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ブックマーク / honz.jp (10)

  • 『音楽嗜好症』文庫解説 by 成毛 眞 - HONZ

    著者のオリヴァー・サックスは1933年生まれのニューヨーク大学医学部教授。現役の脳神経科医であり、世界的な人気作家でもある。ロバート・デ・ニーロの好演でアカデミー賞にノミネートされた映画「レナードの朝」は、著者の同名ノンフィクション作品が原作だ。「レナードの朝」では治療不能な難病「嗜眠性脳炎」の患者とその主治医が主人公だった。嗜眠性脳炎とは30年以上も眠り続けるという不思議な病気だ。映画になるまでは世間ではほとんど知られていない病気だった。 『レナードの朝』(春日井晶子訳、早川書房、2000年)は特定の病気をテーマとした長編ノンフィクションだったが、オリヴァー・サックス作品の多くは脳神経医学エッセイ集だ。たとえば、『を帽子とまちがえた男』(高見幸郎・金沢泰子訳、早川書房、2009年)は24篇のエッセイで構成されている。の頭を帽子とまちがえてかぶろうとする音楽家、からだの感覚を失って姿勢

    『音楽嗜好症』文庫解説 by 成毛 眞 - HONZ
    tatsuh
    tatsuh 2014/08/22
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  • わたしたちは星の材料でできている『あなたのなかの宇宙』 - HONZ

    宇宙を知るには、望遠鏡をのぞき、古生物を知るには、顕微鏡をのぞく。プレートテクニクス、または地球温暖化について知るには、私は何を理解すれば良いのだろう。自然科学は、理解に達すればロマンチックだが、それまでの過程が難しくて、なかなか進まない。特に、宇宙は物理や化学が大の苦手な私には手の届かない場所だった。 でも書を読んで、宇宙のビッグバンについて、はじめて理解出来た気がした。ビックバンで生まれた様々な原子が私の体を作っている。そのなかの電子の取引が、エネルギーを生み出し、分子同士を結合させているからだ。そういう意味で、ビッグバンと私たちの体は多いに関係している。『あなたのなかの宇宙』を見つけるには、天文学、古生物学、解剖学、地質学、遺伝学等、一気に視野を広げ、好奇心の赴くままに書を読むのがいちばんだ。 副題は、「生物の体に記された宇宙全史」である。137億年前のビッグバンから、太陽系、月

    わたしたちは星の材料でできている『あなたのなかの宇宙』 - HONZ
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    tatsuh 2014/08/18
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  • 『泡沫候補 彼らはなぜ立候補するのか』現代のドン・キホーテたち - HONZ

    マック赤坂、羽柴誠三秀吉、外山恒一など、いわゆる泡沫候補と呼ばれるような人たちは、300万円もの供託金を支払って、敗北がほぼ確実な選挙に何回も立候補する。当選する見込みがほとんどないにもかかわらず、なぜ彼らは立候補するのか?その派手なパフォーマンスに何の意味があるのか? 書は、多くの人々が疑問に思いながらも、これまで見過ごしていた現代日選挙の謎に迫る一冊だ。著者は、都内劇場で7ヶ月間におよぶ異例のロングラン上映を記録した「映画『立候補』」の監督。当時の取材をもとに、現代のドン・キホーテたちの真実を解き明かすつくりになっており、日の選挙制度や社会について深く考えさせる一冊である。 大阪都構想を争点に大阪府知事と大阪市長のダブル選挙が行われた2011年、選挙戦は都構想を推進する橋下派と反橋下派に二分されていた。そんな大事な首長選挙に、ほとんど注目を浴びなかったが場違いな泡沫候補たちが4名

    『泡沫候補 彼らはなぜ立候補するのか』現代のドン・キホーテたち - HONZ
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    tatsuh 2014/08/18
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  • 生まれ変われ、そして人生を掴め。『脳科学は人格を変えられるのか?』 - HONZ

    あなたは楽観的な性格だろうか?それとも悲観的な性格だろうか?自覚してはいるのだが、私はかなり悲観的性格である。書に掲載されている「改訂版楽観性尺度-LOT-R」でも、その数値は悲観的性格を表す9点という結果であった。平均的な人たちは15点前後で、緩やかな楽観主義に分類されるらしい。最大点は24点で最小は0点だ。点数が高いほど楽観的で低いほど悲観的な性格であるらしい。 書によると、人の楽観や悲観といった性格が、人生に対する幸福感や社交性、問題に対処する場合の粘り強さと社会的成功、また寿命にまで大きな影響を与えているというから、何とも心を冷え込ませる結果だ。 だが、私と同じく悲観的性格を自任する人々に朗報だ。書には最新の脳科学によって悲観的性格を理解し克服していくヒントが記されている。また、楽観的性格の人も油断してはいけない。人の脳はいとも簡単に楽観的な性格を悲観的性格へと変容させるのだ

    生まれ変われ、そして人生を掴め。『脳科学は人格を変えられるのか?』 - HONZ
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    tatsuh 2014/08/18
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  • 『国と世紀を変えた愛』by 出口 治明 - HONZ

    タイトルは正確ではない。なぜなら、「張学良と宋美齢、66年目の告白」と副題にあるが、書はこの2人のことを主として書いたではないからだ。また率直に述べれば、としての完成度が特に高い訳でもないと思う。それにもかかわらず、このは一挙に読ませてしまう強さを持っている。1992年、ふとした偶然から還暦を超えた著者は92才の張学良に取材する。初対面の著者に示した張学良の含羞。「あなたには私と女性のことを話しましょう」と語りかけた張学良の発言内容の真贋を、戦争をはさんで多感な少女時代を中国東北部で送った著者は、以後20年余にわたって追い続けた。その20年余が圧縮されて眼前にある。 書は、張学良一族の伝記であり、彼をめぐる6人の女性たちの物語である。父、張作霖を日軍に爆殺された中国東北部(旧満洲)の指導者、張学良は、教養あふれる貴公子に育つ。最初の年上のは張作霖が決めた。賢くてあらゆる才にも

    『国と世紀を変えた愛』by 出口 治明 - HONZ
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    tatsuh 2014/08/16
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  • 8月の今月読む本 その2 - HONZ

    大型の台風が来ているそうですね。お盆休みに入ろうというときに、なんと間の悪い。私も今週は帰省し、舅のお墓参りに行きます。関西のセミはシャーンシャーンとうるさいのですが、今年は東京でも鳴いていました。 欠席者の多かった8月の朝会。でもみんな律儀にメールで「今月読む」を知らせてきます。基、みんなまじめです。コメントは人談。到着順で掲載します。 仲野徹

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    tatsuh 2014/08/11
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  • 8月の今月読む本 その1 - HONZ

    暑い。暑すぎる。朝会のために5時起きで、6時前には家を出たのに太陽がギラギラ。玄関に置いてある温度計をみたらすでに30度超え!また今日も体温より高くなるんでしょうか?? 世の中は夏休み、来週はお盆。だからなのか、朝会の参加者は今までの最低の7人だけでした。これじゃ、盛り上がらないね、と言っていたら、あにはからんや!いろいろな話題が尽きず、突っ込んだ話もできて2時間があっという間です。の話題はいいですね。 というわけで、今日はじっくり一冊ずつ紹介します。 夏フェス三昧の田中大輔

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    tatsuh 2014/08/09
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  • 8月のこれから売る本-日販 古幡瑞穂 - HONZ

    全て教養新書が並びました。生命科学のが並ぶと思いきや、『中国絵画入門』にも興味をもち、『集団的自衛権』についても考えている読者層の正体は「岩波新書ファン」だと推察されます。 出版業界的な内輪話になりますが、岩波書店のは「買切」扱いとなり、日の出版物では当たり前とされている「返品」が出来ません。確実に手に入れるために、「岩波新書の新刊は必ず買うから」と決まったお店で定期購読的な買い方をしているお客様がいらっしゃいます。その存在をこのリストに見つけてなんだか嬉しい気持ちにさせられました。他の生命科学と比べ、平均年令が高かった理由もここにありそうです。 ふと興味を持ち、今の時期のAmazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」を眺めてみました。8月上旬現在、「エピゲノム」「生命科学」というタイトルが並び岩波新書は出現しません。書店店頭とECでの購入行動の大きな違いがこんなと

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    tatsuh 2014/08/09
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  • 『人口の世界史』by 出口 治明 - HONZ

    時宜を得ただ。わが国の最大の政策課題は、少子高齢化対策、即ち人口問題にある。書は、なかなか一筋縄ではいかない結構厄介な人口問題の全貌を、広く高いスパンから一望のもとに俯瞰するまたとない入門書である。 「人間の歴史を通して、人口は繁栄、安定、安全と同義だった。」書はこの胸のすくような一文から始まる。期待が否が応にも高まる。世に竜頭蛇尾のは絶えてないからだ。書は6章から成る。「第1章 人口成長の空間と戦略」では、r戦略、K戦略から説き起こし、3つの大きな人口サイクル(人類の登場から新石器時代へ、新石器時代から産業革命へ、産業革命から現在まで)が示される。「第2章 人口成長:選択と制約の間で」では、狩猟採集から農業への移行に伴い、死亡率は上昇(栄養と疾病両面で)したが出生率がそれを上回ったという指摘がなされる。そして、ペストやインディオの悲劇など人口に係る歴史的な大事件が語られる。アイ

    『人口の世界史』by 出口 治明 - HONZ
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    tatsuh 2014/08/05
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  • 『特攻の真意』文庫解説 by 大森 洋平 - HONZ

    書は「特攻の生みの親」と言われた海軍中将大西瀧治郎が、いかなる真意のもとに特攻作戦を指導し、死に至るまで徹底抗戦を呼号したか、その解明を試みたものである。 著者神立尚紀は、太平洋戦争について海軍航空隊の戦いを中心にして、高い記録性を持つ数々の優れたノンフィクションを世に送ってきたが、これまで特攻作戦を書くのは「意識して」避けてきたと言う。その神立があえて今回特攻を題材に選んだ理由は、自身があとがきで詳しく述べている。神立の腕をもってさえ、特別攻撃隊は重いテーマだったのである。 神立は、当時の戦闘記録、当事者の証言、写真解析、その他の膨大な資料を駆使して物語を進め、その筆致は従来に増して抑制され着実である。書が導き出した「特攻の真意」は、ネタバレになるのでここで殊更繰り返さない。しかし書が、今後日人が特攻について、いや太平洋戦争全体について考え、論じ、あるいは創作を試みる時、絶対に無

    『特攻の真意』文庫解説 by 大森 洋平 - HONZ
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    tatsuh 2014/08/05
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