遙から 私は女性たちの“混迷”に対して好奇心が強い。 簡単に言うと、女子が今何を困っているのかを聞くのが、好きだ。 憧れのフツーの暮らし さりげなく「喫茶店に行かない?」と誘ったごく普通のキャリアウーマンたち。私のような芸能界でしか働いたことのない偏った人間には、憧憬にも似た気分にさせるフツーの暮らしがある。着席するなり女性が言った。 「この前、占いに行って…」 もうそれだけで私は爆笑した。フツーの暮らしの中にある苦悩。占いに行かずにはいられなかったキャリアウーマンの苦悩に私はワクワクした。 「去年、半年間、辛かったでしょう、と占い師に言われたの。それが当たっていて…」と目を丸くして語る。フツーとはなんと邪気のない幸福か。同じ言葉を聞いても私の反応は違う。その占い師に対し私ならこう思う。 「誰でもいつでも思い当たるような無難なセリフで人を操りやがって」 もう一人のキャリアウーマンは、超働き