今年の『新語・流行語大賞』は、テレビのコメンテーター曰く「非常に豊作」で、審査員曰く「バナメイエビも入らないくらい沢山の流行語があった」とご満悦だったようだが、その受賞語のひとつに「ヘイトスピーチ」が選ばれた。 http://singo.jiyu.co.jp/nendo/2013.html 豊作だと言われるほど分母が大きかったのに、それに生き残れるほど「ヘイトスピーチ」が日本の社会問題として顕在化し、広く知れ渡るほど一般化した、ということだろうか。この事象ひとつ取っても、まことに由々しき事態だと言わざるを得ない。 前稿で書いたこととも重なるが、「チョーセン人をぶっくぉろせぇー」「シナ人をたぁたきだせぇー」といった、理性の欠片も感じられない剥き出しの差別心の吐露は、現代の民主主義、普遍的人権の尊重という人類共有の価値を根こそぎ否定するものだが、この流行語大賞での取り扱われ方にしても、メディア