「天気雨を狐の嫁入りと呼ぶ確固たる理由はわかりませんが、晴れているのに雨が降るという不思議な現象は、『まるで狐に化かされているようだ』との意味合いで使われてきたようです。 季節の変化が大きい日本には、古くから天気や気象を表す言葉が数多くあります。昔から日本人は自然を友として深いかかわりを持って生活をしてきたので、天気や気象を単なる自然現象としてではなく、親しみや感謝、畏敬の念を込めて、『狐の嫁入り』などといった言葉で呼んだのだろうと思われます」(北野さん) 日が照っているのに小雨が降っている現象は「狐雨」「狐のご祝儀」ともいい、「ひでり雨(日照雨)」「日向(ひなた)雨」「日和(ひより)雨」「戯(そばえ)雨」ともいうようです。 「狐の嫁入りは天気雨のことだけではなく、夜の山野で狐火(狐の口から吐き出された火)が連なって、嫁入り行列の提灯のように見えるものについてもいいます。狐火とは闇夜に山野