■サブカル論壇を整理 “ゼロ年代”のサブカルチャー論壇を席巻した批評ターム「セカイ系」。主として1990年代後半以降に登場した、アニメ、漫画、ゲーム、ライトノベルなどに対して用いられる作品分類のひとつで、インターネットを中心として広まった。“そういう界隈(かいわい)”では、よく聞くキーワードだ。 だが、その定義はあいまいで、分かったようで分からない言葉でもあった。にもかかわらず、その是非をめぐる討議は延々と生産されている。本書は、このいささか面倒な状況を丁寧に解きほぐし、過去10年あまりのサブカル論壇を整理しようと試みる意欲作だ。 著者は1982年生まれ。批評家・東浩紀さん主宰のメールマガジン「波状言論」の編集スタッフ出身のライターで、本書が初の単著となる。その語り口は平易かつクレバーだ。議論の重点は、「セカイ系」というあいまいな言葉に新たな定義を与えることではなく、なぜこのようなつかみど
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く