→紀伊國屋書店で購入 「私小説を断固として擁護する、小谷野節が炸裂!」 先日、はじめて浜松文芸館に行ってきた。浜松市の文芸活動を紹介する公的な施設である。とくに、浜松に約半世紀住んで、眼科医を営みながら作家活動をした藤枝静男の存在をアピールしている。藤枝静男に関する情報は何度も浜松市内で目にしていたが、浜松に移住して3年目でようやくその存在に一歩近づいたと思う。 浜松市は工業都市である。トヨタ、スズキなどの自動車産業の原点は、織機であった。その織機による繊維産業が勃興したのが浜松市である。繊維産業が衰退したあとは、自動車と楽器の街になった。日本と世界から工場労働者を集めてきた工業都市である。その浜松市において、藤枝静男という私小説作家の存在は全くと言っていいほど知られていない。浜松市はブルーカラーの街。純文学を愛好するタイプの読者人口はきわめて少ないはずである。 浜松市出身ではエンターテイ
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