帝国陸軍は愚かで非合理だからアメリカと戦争したのか? ~『経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』牧野邦昭・摂南大学経済学部准教授に聞く~ 勝ち目が少ないことを指摘していた報告書 マクロ分析された『英米合作経済抗戦力調査』(1)では、 英米が合作すれば、米国の供給で英国の供給不足を補うことができる。 英米の合作は、第三国に対して70億ドル余りの軍需資材の供給能力になる。 ただし、最大の供給能力の発揮には開戦後1年~1年半の時間が必要。 英国船舶の月平均50万トン以上の撃沈は、米国の対英援助を無効にする。 ミクロ分析された『英米』(2)では、 英国の弱点として、島国であるために食料や資源を遠隔地から船舶で輸送しなければならない。 『独逸経済抗戦力調査』では、 ドイツの経済抗戦力は1941年がピークで、その後低下する。 英米長期戦に頼るにはソ連の生産能力を利用しなければならな