2018.01.08 ライフ・ソーシャル 『君たちはどう生きるか』に隠された危険な赤い罠:カント歪曲でカルト奴隷を釣る吉野源三郎 純丘曜彰 教授博士 大阪芸術大学 哲学教授 /日本の文系アカデミズムは、ケーベル以来、ハイデルベルク派。にもかかわらず、吉野は、左に急旋回し、敵対的にあえてマルクス主義に近いマールブルク派を礼賛。世界に帰順してこそ、人類に参加できる、と言うが、カントの「コペルニクス的転回」は、けっして、自己中か、世界志向か、などというチンケな対比ではない。むしろ、安直で素朴で独善的な世界志向こそ、天動説そのもの。何が世界かは自分次第。/ なにやらやたら売れているということで、昔の文庫を引っ張り出して読み直したが、とにかくわけがわからない。この吉野源三郎(1899~1981)という人物は、一高東大哲学科を1925年に出ている。当時、東大にはカントを専門とする桑木厳翼がいて、それに