三重県明和(めいわ)町の県立斎宮(さいくう)歴史博物館は17日、同町の国史跡・斎宮跡から、ひらがなの「いろは歌」が書かれた平安時代の墨書土器が見つかったと発表した。 11世紀末~12世紀前半の土師器(はじき)で、ひらがなで記されたいろは歌としては国内最古の確認例という。同博物館は、斎宮に宮廷文化がいち早く伝わっていたことを示す貴重な発見としている。 土師器は4枚の破片で、つなぎ合わせると縦6・7センチ、横4・3センチ、高さ1センチになる。表の面に「ぬるをわか」、裏の面に「つねなら」と書かれている。 斎宮は670年頃から1330年頃まで、天皇に代わって伊勢神宮に仕えた皇女「斎王」の宮殿があった場所で、地元の女官が文字を覚えるために書いた可能性が高いという。