フランス北部の街が今、ロシアのウクライナ侵攻により揺れている。 パリから電車で約1時間半、英仏海峡をのぞむフランス北部の街、カレー。海水浴目当ての観光客でにぎわう夏以外は霧につつまれ、哀れっぽい声で鳴くカモメが舞う、どこか沈んだ雰囲気の漂う場所である。 人口約7万5000人と小さいこの街は、本来であればメディアが取り上げるような街ではない。 だが、対岸のイギリス・ドーバーへ抜けるフェリーとユーロトンネルがあるため、例えば、スーダン・エリトリア・アフガニスタンなど中東やアフリカからフランスを通過してイギリスを目指す移民(注:この中には、難民申請をしていて認定される可能性のある人、まだ申請をしていないが同じく認定されるかもしれない人、そしていわゆる経済移民と言われる人も含まれる)のルートの欧州大陸側の最終地点として知られている。 圧倒的ウクライナ支持のフランス世論 イギリスへの入国条件が年々厳