3月半ば、宇宙での斬新な経営構想を掲げたスイスの企業、スイス・スペース・システムズ(S3)が商業衛星を地球の軌道に投入するロケット打ち上げのサービス市場に参入した。閉鎖的だが、現在急成長し競争も激化している市場だ。その規模は2020年には500億ドル(約4兆9千億円)を超すと見られている。 月面着陸競争時代、ことは単純だった。冷戦当時、宇宙に到達可能なロケットはソ連製か米国製しかなかった。共産主義の国も自由の国も、軍の管理の下に独自のロケットを開発していた。 しかし半世紀経った今では、旧ソ連が開始した名高いソユーズ計画は欧州と共同で進められ、衛星の打ち上げにはインド製または中国製ロケットも使用される。国際宇宙ステーション(ISS)への人員輸送はソユーズ宇宙船によってのみ行われるが、通信衛星打ち上げサービスは民間企業が競って提供している。 2000年7月には、カザフスタンのバイコヌール宇宙基