先週に続いて、今週も集団的自衛権について書く。新聞やマスコミは連日のように集団的自衛権について報じているが、そもそも「集団的自衛権とは何か」という定義について、肝心のポイントが国際常識からずれているのではないか。それが無用な混乱を招く一因になっているように思う。 「集団的自衛権」とは何を意味するのか たとえば、毎日新聞は「集団的自衛権 『必要最小限で容認』 安保法制懇 行使に6要件」という4月16日付け一面左肩の記事中で「集団的自衛権は、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力で阻止する権利」と紹介した。 こうした説明は毎日に限らず他紙も同様だ。この定義はどこから来たのかといえば、記事も触れているように、1981年の政府答弁書である。以下の通りだ。 〈 国際法上、国家は集団的自衛権、すなわち自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自
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