ムスリム(イスラム教徒)の訪日客が急増するなか、イスラム教の戒律に従ったハラル食を提供する飲食店がこぞって取得を目指した「ハラル認証」の信頼性が揺らいでいる。認証団体が乱立し、統一基準がないまま認証だけがひとり歩きした結果、かえってムスリムの不信感を増長させる事態になっているためだ。このため、飲食業界ではSNS(会員制交流サイト)などで食材や調理方法を公開したり、店頭での説明を徹底したりするなど、認証に頼らないアピールが広がっている。(小松大騎) 揺らぐ認証への信頼 日本最古のモスク「神戸ムスリムモスク」(神戸市中央区)は、東京のモスク「東京ジャーミイ」と並び日本を訪れるムスリムに人気の観光地で、年間7千人以上が訪れる。一方で、日本食への興味を持ちながら、食事を済ますことなく神戸を離れるムスリムは少なくない。 モスクに毎週通うムスリムの大学生、ユースフ・ムハンマドさん(25)は「ほとんどの