「ゴミに埋もれた異常な環境に放置し、極度の空腹で絶命した。生命をあまりに軽視している」。厚木市で昨年5月、斎藤理玖(りく)ちゃん=死亡当時(5)=の白骨遺体が見つかった事件の裁判員裁判の判決公判。横浜地裁の伊名波宏仁裁判長は22日、父親の斎藤幸裕被告(37)を、こう指弾した。所在不明の子供がクローズアップされるきっかけになった事件に、専門家は「児童虐待防止に行政が対応し切れていない。市民が一体となって防止に取り組むべき」と指摘。さらなる取り組みの必要性を訴えている。(川上朝栄、那須慎一) 救命する意思なし 斎藤被告はこれまでの公判で、「育児をどうしたら良いか分からない」と話し、理玖ちゃんがやせていたことは認識しながらも「事故のようなもの。死ぬとは思っていなかった」と殺意を否定していた。 判決公判で伊名波裁判長は「積極的に殺そうとする意欲は認められない」としながらも、「衰弱の発覚を恐れ、病院
「栄養が不十分な食事しか与えられず、飢餓死に至った。あまりにも残酷だ」-。厚木市で昨年5月、斎藤理玖ちゃん=当時(5)=の遺体が見つかった事件をめぐり、横浜地裁で8日開かれた裁判員裁判の論告求刑公判で、検察側は父親の斎藤幸裕被告(37)を厳しく糾弾した。斎藤被告は、なぜ理玖ちゃんを放置したのか。「殺意」をめぐって検察側、弁護側双方の主張はぶつかったまま、22日に判決を迎える。 論告で検察側は「(理玖ちゃんが)亡くなる1カ月前には、やせ細り骨と皮だけの状態になり、食事をうまく食べられなくなっており、被告は(理玖ちゃんが)死亡する可能性が高いと認識していた」として、被告に殺意があったとの考えを示した。 その上で「(理玖ちゃんは)恐怖や不安を感じながらも、被告を恨むことがなかった。無責任な対応だ」と訴えた。 一方、弁護側は、被告が「(食事を与えた回数の)記憶は正確にはない」と発言していることから
神奈川県警は31日、長男とみられる男児を約8年前に放置して死なせたとして、保護責任者遺棄致死容疑で、同県厚木市愛甲のトラック運転手、斎藤幸裕容疑者(36)を逮捕した。 逮捕容疑は、平成18年10月ごろ、同市下荻野のアパートで、当時5歳の長男とみられる男児に食事や水を十分に与えず、衰弱させるなどして死亡させたとしている。斎藤容疑者は「間違いありません」と容疑を認めている。 県警捜査1課によると、22日に厚木児童相談所の職員が県警厚木署を訪れ、「今年4月に中学校に入学する男児が入学していない」などと通報。同署が捜査したところ、30日に男児の父親の斎藤容疑者と連絡が取れ、立ち会いのもとでアパートに入ると身長約1メートルの白骨化した遺体が見つかったという。 斎藤容疑者の妻は17年ごろに家を出たといい、その後男児の面倒を見ていた斎藤容疑者も時々帰宅する程度で、男児に食事を与える頻度は徐々に減少。「自
30日午後3時15分ごろ、神奈川県厚木市下荻野のアパートで、子供とみられる白骨遺体があるのを厚木署員が発見した。児童相談所から22日に「中学校に入学するはずの男の子が学校に来ない」と通報を受け、男の子を捜していた。 厚木署は保護責任者遺棄致死や死体遺棄の疑いがあるとみて父親から事情を聴いている。 同署によると、父親は県内の別の場所に住んでおり、署は長期間部屋を使っていなかったとみている。遺体は性別が分からないほど白骨化が進み、死後相当期間経過しているという。 児相の通報後、男の子の住所として把握されていた部屋を署員が訪れたが、鍵が掛かり、表札もなかった。 署は30日、父親と連絡を取って立ち会いを求め、父親が持っていた鍵を使って入室、和室で遺体を発見した。母親とは連絡が取れないという。
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