フランス東部ロレーヌ地方の都市メスに5月、パリにある「ジョルジュ・ポンピドー国立芸術文化センター」の分館がオープンした。 建築家の坂(ばん)茂氏(52)が設計し、芸術による地方振興と、国際的な関心を呼ぶ企画展をめざす。開館から1か月、来館者10万人に達した同館を訪れた。 パリ東駅から高速鉄道TGVで約1時間20分。メス駅の裏に出ると、「ポンピドーセンター・メス」の建物が現れる。白い膜で覆った屋根、高いポールにひるがえる三色旗。威圧感がなく、サーカス小屋のように軽快な印象を受けた。 坂氏は7年前、フランスの建築家ジャン・ド・ガスティーヌ氏と組んでコンペ(設計競技)に勝った。「小さい美術館の経験はあるが、大規模なのは初めて。機能的で使いやすく、しかも建築的に魅力あるものを作りたいと考えた」という。