い「Dahl(ダール)ラット」というラットを使った研究などを進めてきました。 日人はむかしから、ことわざでは「味噌の医者殺し」や「医者に金を払うよりも、味噌屋に払え」などとあるように、味噌をべることが医者に医術を受けるよりもからだによい影響をもたらすと考えてきました。また、現代の薬学書にあ

  • (2015年)9月10日(木)は「本当にあった狂気の科学」 | 科学技術のアネクドート

    催しものの案内です。 (2015年)9月10日(木)18時30分より、東京・八重洲の八重洲ブックセンター店で、東京大学大学院総合文化研究科教授の石浦章一さんによる「当にあった狂気の科学」という題の講演会がおこなわれます。主催は八重洲ブックセンター。協賛は出版社の東京化学同人。 これは、石浦さんらが翻訳した『狂気の科学 真面目な科学者たちの奇態な実験』(レト・U・シュナイダー著、東京化学同人)が(2015年)5月に刊行されたことを記念してのもの。 出版社の内容説明によると、このに書かれてある「狂気の科学」は、「アヤシイ実験」で、たとえば、イグ・ノーベル賞を受賞するようなものもあるといいます。 目次には、「水から木」「感電と去勢」「バナナタワーの建設」「鏡の中のサル」など、90ほどの見出しが並んでいます。「狂気の科学」といえる研究をひとつずつ紹介していくつくりになっています。 講演会では

    (2015年)9月10日(木)は「本当にあった狂気の科学」 | 科学技術のアネクドート
    symphonicworks
    symphonicworks 2015/07/27
    (2015年)9月10日(木)は「本当にあった狂気の科学」 | 科学技術のアネクドート 東京・八重洲の八重洲ブックセンター本店で、東京大学大学院総合文化研究科教授の石浦章一さんによる「本当にあった狂気の科学」という
  • 内視鏡の技術、日進月歩 | 科学技術のアネクドート

    外科の手術で、いま欠かせないほど使われている器具に、内視鏡があります。 内視鏡とは、内臓など体の内部を観察するための器械のこと。気管支を観察するのは気管支鏡、腹腔を観察するのは腹腔鏡、眼の脇の部分などを観察するのは眼科内視鏡などと、それぞれの観察する体の部分ごとに、内視鏡のよび名がついています。 内視鏡の技術は日進月歩。最近でも、つぎのような技術革新が報じられています。 まず、胃腸などを調べるための消化器内視鏡では、レンズの直径がシャープペンシルの芯の太さの半分ほどの0.25ミリメートルほどにまで細くなりました。これは、光学機器製造業のオリンパスが開発したもの。 なかでも胃壁などを視るためのレンズの部分は、いまも作業者が経験と勘で加工しているといいますから、職人技が生かされているわけです。 いっぽう、テレビなどでの利用が予定されている、横の画素数が8000画素ある「8K」で患者の内臓を映し

  • アスタリスク「*」でワイルドに検索 | 科学技術のアネクドート

    知っている人にとっては「なにをいまさら」という話でしょうが、グーグルなどでことばを検索するとき、「検索式」とよばれる式を検索欄に入れることがあります。 たとえば、検索すると、知りたいとは思わないおなじことばがたくさん出てきてしまうこともあります。そのときは、[A-B]のように、半角の「-」(マイナス)を入れると、Bとことばは含まれないようになります。たとえば[長嶋-茂雄]とすれば「長嶋茂雄」を除いた「長嶋」が検索されます。

    symphonicworks
    symphonicworks 2013/09/17
    アスタリスク「*」でワイルドに検索 | 科学技術のアネクドート
  • 世の中いたるところに「欠如モデル」 | 科学技術のアネクドート

    科学についての知識が人から人へと伝わることを説明するとき、科学コミュニケーションの研究者などは「欠如モデル」と「対話モデル」というふたつの型を示すことがあります。 欠如モデルとは、科学の専門家から非専門家へと、知識が一方的に流れていくようなモデル。欠如している非専門家の知識を、専門家が穴埋めするという語感からこうよばれているようです。 いっぽう、対話モデルとは、専門家と非専門家のもっている知識を合いまじえさせるようなモデルです。専門家の知識にも、非専門家の知識にも、それぞれにおたがいにはない価値があるため、おたがいが対話を進めて理解を深めたり意見を合わせたりするという語感からこうよばれているようです。

    symphonicworks
    symphonicworks 2013/07/02
    "世の中いたるところに「欠如モデル」 | 科学技術のアネクドート"
  • 食のまわりに“未解決問題” | 科学技術のアネクドート

    人は1日に3回ほど事をします。無数の人たちが、これほどひんぱんに事をしているのだから、たいていの“についての問題”は解決されていそうです。しかし、いまなお、多くの人を悩ませる未解決問題はあります。

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    symphonicworks 2013/06/28
    食のまわりに“未解決問題”
  • “立ちさりかた”に人知れぬ技術 | 科学技術のアネクドート

    人びとのいるなかで自分だけつぎの用が迫っているとき、あるいは親しく話す人がいなくて所在ないというとき、その人は“その場からの立ちさりかた”を考えることになります。 まず、おもむろに腕時計や壁時計に目をやり、「あ、もうこんな時間かぁ」などとつぶやいて、これから帰りのしたくをはじめるということをしぐさで示すという方法はよく使われます。とつぜん「私、帰ります!」と人びとに言うよりも、時計を気にするしぐさをとったほうが、人びとに「帰る」と宣言することに対する唐突感を減らすことができるという考えがはたらくのでしょう。

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    symphonicworks 2013/04/16
    “立ちさりかた”に人知れぬ技術 | 科学技術のアネクドート
  • 剛田武「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」の二義性誇示に成功 | 科学技術のアネクドート

    「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」は、“ジャイアン語録”屈指のひとつでしょう。これは、野比のび太が所有する野球道具を、剛田が「おれのもの」にしようとしてのび太に凄んだときの台詞です。剛田に「な!!」と、同調を求められた骨皮スネ夫は、「うん。」と言いました。 剛田の発したこの台詞は、英国の劇作家ウィリアム・シェイクスピアが「尺には尺を」という劇で創作した、“What's yours is mine, and what's mine is my own.”という台詞と極めてにています。「トリビアの泉」などでも紹介されています。 “What's yours is mine, and what's mine is my own.”と似た意味の慣用句に、“Heads I win, tails you lose.”というものもあります。

    symphonicworks
    symphonicworks 2013/03/07
    剛田武「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」の二義性誇示に成功 | 科学技術のアネクドート
  • 「風がわりな足」が実験で重宝がられる | 科学技術のアネクドート

    実験で使う動物が扱いやすいものであればあるほど、研究を進めるうえで都合よいことになります。そこで、研究者たちは、昆虫、哺乳類、両生類、鳥類などから、だれもが研究で使う「モデル動物」という動物をで自分も研究をします。もっとも有名なモデル動物は、「マウス」や「ラット」でしょう。

    symphonicworks
    symphonicworks 2013/01/15
    「風がわりな足」が実験で重宝がられる | 科学技術のアネクドート
  • 細胞が遠くへと遠くへと“歩いていく” | 科学技術のアネクドート

    生物学の研究では、「細胞が歩く」という表現がたまに使われることがあります。「細胞が歩く」とは、いったいどういうことでしょうか。 この現象を使った技術が魚類の研究で使われています。魚のニジマスの精子や卵子のおおもとになる細胞を、べつの種類の魚であるヤマメのからだの適当な場所に置いておきます。すると、ヤマメがもっている物質の濃度の勾配によって、ニジマスの細胞がヤマメの卵巣や精巣まで「歩いて」いくといいます。これにより、ヤマメの卵巣や精巣で、ニジマスの卵子や精子が誕生します。

    symphonicworks
    symphonicworks 2013/01/08
    細胞が遠くへと遠くへと“歩いていく” | 科学技術のアネクドート
  • 創刊50号、継続という大きな課題も | 科学技術のアネクドート

    きょう(2012年)11月11日(日)、東京・青海の日科学未来館で「どうつくる・使う? 家庭や学校で役立つ科学誌」という題の討論会がありました。会の主催は科学技術振興機構『サイエンスウィンドウ』編集部。毎年、この季節に科学技術振興機構が開いている「サエンスアゴラ2012」の催しもののひとつです。 『サイエンスウィンドウ』は、2007年1月に科学技術振興機構が創刊した科学雑誌です。理科が苦手だけれども理科を教えている小学校の先生などをおもな読者対象にしています。最新号の「2012年秋号」は、創刊から50号となりました。

    symphonicworks
    symphonicworks 2012/11/12
    創刊50号、継続という大きな課題も | 科学技術のアネクドート
  • 退屈な会議中に意味深い螺旋模様を発見 | 科学技術のアネクドート

    素数とは、1およびその数自身のほかに整数で割り切れる数(約数)をもたない正の整数のこと。たとえば、2、3、5、7などは、1とその数自体のほかに整数で割り切ることはできないため、素数となります。いっぽう、4、6、8、9などは、1とその数自体のほか、それぞれ2、2と3、2と4、3でわりきれるため素数ではありません。

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    symphonicworks 2012/10/30
    退屈な会議中に意味深い螺旋模様を発見
  • 一攫千金を誘ってイノベーション創出 | 科学技術のアネクドート

    解決したい問題を解決に導くための方法のひとつに、「懸賞」があります。「なになにしてくれる人を募集」と世のなかによびかけて、その求めに見事に答えてくれた人に、お金を出すのです。

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    symphonicworks 2012/10/25
    一攫千金を誘ってイノベーション創出 | 科学技術のアネクドート
  • ジョン・ガードンさん、山中さん誕生年に細胞を初期化 | 科学技術のアネクドート

    スウェーデンのカロリンスカ研究所は、2012年のノーベル生理学・医学賞を、京都大学教授の山中伸弥さんと、英国ガードン研究所所長のジョン・ガードンさんに贈ることを発表しました。受賞理由は「成熟した細胞が初期化して多能性をもつことを発見したことに対して」です。 山中さんのiPS細胞樹立の業績は、これまでも日国内で知られてきました。これから日全国の報道機関が熱狂的に山中さんの受賞を伝えることでしょう。

    symphonicworks
    symphonicworks 2012/10/09
    ジョン・ガードンさん、山中さん誕生年に細胞を初期化 | 科学技術のアネクドート
  • 仲間を並ばせておいて「長蛇の列」 | 科学技術のアネクドート

    ニュースや新聞などの報道で、裁判の様子をことこまかに伝えることがあります。なかでも、裁判の注目度の高さを伝えるのに「20席の傍聴券を求め2000人の傍聴希望者が長蛇の列をつくった」といった表現が紋切型になっています。 裁判所には傍聴席という座席があります。裁判の内容や様子を一般の市民が知るためによういされた座席です。しかし、裁判所の傍聴席には数にかぎりがあるため、傍聴席の席数より、傍聴を希望する人の数が多いと、傍聴席に座れる権利は抽選であたえられることになります。裁判が開かれるまえに、この傍聴券を求めて、裁判所の近くに長蛇の列ができるわけです。

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    symphonicworks 2012/09/14
    仲間を並ばせておいて「長蛇の列」 | 科学技術のアネクドート
  • 「不純物なし『全透明氷』のつくり方」 | 科学技術のアネクドート

    ビジネスプレスのウェブニュース「JBpress」で、きょう(2012年)8月2日(金)、「不純物なし『全透明氷』のつくり方」という記事が配信されました。この記事の取材と執筆をしました。 氷も、れっきとした材です。とくに夏場、氷は冷たいために重宝されるもの。とくに電気でものを冷やすことできなかった江戸時代までは、天皇や将軍に献上する賜品として価値の高いものでした。

    symphonicworks
    symphonicworks 2012/08/05
    「不純物なし『全透明氷』のつくり方」
  • (2012年)7月13日(金)は「研究と社会をつなぐ…科学技術と報道のあり方を探る」 | 科学技術のアネクドート

    (2012年)7月13日(金)、東京・五番町の科学技術振興機構東京部別館で、「研究と社会をつなぐ…科学技術と報道のあり方を探る」というフォーラムが行われます。社会技術研究開発センター(RISTEX)と日科学技術ジャーナリスト会議(JASTJ)の共催です。 社会技術研究開発センターは、社会の具体的な問題を解決する研究開発を推進する機関で、科学技術振興機構(JST)の一組織です。また、日科学技術ジャーナリスト会議は、科学技術ジャーナリズムの向上や発展を目的とした団体。 研究組織とジャーナリズム集団が双方の立場から、科学技術と報道のあり方を探るというのがこの催しものの主旨。社会技術研究開発センターによる「科学技術と人間」という研究プログラムのうち、「医療」と「科学と法」の分野の研究プロジェクトの内容を題材にして、研究を社会に役立てるにはどうしたらよいかを考えていきます。

    symphonicworks
    symphonicworks 2012/07/12
    (2012年)7月13日(金)は「研究と社会をつなぐ…科学技術と報道のあり方を探る」 | 科学技術のアネクドート