shinichiroinaba.hatenablog.com の続きとして。 『社会学はどこから来てどこへ行くのか』は「「社会学は地味な学問なんだから地味にやろうよ」というメッセージを派手にやっているという変な本」である、と先に述べた。「地味なことが大事だ」と主張する派手な本、というのは要するに言行不一致の恐れがあるわけで、その分隙があれば責められるのは仕方がない。その辺を考えたうえで、本書の背景というかコンテクストについて、個人的な感想を述べておこう。 『どこどこ』は基本的には岸と北田のイチャイチャ本であり、筒井と稲葉はゲストという以上のものではない(にもかかわらず応分の印税をいただいていることには感謝の言葉もない)のだが、そのことによって本書についての責任をまぬかれようというわけではもちろんない。というのは、本書に至る二人の議論の形成において拙著『社会学入門』もそれなりの影響を与えてい