ヘンリック著「リーン開発の現場」の感想をラフなメモ書き。 【1】「リーン開発の現場」で最重要の概念は「仕掛り(WIP:Work In Progress)」である。 僕もレビューに加わったのだが、WIPをどう訳すか、という問題を翻訳者の藤原さんや市谷さんだけでなく、レビューアも巻き込んで議論となった。 「リーン開発の現場」の翻訳書では、WIPという単語をそのまま表現し、脚注で「仕掛かり」と記載されているが、僕は、WIPのような英単語ではなく、仕掛かりという日本語で表現すべきだったと考えている。 その理由を、以下、色々書いてみる。 【2】理由の一つ目は、会計簿記の観点だ。 工業簿記(簿記2級)の観点では、工場では原材料→仕掛品→製品の流れでモノが作られる。 原材料を仕入れて、仕掛品という未完成の中間物を経て、製品という完成品へモノが価値あるもの(実際は売上計上されるもの)へ変わる。 仕掛品とい