STAP細胞論文で理化学研究所(理研)が問題になっている。 理研は、長岡半太郎、鈴木梅太郎、本多光太郎、寺田寅彦、仁科芳雄、朝永振一郎、湯川秀樹などを輩出した日本屈指の研究機関である。 設立は1917年と歴史も古く、66年まで東京都文京区本駒込に研究所があり、その後、埼玉県和光市に移転した。実は、筆者の出身高である小石川高校の隣だったので、理研の移転跡を毎日見ていた。 理研は、民主党政権時代には事業仕分けの対象になったことでも知られている。その主な指摘は、ガバナンスが悪いというものだった。対して自公政権で理研は「特定国立研究開発法人」の候補にもなっている。 科学技術などの研究開発に対して、国はどのような形で関与することが望ましいのか。 一般論としては、限られた予算であるので「選択と集中」が大事といわれる。しかし、研究開発でのコストパフォーマンスを事前に測ることは極めて難しい。その一方で、多