2012年01月07日22:40 カテゴリエネルギー なぜ放射線で癌になるのか さっきの記事のおまけ。そもそも放射線を照射すると癌になるのはなぜか、ということが理解されていないのが、さまざまな混乱の原因らしい。放射線にはわからないことも多いが、それが人体に影響を及ぼすメカニズムはよくわかっている。科学でわかっていることと、まだわかっていないことを区別することは重要である。 原発事故で問題になっているガンマ線は、非常に波長の短い電磁波であり、電波や光と基本的には同じである。ただ波長の短い電磁波はエネルギーが強く、原子に作用して電荷を変える電離作用(イオン化作用)があるため、電離放射線とも呼ばれる。ふつう放射線と呼ばれるのは、この電離放射線のことである。 強い電離放射線が原子に当たると、図のように電子をはじき飛ばしてプラスイオンにする。原子は電荷によって結合しているので、イオン化によって電荷が