日本テレビ系で深夜に放送された「忘れられた皇軍」を見ました。1963年、東京オリンピックの1年前に、大島渚監督が「ノンフィクション劇場」の枠で制作した古い作品の再放送に、現代の視点を加えた異色の番組でした。50年前のテレビ・ドキュメンタリーが果たしていた役割を思い出しました。 テーマは、日本兵として戦地に送られ戦傷を負った在日朝鮮人たちの運命です。当時は朝鮮人も日本人という建前ですから「皇民化」の対象でした。軍隊に入り「皇軍」の一員になることは、究極の皇民化として賞賛されたのです。しかし戦地で手足を失い、両眼失明などの戦傷を受けて帰還したとき、朝鮮は独立して在日朝鮮人は「外国人」になりました。 日本の旧軍人に与えられる手当てや医療は打ち切られ、一方で韓国の大使館も政府も、朝鮮戦争の被害者は救済しても、「日本の戦争」による被害は日本政府の責任であるとして受け付けません。結果としてこの人たちは