2月4日、BNPパリバ証券の河野龍太郎・経済調査本部長は、2013―14年の日本経済はバブル的様相が強まり、「慢心」の年になるのではないかと指摘。提供写真(2013年 ロイター)
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市場参加者のなかには、補完当座預金のゼロ金利への引き下げが提案されなかったこと、2013年中の金融政策に変更がなかったことなどを受けて「期待外れ」との見方もあるようだが、「(物価安定の目標を)できるだけ早期に実現することを目指す」以上、デフレが続けば、日銀はいずれ追加的な金融緩和策を打ち出さざるを得なくなる。新たな正副総裁が安倍晋三自民党政権の意向に沿って選ばれることを踏まえると、「期待外れ」というよりは「お預け」ということだろう。 とはいえ、日銀の方針転換に対し、内外では批判も強まっている。特に安倍総裁の率いる自民党が大胆な金融緩和策でデフレ脱却を目指すと繰り返し主張するなかで、日銀法の改正や総裁の解任、国債引き受けなどをちらつかせたことが日銀の独立性を侵害するとの懸念につながっているようだ。また、特に欧州を中心に海外では、日本が極端な円安政策を追求し始めたことで、「通貨戦争」を引き起こ
米国では年明け早々、「1兆ドル硬貨」の発行が話題となった。連邦債務上限引き上げ問題をめぐる政府と議会の協議はこう着状態のまま。民間団体の超党派政策センターなどは、債務上限が引き上げられなければ2月半ばから3月初めの間に米政府がデフォルト(債務不履行)に陥るとの試算を発表している。 米国の記念硬貨に関する法律によると、政府は財務長官が適切と判断する量と種類のプラチナ硬貨を鋳造・発行できる。本法律をもとに米財務省が1兆ドル額面のプラチナ硬貨を鋳造・発行し、これを米連邦準備理事会(FRB)に持ち込み、財務省口座に入金すれば、米国債を発行せずに1兆ドルを調達することが可能となる。1兆ドルのプラチナ硬貨を鋳造する際に議会の承認は必要とされないので、債務上限引き上げ問題は一気に解決することになる。民主党のナドラー下院議員やノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン教授が1兆ドル硬貨の発行に前向きな姿勢を示し
1月23日、国際通貨基金(IMF)の首席エコノミスト、オリビエ・ブランシャール氏は、先進国の緩和的な金融政策と財政政策により「通貨戦争」が発生するリスクがあるとの考えは誇張されたもので、現時点では適切ではないとの見方を示した。香港で2010年7月撮影(2013年 ロイター/Tyrone Siu) [ワシントン 23日 ロイター] 国際通貨基金(IMF)の首席エコノミスト、オリビエ・ブランシャール氏は23日、先進国の緩和的な金融政策と財政政策により「通貨戦争」が発生するリスクがあるとの考えは誇張されたもので、現時点では適切ではないとの見方を示した。 ブランシャール氏は記者会見で、「通貨戦争に関する議論が高まっているが、これは大きく誇張されたものと考えている」とし、「各国は自国経済の健全性を取り戻すために、それぞれ正しい措置を導入する必要がある。こうした政策が適切とみられる限り、為替相場という
[東京 23日 ロイター] みんなの党の渡辺喜美代表は23日、ロイターのインタビューに応じ、4月に任期が切れる白川方明日銀総裁の後任候補について、武藤敏郎・元財務次官(大和総研理事長)は「典型的な天下り人事だ」として、同意できないと述べた。アジア開発銀行の黒田東彦総裁(元財務官)についても、アジア開発銀行(ADB)総裁ポストを手放すことは国益に反するとし「同ポストを他国に渡してまで行う人事ではない」と述べた。 日銀総裁の資質については、マクロ経済のPh.D.を持つ学識経験者、英語が堪能であること、危機管理能力をあげた。財務省出身者については「天下り人事」であれば望ましくないとし、有力候補の武藤氏について「人格・識見とも申し分ない。しかし、典型的な天下り人事だ」と述べ、政府が武藤氏を総裁として提案した場合には「同意できない」と明言した。 また、財務官経験者で日銀に大胆な金融政策を求めている黒
[東京 22日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は22日、金融政策決定会合後の記者会見で、2%の物価上昇率目標と無期限の資産買い入れによる追加緩和を決定したことを受けて、物価上昇率が目標に届かない段階でバブルなど金融面の不均衡が顕在化した場合は、金融政策運営について「日銀が責任を持って判断する」と明言した。2%という目標を導入したこと自体については、予想物価上昇率の引き上げにつながるなどのプラス効果に期待を示した。 今回の会合では2%の物価上昇率目標とともに、期限を定めず市場から資産を買い入れる緩和策の導入を決定した。同時に政府と日銀が連携してデフレからの早期脱却を目指す「共同声明」も公表した。期限を定めず国債を買い入れる形に政策運営を転換した理由について、白川総裁は「物価目標のできるだけ早い実現に効果的と判断した」ためと説明した。 2%の物価目標を導入したことについては「人々の予想物価上昇
1月22日、新しい緩和政策の枠組みは、日銀の裁量がより広く認められ、当面は極端な緩和政策の推進が回避されたとみていいだろう。中銀の独立性をギリギリで確保し、結果として日銀の粘り勝ちとも言える。写真は昨年10月、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao) [東京 22日 ロイター] 日銀が22日に決めた物価目標2%の下での新しい緩和政策の枠組みは、事前の予想に比べ、日銀の裁量がより広く認められ、当面は極端な緩和政策の推進が回避されたとみていいだろう。中銀の独立性をギリギリで確保し、結果として日銀の粘り勝ちとも言える。 一方、政府は2013年度予算案で新規国債発行額を税収以下に収める方向を打ち出しつつ、円高がかなり修正されつつあるとの認識を麻生太郎副総理兼財務・金融担当相が表明。大胆な財政出動と円安進展を中核にしてきたアベノミクスの軌道修正を図る気配も見せ始めている。22日の
1月18日、学習院大学の岩田規久男教授は、安倍晋三首相に対し、デフレ脱却に向けた政府と日銀の合意を法的に裏付けするために日銀法改正が必要だとかねてより提言していると述べた。都内の日銀本店前で昨年11月撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao) [東京 18日 ロイター] 学習院大学の岩田規久男教授はロイターのインタビューで、安倍晋三首相に対し、デフレ脱却に向けた政府と日銀の合意を法的に裏付けするために、物価目標の導入と日銀の責任を明記した日銀法改正が必要だとかねてより提言しているとした。 次期日銀総裁についても、物価目標の導入と日銀法改正の両方を受け入れることが試金石になるとの見方を示した。今回安倍首相が強く主張している2%の物価目標の達成については、フレキシブルな運用が望ましいとの考えを示し、賃金の上昇が遅れている場合など物価目標が達成されても金融引き締めは遅らせる余地を残す
安倍政権の下で日本経済がデフレ基調からマイルドインフレ(消費者物価指数で前年比1―2%)に転換できた場合、株価がどこまで回復するか簡単な試算をしてみよう。 前回(here)述べたとおり、マイルドインフレに転換した場合、長期国債利回りの上昇(価格の下落)は不可避であるが、それは経済にとっても投資家にとっても必ずしも悪いことではない。ポートフォリオの比率を債券から株式や不動産にシフトした投資家にとっては投資リターンの向上が期待できるからだ。逆に2012年までに株式から国債にシフトしてしまった投資家や、もともと国債に傾斜し過ぎている機関投資家にとってはマイルドインフレへの転換は災いになるだろう。 結論を先に言うと、今年の世界経済が再び景気後退に逆戻りするようなことがない限り、日本株の上昇余地は大きい。目先1―2年では東証株価指数(TOPIX)で1100(1月11日終値898)、日経平均で1万30
1月11日、米フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁は、多くの国が金融政策を使い自国通貨を防衛しようとしていると指摘し、「通貨戦争」の可能性を示す危険な兆候だと警告した。都内で2010年9月撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao) [サマーセット(米ニュージャージー州) 11日 ロイター] 米フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁は11日、多くの国が金融政策を使い自国通貨を防衛しようとしていると指摘し、こうした動きは「通貨戦争」の可能性を示す危険な兆候だと警告した。 プロッサー総裁は講演で、多くの国が為替を統制する政策を導入していると述べ、政府の圧力が背景にある場合が多いと指摘。通貨戦争に突入するような政策は貿易や経済にとって健全ではないとし、中銀や政府はこうした動きに慎重になる必要があると主張した。 また、こうした政策は短期的な戦略にはなり得ても、長期的には必ずしも健全
[東京 11日 ロイター] 安倍晋三首相は11日午前、緊急経済対策の決定を受けて記者会見し、「長引くデフレ・円高からの脱却が決定的に重要だ」と指摘。縮小均衡の再配分から富の創出による政策に転換を図り、強い経済を目指していくと述べた。 1月11日、安倍晋三首相は緊急経済対策の策定を受けて記者会見し、「長引くデフレ円高からの脱却が決定的に重要」で「大胆な金融政策が不可欠」と強調した。先月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai) 「デフレ・円高脱却には大胆な金融政策が不可欠だ」と強調、政府が自ら率先して需要を作り、景気底割れを防ぐ考えも示した。一方、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化も目指すとし、財政規律に配慮する姿勢も明らかにした。 <次元の違う政策パッケージ、史上最大規模> 安倍首相はこの日正式決定した緊急経済対策について「従来とは次元の違うレベルで一体かつ強力に実行す
12月31日、米共和党指導部に近い筋によると、「財政の崖」の回避に向けた動きで、下院の採決は期限となる米東部時間1月1日午前零時(日本時間午後2時)以降にずれ込む可能性がある。写真はワシントンの米連邦議会議事堂。2010年11月撮影(2013年 ロイター/Jim Young) [ワシントン 31日 ロイター] 米共和党指導部に近い筋によると、減税の失効と歳出の自動削減開始が重なる「財政の崖」の回避に向けた動きで、下院の採決は期限となる米東部時間1月1日午前零時(日本時間午後2時)以降にずれ込む可能性がある。 同筋は、採決が元日にずれ込んだとしても、金融市場は休場となることから影響は最小限に抑えることができるとした上で「上院から法案が送られてきていないし、われわれとしても採決の前に法案に目を通しておきたい」と語った。
[東京 27日 ロイター] 安倍新政権で内閣官房参与に就任した米エール大の浜田宏一名誉教授は27日、ロイターとのインタビューに応じ、日銀の金融緩和策について、買い入れる資産の総額をあらかじめ設定せず無制限にすべきだと指摘、物価上昇率目標の達成に向け、より残存期間の長い国債や株式などリスク性資産の購入拡大が必要との認識を示した。外債購入も一案に挙げた。 目指す物価上昇率は諸外国並みの2─3%が適切と述べ、政府による目標設定や、それに伴う説明責任を明確化するため、日銀法の改正は「当然だ」と語った。 インタビューは電話で実施した。概要は以下の通り。 ──日銀は12月の金融政策決定会合で10兆円の追加緩和を決定し、「物価安定の目途」も見直す方向だ。 「努力はしているが、Too Little Too Lateというペースは変わってない」 「(物価安定の目途で示している)1%のインフレ率は、他の国が2
12月25日、民主党の新代表に選出された海江田氏は、いわゆる「アベノミクス」について、「日銀の独立性を損なうかたちが外に表われれば、中銀や円の信任にかかわる」と指摘、そうしたことは避けなければいけないと語った(2012年 ロイター/Toru Hanai) [東京 25日 ロイター] 民主党の新代表に選出された海江田万里氏は25日夕の記者会見で、自民党の安倍晋三総裁が主張する経済政策である、いわゆる「アベノミクス」について、「日銀の独立性を損なうかたちが外に表われれば、中銀や円の信任にかかわる」と指摘、そうしたことは避けなければいけないと語った。 海江田新代表はアベノミクスには2つの柱があると指摘。1つの柱である公共事業の大盤振る舞いは古い考え方だと批判。2つめの柱となる金融政策については、日銀の独立性が損なわれるような政策は、さまざまな副作用が予想されると指摘。「その副作用に対する備えがど
12月20日、日銀は金融政策決定会合で、資産買入基金による10兆円の追加緩和を決めた。写真は都内の日銀本店前を歩く男性。同日撮影(2012年 ロイター/Yuya Shino) [東京 20日 ロイター] 日銀は20日の金融政策決定会合で、資産買入基金による10兆円の追加緩和を決めた。同時に事実上の物価目標である「物価安定の目途(めど)」を見直し、来年1月の会合で詳細を決めると発表した。 日銀は9月、10月と連続で追加緩和に踏み切っており、4回中3回という異例の頻度で追加緩和を連発した。米「財政の崖」懸念などで景気が下振れているのが表向きの理由だが、衆院選で強力な金融緩和を掲げて大勝した自民党の政策に平仄(ひょうそく)を合わせた格好になった。 日銀は、景気の現状を「一段と弱含んでいる」と下方修正し、「日本経済が物価安定のもとでの持続的な成長経路に復していく軌道を踏みはずさないよう」追加緩和に
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