(朝岡 崇史:ディライトデザイン代表取締役) 「中国版テスラ」ともてはやされ、2018年9月には米ニューヨーク証券取引所に上場を果たしたプレミアムEV(電気自動車)スタートアップ企業のNIO(ニーオ、上海蔚来汽車)。 しかし、上場からわずか数カ月でNIOを取り巻く状況は暗転、この秋には販売台数の低迷から相次ぐリストラや資金不足が取り沙汰されている。 NIOの野望と挫折を「スタートアップには自動車の量産は不可能」「しょせんはBMWやレクサスのパクリ」と一刀両断で片付けてしまうのは簡単だ。しかし世界的にEVが次世代モビリティの主力となることが確実視されている今(注1)、NIOの大胆なチャレンジは、新興のEVスタートアップ企業や(EV参入が既定路線となっている)既存の自動車メーカーにとって、格好の教材とは言えないだろうか。 (注1)HV(ハイブリッド)が主流の日本ではピンと来ないかもしれないが、