神の使い・眷属(けんぞく)として、日本各地で今もなお崇め奉られる「狼信仰」を辿る。 今回はお犬さま信仰の三峯神社。 秩父神社・宝登山神社とともに秩父三社の一社といわれる三峯神社は、秩父山地の山深いところに鎮座している。景行天皇(第12代天皇。日本武尊・ヤマトタケルの父)の時、日本武尊が東征中、雁坂峠を出たとき霧の道に迷った。そのときオオカミが現れ、日本武尊がその後を着いていくとあるところで霧が晴れ、現在の三峯神社のある山にたどり着いたという。そこで日本武尊は伊弉諾尊(イザナギノミコト)・伊弉册尊(イザナミノミコト)を祀った。この時から、オオカミは三峯の神の使い「眷属」になった。 眷属とは神の意志を伝える動物の霊で、三峯神社では「御眷属様」と呼ばれている。 三峯神社の駐車場から階段を上り、坂道を50mほど進むと三つ鳥居が現れ、両側に1対の像が鎮座する。これは狛犬ではなくて、三峯神社のお犬さま