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ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (257)

  • [書評] ケマル・アタチュルク (小笠原弘幸): 極東ブログ

    中公新書の新刊とされている『ケマル・アタチュルク』の表紙を見たとき、ほんの数秒だが、私にはちょっとした混乱があった。「あれ?改版したのかな」と勘違いしたのである。「ケマル・アタチュルク」という表題のインパクトが強く、その上部に記されている著者の小笠原弘幸氏の名前にふとした失念があった。が、すぐに、「ああ、『オスマン帝国』の小笠原さんか」と思い出しつつ、書を開いた。 冒頭、「トルコ共和国の首都、アンカラ。その丘のひとつに建立された、巨大な廟がある。」と読むや、私も見た、壮大なアタチュルク廟の思い出が蘇った。 書を見たときの、この、自分の、わずかだが、混乱の理由は、「すでに中公新書には大島直政氏の『ケマル・パシャ伝』があるではないか?」と連想したからである。勘違いである。それは新潮選書であり、大島直政氏の中公新書の書籍は『遠くて近い国 トルコ』である。この新書は1968年の刊と古く、先の新

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    t_thor 2023/11/02
  • ブログ再開?: 極東ブログ

    長い間ブログを休止していた。この間、大学院生であったという理由が大きい。25歳に最初の大学院を中退し、それから40年かけて大学院修士を終えたという感じだ。10年前の著書には、「もう諦めた」と書いたが、子供が4人成人したのをきっかけに修士に再挑戦した。というわけで2年間、放送大学で大学院生をやっていた。ようやく修論が終わり、取得単位もクリアしたので、今月末には卒業ということになる。 この間、修論研究にけっこう専念していた。コロナ禍もあってか、朝から深夜まで研究ばっかりしていたこともある。加えて、大学院の単位取得もそう容易いということでもなかった。40年前の大学院の単位も復活できるかとも思ったけど、手続きミスがあり、諦めた。結果からいうと、それでよかった。認可待ちしていると、大学院の単位の計算が不確定になっただろう。取得単位という点では、結局、学院を2つ出たような感じだが、あれだなあ、学問の風

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    t_thor 2023/03/02
  • アニメ『ゆるキャン』: 極東ブログ

    アニメ『ゆるキャン』が面白かった。が、どう面白かったのかと言うために、実に、奇妙な感覚を強いられる。 優れた作品か?と問い直して、やはり、もにょる。それほど優れた作品ではないけど魅力的、とでも言いたい気もするが、そうでもない。絵もそこそこきれいだし、コンセプトとかキャラもいい、と言えばば、それもそうなのだが、それでも、もにょる。友情? 女子トーク? まあ、そういう何かではない。 学習漫画『キャンプ入門』というのでもあれば、それに近い気もするし、特段、深いコンセプトがあるわけでもない。 なんというのだろうか。 まず……、私はびっくりしたのだった。 女子高生が一人で冬にキャンプってするのか? 昭和な私には、ありえねーと思ったのだが。危険じゃないのか。いや、危険じゃないし、別に女性高校生が一人キャンプに行ってなにが悪いわけでもない。ただ、昭和時代にはそれは実質無理だったのではないか。いい時代にな

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    t_thor 2020/03/26
  • ドレフュス事件すごろく: 極東ブログ

    ドレフュス事件(L'affaire Dreyfus)は、高校で世界史を勉強する人なら必須項目ではあるし、現代的な意味も大きい。自由を標榜する社会での民族差別による陰謀といったあたりの話題にも関係する。印象に過ぎないが、この事件についてなんらか語ることができるかというあたりが、教養人・知識人というものの境界を作っているようにも感じられる。 同時代的に当然といえば当然だが、この事件の社会的な影響を含むプルースト『失われた時を求めて』を読むと、そうした世界史的、あるいは社会的な意味合いに加え、社交界的な、大衆社会的な意味合いに独自の感触があることに気がつく。そうしたなかで、私はドレフュス事件すごろく(Jeu de l'oie de l'affaire Dreyfus)を知った。Wikipediaにも掲載されているので私が無知であった。とはいえ、あらためてこれはいったい何なのだろうかと考えさせられ

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    t_thor 2019/11/12
  • ジョン・ボルトン大統領補佐官解任について: 極東ブログ

    米時間で10日、ドナルド・トランプ米大統領は国家安全保障問題担当のジョン・ボルトン大統領補佐官の解任をツイッターで発表した。解任の理由は、ボルトン補佐官の考えに反対したためとのこと。他方、ボルトン補佐官は、自ら辞職したとして解任を、これもツイッターで否定した。おそらく真相は、辞任のほうだろうが、トランプ大統領の堪忍袋の緒が切れたといっても正しいだろう。二人の仲は険悪であり、その状態で国家安全保障が維持できるわけもなかった。 この「解任」をどのように考えるか? 前提として、米国の国家安全保障政策は全世界に影響を与えるし、特に日では北朝鮮政策に関連してくるので、考える重要性がある。 簡単に思い至るのは、トランプ米大統領の気まぐれである。というのも、この「解任」はトランプ政権で3人目になる。2017年2月にマイケル・フリン元陸軍中将、2018年4月にH・R・マクマスター将軍に次ぐ。普通に考えれ

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    t_thor 2019/09/11
  • 安倍晋三首相のイラン訪問は失敗だったか?: 極東ブログ

    安倍晋三首相は14日午前、首相としては41年ぶりという歴史的なイラン訪問から、政府専用機で羽田空港に帰国した。この会談は失敗だったか? 成功か失敗かと評価するには、どのような評価基準を持つかによる。 端的に、どうであったら、大成功であったか? 日のメディアでは、米国と仲介に失敗したという見解も見かけた。その視点の背景は、イラン核合意を再構築するということだろう。だが、これは原理的に難しい。というのは、合意を破棄したのは米国なのだから、それを求めるなら対象は米国になる。また、米国側の破棄をなだめるために、イランにミサイル開発を含め、全面的に米国の意向に従わせることができたら、というのであれば、それはすでに日の外交ではないだろう。 こうして具体的に考えていくなら、失点がないことが、成功というしかないだろう。その意味で、今回の安倍晋三首相のイラン訪問には致命的な失点もなく、そうであれば、成功

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    t_thor 2019/06/17
  • 香港大規模デモについて: 極東ブログ

    現下の香港の大規模デモについては、日のメディアでもけっこう報道されていることと、このブログでは香港の民主化についてこれまでも扱ってきたので、ごく簡単に言及しておきたい。 まず、なぜデモなのか?という原点を確認したい。これがもっとも重要な点だとも言える。理由は、議会が普通選挙による民主的な議会ではないためだ。日のように普通選挙が実施されている民主主義国なら、市民はデモを行っても当然よいが、政治参加としては投票に次ぐものになる。ところが、香港には、市民の普通選挙がない。市民の意思表示は、デモ以外にはないのである。 この原点が意味するところは、2つに分けて考えてもいい。①議会が市民の代表ではないということ、②普通選挙が実施されていないこと。前回の雨傘運動は、この普通選挙を求めるものだった。そして、その意味での、普通選挙を求める香港市民の意思は変わりない。そこが目標でもある。 次に、現下のデモ

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    t_thor 2019/06/14
  • 「令和」の違和感: 極東ブログ

    「令和」の違和感について、2点ほどブログに書きこのこしておきたい。最初に言っておくと、この新元号をくさす意図はないので、ご安心をというか、ご期待に添えずというか。 なぜ、「令和」は「れいわ」で「りょうわ」じゃないのか まず第一点目に、なぜ、「令和」は「れいわ」で「りょうわ」じゃないのか? 自分も当初疑問に思ったし、ネットでも疑問の声があるわりに、解答がないので、解答を書いておこうと思った。では解答。 「令」の字に「りょう」という読みはありません というのは、ブログっぽい釣り風味なんで、正確に言い直そう。 「令」の字に常用漢字表では「りょう」という読みはありません そう。ないのだ。 日政治制度の基となった「大宝律令」は、「たいほうりつりょう」。これは、小学生でもそう学ぶと思うので、「令」は「りょう」という読みがあるのは知っている人が多い。 しかも、万葉集の時代、奈良時代の漢字は、呉音で

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    t_thor 2019/04/04
  • やまもといちろう氏のツイッターアカウント凍結で思ったこと: 極東ブログ

    ブログの話題でもないかもしれないし、私が取り上げる話題でもないだろう、そもそもそれほどたいした話題でもないんじゃないかか、と思い数日過ごしていたが、日のブログのブログの歴史を振り返ってみると、というのも大げさだが(アルファブロガーなんちゃら)、案外私もコメントしておいてもいいかもしれないと思い直し、わずかだが、やまもといちろう氏のツイッターアカウント凍結で思ったことを簡単に書いておく。凍結というのは、発言禁止ということ、「おまえここでこれ以上、つぶやくなよ」ということ。なお、気取るわけでもないが、この話、あくまで日のブログ史の資料程度ものであって、同氏への関心というものでもないので、そこはそういうことで。 そもそもこれがニュースなのか、つまり、ツイッターのいちアカウント凍結がニュースなのかというと、普通は、その凍結された人の重要性が問われるだろう。そうした意味で、やまもといちろう氏が、

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    t_thor 2018/07/27
  • 非モテとインセルの違いについて: 極東ブログ

    ブログを書いていると、知りもしない話題をブログ記事なんかに書くなという罵倒をもらうことがある。しばしばある。というか、この手のナイス・マウンティングは実際にはもう制度化していて、まさか罵倒している人もそうした思想制度に絡め取られているんじゃねーのといったメタ・マウンティング返しをしていると、ほらぁ、はてな的世界の螺旋地獄はとまらなくなるし、あー、ここは、はてなじゃねーよ。 と切り出したのは、この螺旋マウント地獄のノリがはてなっぽいんじゃないかと思えたこともあるが、こうした一種の対話的な機能が、はたからは地獄に見えても、他面では低能先生の実効をそれまで抑止していた対話機能なんじゃないかと思うからで、そこの点が、非モテとインセルの大きな違いなんじゃないかというのが、この記事の結論で、それだけでわかった人は以下読む必要はないんだけど。あと、この記事が何言っているのか、まるでわからないという人も

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    t_thor 2018/07/05
  • [アニメ] 魔法少女まどか☆マギカ: 極東ブログ

    『魔法少女まどか☆マギカ』をたらたらと見た。見ろと勧められたというほどでもないが、それに近いようなことがあって、なんとなく見始めて見終えた(映画は見ていない)。この手のアニメのキャラクター・デザインは私は苦手なのと、オタクっぽさを感じさせるアニメはそもそも苦手なんで、こんなの俺が見るかなあ、と思っていたが、たらたらと見ることの利点もあるもので、しだいに面白くなった。というか、これはなるほど重たいテーマなのだなと理解した。 以下、ネタバレを含む。それと、この記事は批評的なものではない。感想というか連想というか、そういうものだ。まあ、どうでもいいという類でもある。 この作品で魅力的なキャラクターは、何と言っても、と言っていいのではないか、キュゥべえだろう。古典的な文学作品の文脈で言えば、悪魔の類型になるのだろうが、悪魔が通常、悪なるものを定義する形で表現されるのに対して、キュゥべえは、悪を止揚

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    t_thor 2018/03/21
  • 新型出生前検査が形成する未来: 極東ブログ

    産科婦人科学会(日産婦)が、「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査指針」、通称新型出生前検査(略称NIPT)を公表したのが平成25年3月9日。4日後の13日には、厚生労働省母子保健課課長が「『母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査』の指針等について(依頼)」(雇児発母0313第2号)を通知した。これにより、あくまで臨床研究として、指定機関に限定し、また35歳以上の妊婦に限定し、さらに検査疾患も三つの染色体異常に限定して、新型出生前診断が日で開始され、5年が経過した。 新型出生前検査は、従来からある検査より優れている。従来からある羊水検査は精度(感度)はほぼ100%だが、子宮に針を刺すことから約300人に1人の割合で流産のリスクがある。他方、同様に従来からある血中ホルモン検査と超音波検査の組み合わせでは精度は80%から85%と言われていた。新型出生前診断では、採血したDNAによる診断

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    t_thor 2018/03/20
  • ためらいながらではあるけど: 極東ブログ

    人と限らず多くの人がフィギュアスケートの羽生結弦選手の活躍を賞賛しているなか、こういう意見を述べるのも、悪意のように取られるのではないかと恐れるが、自分としては若い選手の将来を思ってこういう意見もあるという、一つの小さな例として、ためらいながらではあるけど、書いておきたい。繰り返すが、こう思う人もいるというくらいの些細なブログ記事であり、強く望むという大それた主張ではないし、私はたぶん間違っているのだろうという疑念もあるので、そこは理解していただきたいと願う……私は羽生結弦選手は平昌冬季オリンピックに出場しないほうがよかったと考えていた。 理由は、NHKスペシャル『羽生結弦 五輪連覇への道』を見たおり、昨年11月の怪我が深刻なものに思えたからだ。同番組では「自らの限界を超えて五輪に挑もうとする羽生結弦」というトーンで推していたが、そしてそれ自体はスポーツ選手として素晴らしいことではある

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    t_thor 2018/02/20
  • 三浦瑠麗氏の「スリーパーセル」発言をめぐって: 極東ブログ

    昨日ツイッターで三浦瑠麗氏が民放のトーク番組でした発言がなにやら話題になっていた。というか、問題発言だとして三浦氏への批判と取れるツイートが多かった。さて、どんな問題発言かと少し気になったのだが、話題にしているツイートがどれも二次情報であり、二次情報で盛り上がる趣味はないので、以降まだ話題が続いて一次情報が出るころ少し考えてみるかなと思っていた。で、今日それを見かけた。ハフィントンポストにあった。「三浦瑠麗氏、ワイドナショーでの発言に批判殺到 三浦氏は「うがった見方」と反論(アップデート)」(参照)である。 三浦 もし、アメリカ北朝鮮に核を使ったら、アメリカは大丈夫でもわれわれは反撃されそうじゃないですか。実際に戦争が始まったら、テロリストが仮に金正恩さんが殺されても、スリーパーセルと言われて、もう指導者が死んだっていうのがわかったら、もう一切外部との連絡を断って都市で動き始める、スリー

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    t_thor 2018/02/16
  • 失敗している「ナッジ」がなぜそのまま放置されているのか?: 極東ブログ

    「ナッジ」についてはあとで触れるけど、冒頭はまず簡単な話から。 電車に乗っていると、妊婦に席を譲りましょう的な絵を見かける。対象は妊婦ばかりではないけど、ここではその妊婦を表したシンボル絵について思うのだけど、こうした図画はたいてい、お腹がぽってとしている状態を表している。つまり、妊婦=お腹が張った人、という認識によっている。ところが、席を譲ってほしい妊婦というのは、必ずしもお腹がぽってっとした妊婦ばかりではない。『嫁はフランス人 2』(参照)で著者の西さんのパートナーであるプペさんが言っていたが、お腹が目立たない時期のほうが立っていてつらいということがある。 話を簡単にすると、妊婦に席を譲らせるということを市民に促したいなら、この図は、間違っているとまではいわないけど、失敗している。 ちなみに、こうした、社会的に好ましい行為を強いるのではなくそれとなく促すことを「ナッジ」という、と仮にこ

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    t_thor 2018/02/13
  • カトリーヌ・ドヌーヴを含め100人の女性が主張したこと: 極東ブログ

    ル・モンドで発表された(参照)、カトリーヌ・ドヌーヴを含め100人の女性が主張したことを、自分でも考えてみたいと思い、仮訳してみました。誤訳があるかもしれません。というか誤訳が多いかもなので、あくまでご参考までに。 《私たちは、性的自由に不可欠な、迷惑をかける自由を擁護します。》 レイプは犯罪です。しかし、しつこかったり下手くそだったりしても女の気をひこうとする行為は違反ではありませんし、女をくどくことは男性優位主義の攻勢でもありません。 ワインスタインの事件後、特に権力を乱用する男性のいる職場において、女性に対する性的暴力が法的に認識されるようになりました。それは必然的なことでした。しかし、その言論の自由は今日逆の方向を向いています。こうすべきだという口調や、むっとくる人を黙らせることを私たちに命じています。そして、そうした押し付けを拒む女性は、裏切り者だ、同罪だと見なされます! 魔女狩

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    t_thor 2018/01/12
  • [書評] 北朝鮮 核の資金源(古川勝久): 極東ブログ

    北朝鮮の工作員が日に多数いるとか、彼らは国際的に活動しているとか、「まあ、そんなの常識として知っていますよ」と言いたくなるが、書を読んでみると、なんというのだろう、うなだれてしまう。ある種、絶望感のようなものも感じる。ここまで実態はひどいのか。あえて「私たち」と言いたいのだけど、私たちはこの問題に実際は目をつぶっていたのだなと後悔する。 書『北朝鮮 核の資金源(古川勝久)』(参照)は副題に『「国連捜査」秘録』とある。著者は国連安保理の下に置かれた北朝鮮制裁担当の専門家パネルに2011年10月から2016年4月まで4年半所属し、北朝鮮の国際的な暗躍を詳細に調べ上げてきた。日国内はもとより各国に足を延ばし、国連による北朝鮮制裁を北朝鮮がどのように違反し、またどのように、ミサイルや原爆の開発部品の調達や技術収集、さらにそのための資金調達を行ってきたか、それを丹念に調べた記録が書である。

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    t_thor 2017/12/26
  • 公文書館なくして民主主義なし: 極東ブログ

    公文書制度の動向がピンと来ない。現状、細田博之官房長官の私的懇談会「公文書等の適切な管理、保存および利用に関する懇談会」(座長、高山正也慶大教授)が進行しており、先月28日、各省庁が保存する文書の国立公文書館への移管基準の明確化などを求める報告書が細田長官に提出された。 懇談会の詳細については、内閣府ホームページ(参照)のかたすみの「その他の施策」にこっそりとリンクがある。リンクであることがわかりづらいように下線を消した項目の「公文書館制度」がそれだ。内閣府は公的ホームページの作りかたもわかってないな。とほほ。 この「公文書館制度」(参照)の資料は、面白には面白い。が、専門的な議論が中心になるのはわかるのだが、率直に言うと、「わかってんのかこの人たち」という印象がある。 同じ印象は昨日の読売新聞社説「公文書保存 政府が直接やるべき事業だ」からも受けた。内容はよく書けてはいるのだが、ジャーナ

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    t_thor 2017/07/07
  • 都議選の結果で見えるものは公明党の時代か: 極東ブログ

    都議会選挙が終わった。都民ファーストが革命的と言えるほど圧勝する可能性は事前に読んでいたという点での驚きはなく、それに従って自民党の大敗も読んでいたものの、ここまで崩れてしまうとは思っていなかった。この予想外の点が、共産党の好調をもたらしてもいた。 すでに書いたように共産党は当落線で自民党と争い、改選前17議席から10議席を割る事態になるだろうと想像していたが、当落線での自民党の勢いがあまりに弱く、この波及が共産党有利に働き、前回から2議席増えて19議席となった。これは現状維持の延びであって大躍進とはいえないまでも、都民ファーストの嵐を上手に避けたかたちになったので、ひたすら国政レベルの自民党を叩くという共産党の戦略は間違っていなかったのだなと感慨を持った。 民進党は、7議席から5議席となり2議席減った。この面だけの数の帳尻で言うなら、民進党の議席分2が共産党に移ったかのようにも思える。私

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    t_thor 2017/07/03
  • トランプ政権のシリア空爆をどう見るか?: 極東ブログ

    トランプ政権によるシリア空爆をどう見るか? たぶん、こういう見方が出るんだろうなという見方が、ダイヤモンドオンラインに掲載されていたのをたまたま見かけた。軍事ジャーナリスト・田岡俊次による「米シリア攻撃の大義名分「化学兵器使用」は当にあったか」(参照)である。その論点の1つは、「シリアが化学兵器を使ったとは思えない」ということで、その理由が「いくつか」示されている。 問題提示としては、「アサド政権が化学兵器使用したのか?」として理解できる。だが、そうすると、「アサド政権なのか?」という疑問と「サリン等の神経ガスか?」という疑問が重なる。同議論では、後者についてはあまり触れず、前者については「旧ヌスラ戦線の「自作自演説」や、シリア軍の航空攻撃の際の「飛散説」の方が可能性は高いと思われる」としている。その上で同議論は、2003年のイラク攻撃と同様に国連安保理の決議もなく進めた軍事行動であり、

    トランプ政権のシリア空爆をどう見るか?: 極東ブログ
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    t_thor 2017/04/11