職場のマスク密度が一段と増えてきた。耳を澄ませば咳の声、朝イチに受け取る電話は体調不良のお休み連絡、間違いなく職場に風邪が蔓延しつつある。 年末のこの時期は特に風邪が流行りやすい。連日の忘年会で体が弱り、年末納期のお仕事に間に合わせるために業務密度は上がり、気温が急下降する。その上、首都圏に勤務する僕などは満員電車による驚異的な病原菌拡散効果も受けている。これほど病気しやすい環境があるだろうか。公衆衛生が発達していても、これでは何の意味も無い。 「あすは休みます。」年末までの最重要タスクを済ませた同僚が、今日の帰り際に宣言した。口にはマスク、手には風邪薬……満身創痍の有様で、平時ならば自他両方のために休むべきだと言い聞かせるような状態だ。しかしそう言う事は出来ない。僕らは設計者で、そのデータを細部まで説明出来るのは設計した本人だけだからだ。設計者でなくては分からない計上、寸法というのはどう