多摩動物公園のキャッチフレーズは「アリからゾウまで出会えるところ」です。アリは、体は小さくても当園を代表する生きものといえるでしょう。展示しているのはハキリアリというペルー産のアリ(Atta sexdensの一種)で、その名のとおり葉を切り、葉の養分で菌類を育てて食べるようすから、農業をするアリとも呼ばれています。 当園では20年以上ハキリアリの展示を続けていますが、次世代の女王を交尾させる技術が確立できていないことと、過去飼育していた群れの女王が5年前後で死亡していることが多いため、定期的に海外から輸入しています。現在展示している群れは2019年に来園しており、4年以上経過していることから、昨年11月に次の展示候補として新たな群れを導入しました。 新たに導入といっても、ハキリアリは簡単に輸入することができない生きものです。葉を切って生活するため、万が一外に逃げてしまった場合、日本国内の植