畳 ナイチンゲールは、療養環境について「ナイチンゲールの覚え書き」の中で、絨毯は最も療養環境には不適合なモノと書き残しました。しかし、現代の絨毯やカーペットでは抗菌作用のある素材開発が完成しています。絨毯は西欧社会では単なる室内調度品を越えてステイタスを表示する存在でもあったのです。さて、わが国には室町時代に薦(こも)や筵(むしろ)を重ね敷きすることから進化した敷物として帖(ちょう)とまで呼ばれる伝統的かつ美術工芸的で社会的な効用性=ステイタスを絨毯と同様に持つモノまでになりました。当然、京間や田舎間と言われるモジュール=大きさの標準化も完成されたモノになっています。そして現代住宅や住居においても和室という室内空間を最も特徴づける敷物になっています。けれども、高齢社会での療養環境の中では、特に、車椅子にはまったく不適合な敷物です。これは絨毯も同様です。もっと広範囲な見方をすれば、車椅子・ベ