英語で、遅咲き(late bloomer)という表現がある。「遅く咲く花」の意だが、自分の人生で何をやりたいのかを決めるのが遅い人を指す。米国の強みは一般的に、教育制度や企業など、社会がこの「遅咲き」を歓迎していることだ。日本が直面している重大な挑戦は、自分のやりたいことをまだ決めていない、あるいは職業を変えてみたいと思う若者に対して、もっと寛容な社会になるかどうか、ということだ。 米国の大半の大学生は、入学当初、専攻を決めてはいない。まず2年間、一般教養科目の勉強で過ごし、色んな刺激を受けた上で、3年生で専攻を決める。専攻を変えるとか、大学院で大学の専攻と異なる勉強をするのも珍しくない。大学に願書を出した時点で専攻を決めて、専攻分野を変えることが困難な日本とは、大きく異なる。 さらに米国では大卒後、すぐに就職しないで、しばらく好きなことをやるのがごく普通だ。人によって、1年間旅をする。ず