1月24日、労働日数の短縮は、生産性を向上させる鍵になるかもしれない。写真はグラストンベリー・フェスティバルで2014年撮影(2024年 ロイター/Cathal McNaughton) [ミラノ 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 労働日数の短縮は、生産性を向上させる鍵になるかもしれない。レイバンで有名なイタリアの眼鏡メーカー、エシロール・ルックスオティカや、英日用品大手ユニリーバなどは現在、週労働日数を減らす実験を続けている。売上高の増加につながり、バーンアウト(燃え尽き)率と離職率の急低下をもたらしている。企業経営者にとっては、従業員を幸せにして余暇を増やしつつ、賃金を一定水準に抑えることができる方法でもある。
そもそもお金とは何なのか? お金の歴史は、経済学者ジェイコブ・ゴールドスタインが著書『貨幣 その誕生の真実』 (未邦訳)のなかで述べるとおり、「義務の概念と気まぐれな論理」から成り立っている。お金が発明される前、人々は物々交換に頼っていたがこれは非常に不便なシステムだった。ゴールドスタインいわく、「お互いの需要が一致」しなければ、交換は成り立たないからだ。私が小麦を持っていて、あなたが肉を持っているとしよう。私たちが交換を成立させるためには、私がちょうど肉を求めていて、あなたもちょうど小麦を求めていなくてはならない。これはこのうえなく効率が悪い。 価値と価値の交換は、世界中のあらゆる文化において存在する。たとえば結婚、殺人罪に対する刑罰、そして生贄(いけにえ)。こうした交換で使われたのは、子安貝、マッコウクジラの歯、長い牙を持つブタなどだ。これらの品物は、お金の持つ2つの大きな役割を果たし
日本政府は多様なコロナ給付金を支給したり、防衛費の増強を決めたりしたが、これらの一部は国債発行で賄われている。2022年度末には普通国債の残高がGDPの2.6倍の規模となり、赤字大国でもとどまることなく国債発行額が膨張している。それを可能にした理由の1つに、日銀が行った異次元緩和やある制度が関係してくる。そもそも国債発行自体に問題はあるのか。日本の将来を左右するこの大きな問題について考える。 1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。 noteアカウント:https://note.com/yukionoguchi Twitterアカウ
通説では,1990年にかの不動産バブルがはじけてから日本は「失われた○十年」に苦しんできたという話になっている.実のところ,一人あたり GDP を見ると,他の豊かな国々にくらべて日本の実績が見劣りしはじめた起点は1990年ではなく1997年に思える.97年といえば,アジア金融危機のあった頃だ. この「失われた○十年」論に対して典型的に向けられる反論では,こう語られる――日本が停滞しているように見えるのは,大半が人口の高齢化によるものであって,実際の生産性で見ると日本は2000年頃から問題なくやっている.新しく出た Fernandez-Villaverde, Ventura, & Yao の論文は,こう主張している: 多くの先進諸国では,この数十年で,高齢化にともなって,一人あたり GDP成長と労働年齢の成人一人あたり GDP 成長のちがいは大きくなってきている.日本のように一人あたり GD
日本銀行の円買い介入が機能する可能性は低いと、ドイツ銀行の為替調査グローバルヘッド、ジョージ・サラベロス氏が指摘した。同氏は円を、新興国通貨で過去10年間のパフォーマンスが最も悪い2つの通貨と同列に置いた。 サラベロス氏は顧客向けリポートで、「利回りや対外収支といった円相場を動かしている要因を一見すると、円はトルコ・リラやアルゼンチン・ペソと同じ部類に属する」と指摘。「円を防衛する日本の介入は良くて無力、最悪の場合には状況を悪化させることになるだろう」と続けた。 国際的な投資家にとって、円は伝統的に安全資産としての地位を確立している。それを過去10年でドルに対して90%余り下落したリラとペソになぞらえるのは目を引く。円は世界で取引量が3番目に多い通貨であり、日本の経済規模は世界で4番目に大きい。 為替介入にスタンバイ、1ドル=151円台で「背景に投機」-財務官 (3) サラベロス氏は、日本
最低賃金600円台の時代の底辺労働者ってどんな暮らししてたんだ? スマホが無ければこれでも生活できるのかな anond:20230727101403 簡単に言えば、最低賃金で働く労働者(≒底辺労働者)は一家を支える必要は無かった。そして人々の暮らしは、今よりも給与も高く物価は安く負担率は低かったので、今より良かったと思われる。 最低賃金が、その金額で働く人が生活を支えるということを想定していなかったし、それでも良かったんだよ。 最低賃金水準の金額で主婦層などが働いても、それは家計を支えると言うより自分の自由に使えるお金を稼ぐため、みたいな時代。 そういった人を想定していたから、最低賃金は低く抑えられていたし、抑えていても大黒柱の給与は十分に高かったから今ほどは社会問題にならなかったんだよ。年 最低賃金給与平均給与中央値1997 603円 664万円 545万円2022 961円 443万円
『いかにして民主主義は失われていくのか』(ウェンディ・ブラウン著、みすず書房)を読む。久しぶりに線を引きまくった本。著者はフーコーとマルクスを主軸にしながら、フェミニズムの視点から、新自由主義がなぜ社会を覆い尽くすのか、を解明した名著。備忘録的に長々読書メモをつけておく。 新自由主義的合理性(1章) 「わたしはミシェル・フーコーらとともに、新自由主義を規範的理性の命令であると考える。その命令が優勢になるとき、それは経済的価値、実践、方法に特有の定式を人間の生のすべての次元に拡大する、統治合理性のかたちをとる。」(p26) 「新自由主義的合理性が市場モデルをすべての領域と活動へ-貨幣が問題ではない領域であっても-散種し、人類を市場の行為者であり、つねにどこでもホモ・エコノミクスでしかありえないものとして設定する」(p27) 新自由主義が世界中で浸透するのは、その合理性が単なる経済論理だけでは
要旨 5月15日の経済財政諮問会議では、清滝信宏プリンストン教授が、岸田首相や植田総裁が出席する中で、金融政策に対して非常に示唆的な発言をしていた。清滝教授は、まだ日本人が誰も受賞したことがないノーベル経済学賞で、存命中の学者の中で最も近いところに居る候補者とされる。世界レベルの知性としても知られるだけに、筆者はその人物が公式の場で何を語ったかに注目している。 目次 刺激的な発言 清滝教授の発言内容 経済成長についての苦言 (※)本稿は、ロイター通信に寄稿したものを、加筆・修正した内容である。 刺激的な発言 5月15日の経済財政諮問会議では、清滝教授が、「インフレ率が1~2%程度に定着すれば、量的・質的緩和は解除するのが望ましい」と語った。この発言は、同席している植田総裁に向けられたものである。日銀は安定的に2%と宣言しており、実質的には2%を割り込まないインフレ率を目指しているから、清滝
政府支出乗数は、1単位の政府支出を追加した時に、国内総生産(GDP)が何単位増えるかを表す数値をいいます。 政府が財・サービスの購入を1単位、例えば、1兆円分を追加した時に、GDPがどれだけ増加するかを示すもので、その仕組みとして、限界消費性向(所得が1単位増加した時に、家計が消費のために支出する割合)に依存することになります。 政府支出乗数=1/(1-限界消費性向) 一般に政府支出の増加は、財・サービスに対する需要を直接的に増加させると共に、GDPまたは国民所得を同額だけ増加させ、また国民所得の増加の一部は消費増加となり、国民所得の増加につながります。そして、この連鎖的な所得増加の波及効果により、最終的には、GDPは政府支出の最初の増加の乗数倍増加することになり、その比率が「政府支出乗数」です。 なお、本乗数については、どのような計量経済モデルを使うかによって、数値が変わってきます。
2013年04月16日 12:19 2008年のリーマン・ショックを契機とした世界的金融危機は、現在も多くの会社を苦しめており、失業率も完全に回復していない。自殺率の急増などに表れているように、人々の心にも大きな負担を掛けているが、体の健康面に限ると悪いことばかりではないようだ。スペイン・アルカラ大学医学部のManuel Franco准教授らは、1990年代に起きたキューバの経済危機を例に、国民の健康事情を検討した結果、自動車を利用しなくなったことで活動性が高まり、食糧事情も相まって肥満や糖尿病、死亡率も減ったと、4月9日発行の英医学誌「BMJ」(電子版)に発表した。 体重は国民平均5.5キロ減少 1991年のソ連崩壊によって、ソ連産の石油を自国産の砂糖と物々交換していたキューバは経済的な大打撃を受けた。政府の経済改革によって95年以降は回復、さらに成長へと転じたが、08年の金融危機やハリ
他者と何かを分かち合おうとする意思を試す実験で チンパンジーが驚くほどの公平性を示したとの研究結果が、 今週の米科学アカデミー紀要に掲載されたというニュース↑ チンパンジーにも「平等」の概念あり、米実験で証明 AFP2013年01月16日 記事によると、 米エモリー大学のヤーキス国立霊長類研究センターと ジョージア州立大学が共同で実施。 2~7歳の人間の子ども20人のグループと、 成体のチンパンジー6匹のグループで 最後通牒ゲームをしたそうです。 最後通牒ゲームというのは、経済学で使われる心理実験のひとつ。 誰かに分け与えられた「報酬」をどのように分配するかというゲームで、 プレーヤーは2人。 ある1人(仮にAさん)には報酬の分け方の決定権を、 もう1人(仮にBさん)には提案された分け方に対する拒否権を与えるというもの。 そこで、もし、Bさんに拒否されたら、二人とも報酬はなし。 そういう条
社会主義とは貧富の差がない社会の実現を目標とする思想・社会体制です。しかし実際には、社会主義国でも経済格差が生じています。たとえば中国やベトナムは社会主義国ですが、いずれの国にも世界的に億万長者と称される大富豪が存在します。中国ではジャン・イーミン(Tik Tokを運営するバイトダンスの創業者)やジャック・マー(Eコマースの巨大企業アリババグループの創業者)、ベトナムではファム・ニャット・ヴオン(不動産を中心とするコングロマリットのビングループ創業者)などが挙げられます。一方で、いずれの国でも僻地の農村には日々の暮らしにも困るような貧しい人々がいるのも実態です。 グローバル化が進展するなか、社会主義国に限らず世界各国で所得格差が拡大する傾向にあります。そこでまずは、一般的な格差の問題点や原因についてみてみましょう。経済発展を持続させるうえで、ある程度の格差が生じるのは仕方がありません。しか
18日の東京外国為替市場は、アメリカで大幅な利上げが続くという見方から、円相場は、1ドル=149円台まで値下がりし、およそ32年ぶりの円安水準で取り引きされています 外国為替市場では、日米の金利差がさらに拡大するという見方に加え、17日、イギリスで大型減税策のほぼすべてが撤回されると発表され、財政悪化への懸念が和らいだことから、ポンドが買い戻され、その影響で円を売ってドルを買う動きが強まっています。 このため円相場は、17日のニューヨーク市場に続いて、18日の東京市場でもおよそ32年ぶりの円安水準となる1ドル=149円台まで値下がりしました。 市場関係者は「鈴木財務大臣と日銀の黒田総裁が衆議院予算委員会で発言し、一部の投資家からは円安へのけん制と受け止められ、いくぶん円の買い戻しも入った。市場介入への警戒感も根強く、政府・日銀の対応が注目されている」と話しています。 鈴木財務相「投機による
金銀比価の計算は単純で、金の価格を銀の価格で割ったものです。これは、1オンスの金を買うために何オンスの銀を売らなければならないか、または1オンスの金を売ったお金で何オンスの銀を買うことができるかを表します。 金銀比価は通常10から100の間にとどまりますが、厳密にはそれがこの範囲より高くも低くもならない理由はありません。 2019年2月7日の時点で、金は1オンスあたり約1,306ドルで取引されていましたが、銀の価格はわずか16ドル未満でした。この場合、ゴールド・シルバー・レシオは1,306÷16で82となります。 金銀比価は、金と銀それぞれの価格だけではなく、もう一方と比較してどれだけ早く上昇または下落するかによって決まります。金と銀の価格はほとんどの場合相関している傾向があるので、一方の価格がより急速に増減すると、結果として変動が起こります。たとえば、次のような場合です。 金の価格が銀よ
[Noah Smith, “People are realizing that degrowth is bad,” Noahpinion, September 5, 2021] 脱成長論者が提唱してる狂った構想は,地球を救う本物の対策からぼくらの気をそらしてしまう幻想だ. 「脱成長」を唱える人たちがいる――地球を救うために経済成長を停止する必要があるのだと,彼らは言う.今回は,これがすごくダメなアイディアである理由を解説する長文記事を書くつもりでいた.ところが,ぼくが書くまでもなく,すでにそういう文章を書いてる人たちやポッドキャストで語ってる人たちが他にいる.たとえば,ブランコ・ミラノビッチ,ケルゼイ・パイパー,エズラ・クラインといった人たちだ.そこで,かわりに今回は各種の脱成長論をカタログにまとめて,その要点をとらえることにしよう. ただ,その前にまずは,標準的な主張を見ておこう.そうす
「人新世」の危機を乗り越えるには ーー 斎藤幸平 際限なく利潤を追求する資本主義。安価な「資源」と「労働力」を搾取し、「市場」を作り出し続けるためには、常に新たなフロンティアが必要だ。 「しかし地球は有限です。今や資本主義を潤すフロンティアは、ほとんど残されていません。それどころか、人類の経済活動、すなわち資本主義が地球環境そのものを破壊する『人新世』と呼ばれる時代に突入してしまった。先進国に暮らす私たちも逃れられない環境危機に直面しているのです」 『人新世の「資本論」』の著者・斎藤幸平は、現在の状況をそう捉えている。ベストセラーとなったこの本は、「SDGsは『大衆のアヘン』である!」、そんな強烈なパンチラインで幕を開ける。各国政府や企業が推進するSDGs(持続可能な開発目標)は、環境危機から目をそらさせるための免罪符だと言うのだ。 斎藤幸平(KOHEI SAITO) 1987年生まれ。大
[Alex Tabarrok, “Staple a Lottery Ticket to Every Vaccination Card,” Marginal Revolution, May 24, 2021] このところしばらく,ワクチン接種カードに宝くじ券をつけるのをぼくは推してる.だから,オハイオ州がワクチン接種宝くじを導入したのを皮切りに,ニューヨーク,メリーランド,オレゴンも続いたのはいいことだと思ってる.さらに,このプログラムはうまく機能してるようだ.『ワシントンポスト』の Philip Bump がこう述べている: DeWine による発表のあと,オハイオ州では初回ワクチン接種を受けた人の7日間平均が増加し,その後も日曜まで増え続けている.全米でのワクチン接種人数が横ばいを続けているなかで増加している点は特筆すべきだろう.このことから,オハイオ州での傾向は他のなにかが原動力になっ
先を読めない者は、永田町で生き残ることはできない。アンタの政権を、全力で支える―などと言う言葉を真に受ける無邪気な政治家は、いずれ、敗れ去る。ガースーもそれは分かっていたはず……(『週刊現代』2020年11月28日号より) 安倍さん、そりゃないよ (眠い……なんだか眠いんだ……) このところ、最高権力者ガースーこと菅義偉総理は、疲労の極致に達している。 (尾身め……) 冬が近づき、日本でも新型コロナの感染者数が増え始めている。これに、政府の感染症対策分科会の尾身茂会長が、 「(再度の緊急事態宣言を)回避するためには今が非常に重要な時期」 「いま踏ん張らないと、もっと経済が抑制されることになってしまう」 などと、非常に強い懸念を示しているのだ。 菅はげんなりした。 (なぜもっと、忖度しないのか) 現在の菅の大目標は、コロナ対策と経済立て直しの両立である。感染爆発は困るが、かといって人の動きが
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