日本の教育システムでは、受験勉強に興味を持てなかったり、不登校になったりすると這い上がるのが難しい。立命館アジア太平洋大学(APU)の出口治明学長は「日本の教育には歪みがある。そのなかで通信制の“N高”から、今年ついに東大生が生まれた。いまの仕組みを考え直す時期が来ている」という——。 日本の教育「親の格差を縮めることはできない」 日本は格差社会です。 『教育格差』(ちくま新書)を書いた早稲田大学准教授の松岡亮二さんが述べているように、どんなデータを取っても、親の学歴や所得、住んでいる地域によって子供には教育格差が生じる。これは“教育機会”の差でもあり、その後の学歴格差や収入格差へとつながっていきます。 日本は、人生の早い段階で子供の歩むコースが決まってしまいます。たいていの子供は近くの公立小学校へ通いますよね。小学校の先生は落ちこぼれをつくらないように、格差を縮めようと努力します。 でも