まずは人間を例にとって、哺乳類方式の呼吸の仕組みについて簡単に確認しましょう。哺乳類方式と比較すれば、鳥類方式の呼吸方法の理解も簡単になるはずです。 人間が空気を吸う時、まず外肋間筋を使ったり(胸式呼吸)、横隔膜を使ったり(腹式呼吸)して、胸郭を拡大させます。胸のスペースが広くなることで、肺を取り囲む空間の気圧が低下し、肺を外側に引っ張る力が発生します。 人間の肺は柔軟な組織になっており、引っ張られるままに拡大します。この拡大した肺に口や鼻から取り込まれた空気が流れ込むことで、息を吸うという行為、すなわち「吸息」が行われます。 外から取り込まれた新鮮な空気、つまり「吸気」には酸素が豊富に含まれています。吸気は行き止まりになっている肺まで運ばれ、そこで「ガス交換」が行われます。 ガス交換とは、呼吸による二酸化炭素と酸素の交換のことです。血液によって運ばれてきた二酸化炭素が毛細血管から肺胞へと