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ブックマーク / yoghurt.hatenadiary.com (4)

  • 忘れられた日本人 - 未来の蛮族

    忘れられた日人 (岩波文庫) 作者: 宮常一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1984/05/16メディア: 文庫購入: 49人 クリック: 366回この商品を含むブログ (215件) を見る それでもそれからあそびが一つふえたわけで、子守りたちがおらにもいれて、おらにもいれていうて、男の子はわし一人じゃで、みんなにいれてやって遊ぶようになった。たいがい雨の日に限って、納屋の中でそういう事をしてはあそうだもんじゃ……。 女ちうものは気の毒なもんじゃ。女は男の気持になっていたわってくれるが、男は女の気持になってかわいがる者が、めったにないけえのう。とにかく女だけはいたわってあげなされ。かけた情は忘れるもんじゃァない。 わしはなァ、人はずいぶんだましたが、牛だけはだまさだった。牛ちうもんはよくおぼえているもんで、五年たっても十年たっても、出あうと必ず啼くもんじゃ。なつかしそうにのう。牛

    忘れられた日本人 - 未来の蛮族
    takuwz
    takuwz 2012/12/10
    >それほどに永遠/普遍に近づいている。こんな才人が、四国の片田舎の、乞食の中にいるもんだろうか? そんな疑問はもっともなものだとは思うけれど、土佐源氏はきっとそこにいたのだ。これが、いよいよ最後の希望
  • 酒鬼薔薇聖斗 - 未来の蛮族

    それがどれだけ印象的な事件であっても、卑劣な犯罪を時代の象徴のように扱うのは慎むべきだ。ともすれば、おれたちはオウム真理教が起こした事件を、流行歌のように懐かしく思い返してしまう。青春時代の映画のように、世代的体験として消費してしまう。おれだってそうした楽しさを知らないわけじゃない。「ああいえば上祐」という言葉を聞くたびに胸に込み上げる、このノスタルジー! けれども、そうして、我々が思慮なく彼らの名前を呼ぶたびに、彼らの名前は永遠に近づいていく。ある意味では、我々は彼らの犯罪に加担してしまっているのかもしれない。罪深いことだ。殺した人間のことばかり考えて、殺された人間のことを忘れる。罪深いことだ。おれにはそれがどのくらい悪いことかを説明することができそうもない。何だかんだいっても、おれたちは人を殺してしまったわけじゃないし。それでも、彼らの人殺しに少しでも心を楽しませてしまったのなら。地獄

    酒鬼薔薇聖斗 - 未来の蛮族
  • 祖父の長い旅 - 未来の蛮族

    土曜の夜は、祖父母の家で夕を過ごすことになっていた。 波の上という街に住む祖父母の家には、泊大橋という橋をこえていかなければならない。橋から見下ろす港にはたくさんの貨物船が止まっていて、なぜかそれらの甲板には決まって大きな犬がいた。 どうすれば船のうえで犬を飼うことができるのだろう? 子供ながらにそう思っていたし、それは今でも解くことのできない疑問だ。もしかすると、あれは夢でみた風景だったのかもしれない。 祖母がくれるお菓子はいつも亀田製菓の「雪の宿」だったこと、テレビにはクイズダービーが映しだされていたこと、祖父母と同居するS叔父が僕たち兄弟に折り紙を教えてくれたこと、幼い時分の記憶はどれも断片的で、はっきりせず、たよりない。 なかでも祖父の記憶はおぼろげだ。 僕がかろうじて覚えているのは、部屋の片隅で、しずかに泡盛を飲む祖父の姿だ。ほんとうに水のように酒を飲む人で、それで乱れるという

    祖父の長い旅 - 未来の蛮族
  • 祖父の長い長い旅 - 未来の蛮族

    それにしても、人類はなんと恐ろしいものを思いついてしまったのだろう。 その建物を前に、僕は人類の業の深さにおののいていた。 国会図書館。ここには、この国で発行されたほとんどの出版物が収まられているという。 インターネットは確かに偉大な技術だし、はじめて納豆をべた人間の勇気は永遠に称えられるべきだと思うけれど、人類史上最もヤバい思いつきをひとつだけあげるとするなら、やはりそれは「文字」にほかならないだろう。約五千年前に発明されたというこのテクノロジーは、はるか彼方の人間に声を届けることができるだけではなく、死者の声すら地上に留めおくことができるのだ。 時間と空間を超越し、生と死を弄ぶ。まさしく、神をも恐れぬ所業。人類の狂気の生み出した産物である。 僕は想像する。暗闇の中で、何百万もの生者と死者が、暗闇の中でじっと聴き手を待ちつづけている姿を。 何とも恐ろしい話だが、さりとて怖がってばかりも

    祖父の長い長い旅 - 未来の蛮族
    takuwz
    takuwz 2012/12/10
    読ませるなあ。
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