ブックマーク / www.kyoto-u.ac.jp (7)

  • 3000年前にあったサメの襲撃 -岡山県の縄文貝塚から世界最古の記録-

    中務真人 理学研究科教授らの研究グループは、津雲貝塚(岡山県)から発掘された人骨の1体(約3000年前)について、骨格に残された無数の傷の成因をサメの襲撃と特定しました。 漁撈・航海の開始以来、サメによる被害は、稀であっても続いてきたと考えられます。サメによる被害は古代ギリシアより記録にありますが、先史時代の考古学的証拠は非常に限られます。これまでプエルトリコで発掘された1000年前の人骨が世界最古の直接証拠でした。 1919年に津雲貝塚から発掘され学に保管されている人骨のうち、1体(約3000年前)の骨格に無数の傷が残されています。傷の性状分析、全身に及ぶ損傷の位置分析から、成因をサメの襲撃と特定しました。骨の残存状況は良好ですが、右下肢、左手など複数要素は完全に欠落し、周囲の残存部位には咬痕も観察されます。襲撃によりほぼ瞬時に死亡したはずですが、死体は回収されて埋葬されています。縄文

    3000年前にあったサメの襲撃 -岡山県の縄文貝塚から世界最古の記録-
  • シカの増加が川の魚の個体数に影響することを示唆 -長期観察から見えてきた森と川の意外なつながり-

    中川光 東南アジア地域研究研究所特定助教は、ニホンジカの過剰な摂による森林環境の変化が、川の魚の個体数の増加・減少にも影響を及ぼしている可能性があることを、芦生研究林において11年間継続してきた魚類と生息環境の観察によって示しました。 研究では、シカによる大規模な林床植物のべ尽くしがおこっている芦生研究林内の由良川において、2007年5月から2018年6月にかけて、シュノーケリングによる魚類の個体数のカウントと環境の測定を行いました。 その結果、調査地の川では森から流れ込んだ土砂が堆積して砂に覆われた川底が増える一方で、大きな石に覆われた川底は減少していました。そして、この環境の変化に対応して、魚類では大きな礫(れき)を好むウグイという種が個体数を減らした一方で、砂地を好むカマツカという種が増加する傾向が観察されました。 結果は、現在日だけでなく世界中で問題になっているシカの個体

    シカの増加が川の魚の個体数に影響することを示唆 -長期観察から見えてきた森と川の意外なつながり-
  • 日本で草地が10万年以上維持されてきたことを実証 -近年の草地の激減は地質学的時間スケールで大きな出来事-

    井鷺裕司 農学研究科 教授、山浦悠一 森林研究・整備機構森林総合研究所 主任研究員、永野惇 龍谷大学 准教授、中村太士 北海道大学 教授らは、北海道立総合研究機構森林研究部、農研機構西日農業研究センター、京都府立大学、オーストラリア国立大学と共同で、過去10万年間にわたる日の草地の歴史を植物の遺伝子解析により推測しました。 センブリ、カワラナデシコ、オミナエシ、ワレモコウは数十年前まで、日のどこでも身近に見られた草地性植物でした。研究グループは全国各地に残された草地を訪問してこれらの種の葉を収集し、次世代シーケンサーを用いた遺伝子解析を行いました。その結果、これらの種は過去10万年間にわたって、個体数を数百年前の0.5から2.0倍の範囲で維持してきたことが明らかになりました。結果は、最近100年間に起きた草地と草地性生物の国内での激減は、千年から万年を単位とする地質学的な時間ス

    日本で草地が10万年以上維持されてきたことを実証 -近年の草地の激減は地質学的時間スケールで大きな出来事-
  • 地下の菌類のネットワークが森林の安定と変化の原動力であることを解明 -なぜ森林ではさまざまな樹木が共存でき、時間とともにその姿を変えるのか- — 京都大学

    門脇浩明 学際融合教育研究推進センター特定助教(兼・フィールド科学教育研究センター連携助教)、山哲史 理学研究科助教、東樹宏和 生態学研究センター准教授らの研究グループは、大規模野外操作実験によって、地下の菌類のネットワークが生み出す土壌環境の変化が森林を形作る重要な要因であることを明らかにしました。 土壌微生物の一大グループである菌根菌は、植物の根に住みつき、菌根共生と呼ばれる植物との栄養のやりとりをしていることが知られていたものの、実際に、菌根菌のはたらきが森林動態とどのように関連しているのかは分かっていませんでした。研究によって、菌根菌がつくりだす地下のネットワークやそれが引き起こす環境変化によって異なる樹木の種類が共存できたり、特定の樹種が優占するようになったりすることが分かりました。 研究成果によって、なぜ森林では多様な種の樹木が共存できるのか、また、なぜ植生が時間とともに

    地下の菌類のネットワークが森林の安定と変化の原動力であることを解明 -なぜ森林ではさまざまな樹木が共存でき、時間とともにその姿を変えるのか- — 京都大学
  • 世界で初めて「性を失った」シロアリを発見 -シロアリの常識を覆すメスだけの社会- — 京都大学

    矢代敏久 農学研究科特定研究員(現・シドニー大学研究員)、松浦健二 同教授、小林和也 フィールド科学教育研究センター講師らの研究グループは、来はオスとメスが共同で社会生活を営んでいるシロアリにおいて、メスしか存在せず、単為生殖だけで繁殖しているシロアリを世界で初めて発見しました。 研究成果は、2018年9月25日に、英国の科学誌「BMC Biology」のオンライン版に掲載されました。 アリとシロアリの社会の違いは何かと聞かれた時に、まずお答えするポイントは、アリはメス社会、シロアリは両性社会を営んでいるということです。アリの社会は女王とメスのみのワーカーで構成されている(オスは交尾すると死んでしまう)のに対し、シロアリの社会には王と女王、そしてオスとメスのワーカーや兵アリがいます。 しかし、この大前提はもはや適当ではなくなりました。なぜなら、シロアリであるにもかかわらず、メスしかいな

    世界で初めて「性を失った」シロアリを発見 -シロアリの常識を覆すメスだけの社会- — 京都大学
    taron
    taron 2018/10/03
    九州と四国の個体群は単為生殖で子孫を作っている。こういうの、島嶼だからこそなのだろうな。/生物の存続に男性は、必要不可欠な要素ではない、か・・・
  • 「明月記」と「宋史」の記述から、平安・鎌倉時代における連発巨大磁気嵐の発生パターンを解明

    磯部洋明 総合生存学館准教授らの研究グループは、国立極地研究所、国文学研究資料館、総合研究大学院大学などと共同で、「宋史」や「明月記」などの歴史文献に残されたオーロラの記述と、樹木年輪の炭素同位体比を比較することなどにより、7世紀から13世紀にかけての巨大磁気嵐(地磁気が世界規模で数日間弱くなる現象)の発生パターンを明らかにしました。 研究成果は、2017年2月27日に米国地球物理学会の発行する学術誌「Space Weather」にオンライン掲載され、同誌のEditors’ Highlightに選ばれました。 研究者からのコメント 研究で得られた結果は、科学的には、将来起こりうる最悪の宇宙環境を理解、予測し、「宇宙災害」への具体的な対策を立てる上で重要です。また、人文学的側面としては、過去の歴史文献に記された天変の記録が科学的に裏付けられたことで、歴史文献の解釈の在り方も変わってくる、

    「明月記」と「宋史」の記述から、平安・鎌倉時代における連発巨大磁気嵐の発生パターンを解明
    taron
    taron 2017/05/17
    内容よりも、「総合生存学館」というのが、気になる。
  • 節電要請は有効だが長続きしない!東日本大震災後のけいはんな学研都市のフィールド実験

    依田高典 経済学研究科教授、伊藤公一朗 シカゴ大学助教授、田中誠 政策研究大学院大学教授らの研究グループは、東日大震災後の2012年夏、2013年冬の二度にわたり、京都府けいはんな学研都市で節電要請と変動型電気料金のフィールド実験を行い、節電効果を行動経済学的に検証しました。その結果、節電要請は短期的には効果があるものの、すぐに効果が薄れてしまうことがわかりました。一方、特定の時間帯の電気料金を値上げした場合は節電効果が持続することも明らかになりました。 研究成果は、全米経済学会機関誌「American Economic Journal:Economic Policy」に掲載されることになりました。 東日大震災後の電力危機の中で、経済産業省・関西電力・三菱重工等と共同で、京都大学の研究チームは、京都府けいはんな学研都市で節電のフィールド実験を行いました。節電要請の介入では、最初の数日

    節電要請は有効だが長続きしない!東日本大震災後のけいはんな学研都市のフィールド実験
    taron
    taron 2017/04/04
    まあ、そりゃそうだろう。制度的なインセンティブや何らかの機械で意識せずにできるようにならないと。
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