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ブックマーク / honz.jp (46)

  • 『サルは大西洋を渡った──奇跡的な航海が生んだ進化史』 大海原という障壁を越えて進出する生物たち - HONZ

    「ありそうもないこと、稀有なこと、不可思議なこと、奇跡的なこと」。生物地理学者のギャレス・ネルソンはかつてそんな言葉でそれを嘲笑したという。だが実際には、どうやらそれは生物の歴史において何度も生じていたようだ。それというのは、生物たちによる長距離に及ぶ「海越え」である。 書が挑んでいる問題は、世界における生物の不連続分布である。世界地図と各地に生息する生物を思い浮かべてほしい。大西洋を挟んで、サルはアフリカ大陸にも、南アメリカ大陸にも生息している。また、「走鳥類」と呼ばれる飛べない鳥たちは、南半球の4つの隔たった地域に分布している。さらに、ガータースネークはメキシコ土で見られるが、そこから海で隔てられたバハカリフォルニア半島の南部にも生息している。 そのように、系統的に近しい多くの生物が、海などの障壁で隔てられた、遠く離れた地域に生息している。しかしそうだとしたら、彼らはいったいどうや

    『サルは大西洋を渡った──奇跡的な航海が生んだ進化史』 大海原という障壁を越えて進出する生物たち - HONZ
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    terazzo 2017/11/12
  • 『なぜ、無実の医師が逮捕されたのか』 99.9%という有罪率の壁を乗り越えた刑事裁判 - HONZ

    10年ほど前に、業務上の過失により患者(妊産婦)を死亡させたとして逮捕された、産科医をめぐる刑事裁判「福島大野病院裁判」について、ご記憶の方も多いだろう。テレビカメラの前で医師が逮捕されるというショッキングな出来事から始まり、娘を亡くした父親視点のドキュメンタリー番組が作られるなど、報道は過熱した。裁判の結果、99%を超える刑事事件の有罪率の壁を乗り越え、医師は無罪となった。このは、その弁護にあたった弁護士がまとめた記録である。 書は、徹頭徹尾、以下の立場が貫かれている。 弁護団は、決めていた。何があろうと、患者さん家族の如何なる言葉にも反論しない。そのご心中を察すれば、まして、生まれた時に、その母はいない子のことを思うからである。 裁判は闘いである。しかし、ご遺族と闘うのではない。検察との闘いでしかない。~書より 判決後、医師は「患者さんの期待や要望に応えることが出来なかったことは

    『なぜ、無実の医師が逮捕されたのか』 99.9%という有罪率の壁を乗り越えた刑事裁判 - HONZ
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    terazzo 2016/10/10
  • 『生命、エネルギー、進化』この生物学の本にはぶっとんだ! 客員レビュー by ビル・ゲイツ - HONZ

    昨年、私たちの財団でグローバル・ヘルス関連の仕事を手掛けているトレヴァー・マンデルが私に、このを読むよう勧めてくれた。私はそれまで書のことも、著者であるユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのニック・レーンという生物学者についてもまったく知らなかった。数か月後には、私はたんにこのを読み終えていただけでなく、ニックのほかの著書3冊を取り寄せ、うち2冊を読み終わり、ニューヨークで彼と会う手筈を整えていた。 ニックはジャレド・ダイアモンドのような書き手を思い起こさせる。世界について多くを説明する壮大な理論を考え出す人々だ。彼はそんな独創的な思索家のひとりで、あなたにこう言わせる。「この男の仕事についてもっと多くの人が知るべきだ」 ニックの著作は質的には、すべての生きとし生けるものにとってのエネルギーの役割を読者に深く認識させ、科学におけるボタンの掛け違いを正そうとする試みである。『生命、エ

    『生命、エネルギー、進化』この生物学の本にはぶっとんだ! 客員レビュー by ビル・ゲイツ - HONZ
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    terazzo 2016/10/08
  • 万物は進化する──『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』 - HONZ

    『赤の女王 性とヒトの進化』で魅力的に性の仕組みを解説し、『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史』では「現代ほど良い時代はかつてなかった」という単純な事実を、膨大な例証と共に指摘してきたマット・リドレー最新作とあれば読まないわけにはいかない。今作のテーマは『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』という書名通りに「進化」である。 進化はリドレーが長年扱ってきたテーマであってその点に不思議はないが、進化は万能である、といきなり言われても意味がよくわからずに最初戸惑ってしまった。とはいえ、読み進めてみれば何を言っているのかはだんだん理解できてくる。中心となっている主張は『進化は私たちの周りのいたるところで起こっている』ということだ。「いたるところ」というだけあって題材は宗教から経済、政治テクノロジー、果てはリーダーシップにまで及び、これまでの作品の総集編的でありながらも、新た

    万物は進化する──『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』 - HONZ
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    terazzo 2016/09/25
  • 『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』 - HONZ

    生物多様性の喪失と聞けば、熱帯雨林やサンゴ礁が目に浮かぶ。絶滅危惧種と聞けば、中国奥地のジャイアントパンダやガラパゴス島のゾウガメを思いつく。しかし、そうした危機的な状況は遠い異国の話とはかぎらず、もっとずっと身近なところで起こっている。私たちの体は無数の微生物からなる「生態系」であり、そこでも種の絶滅は静かに進行している。 2003年にヒトゲノム・プロジェクトが完了したとき、研究者たちはヒトの遺伝子が線虫と同じ、21,000個しかないことに驚いた。ヒトはなぜ、そんなに少ない遺伝子でこんなに複雑な生命活動ができるのだろう? そのカギは、体内に棲む微生物に多くの活動を「アウトソーシング」していることにあった。 赤ん坊は産道を通るとき、母乳を飲むとき、母親から微生物一式を受けとり、その微生物集団と共に成長する。ところが最近では、赤ん坊がその微生物一式を受けとれなかったり、せっかく育ったコロニー

    『あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた』 - HONZ
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    terazzo 2016/08/15
  • 『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』解説 by 岸 由二 - HONZ

    現代生態学の核心的なテーマを扱う不思議なが登場した、というと、意外に思われるかもしれない。扱われているのは、自然回復論。外来種をどう理解し、評価するか、未来の自然保護をどのようなビジョンで考えるか、そんな話題ではないか。そのどこが現代生態学の基礎テーマにからんでいるというのだろう。 現代生態学の基礎テーマというと、まっさきに、ドーキンスの利己的遺伝子論や、やたらに複雑な数理生態学のことを連想する読者がいるかもしれない。それはそれで、正しいのだが、自然回復、自然保護などを扱う生態学のいわば道における基礎テーマは、すこし焦点が違う。きわめて重要な領域なのだが、とくに日の生態学の領域ではなかなか話題にするのも難しく、わかりやすい専門書もほとんどないのが実情だ。そんな、わかりにくい世界について、「外来種をどう評価するか」という現代保全生態学

    『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』解説 by 岸 由二 - HONZ
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    terazzo 2016/07/14
  • 『謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>』 豆から生まれたメンタリティ - HONZ

    ある時をきっかけに、べ物のイメージがガラリと変わることがある。個人的に最も驚いたのは、はじめて四川料理の店で辛い麻婆豆腐をべた時のことだ。俺は今まで何をやっていたのだろうかという激しい後悔と同時に、麻婆豆腐というものへの理解が革命的に変わっていくことを実感した。 高野秀行にとっては、それが納豆であったのだろう。ある時、ミャンマー北部のカチン州での取材中にべた、日のものと全く変わらない納豆卵かけご飯。しかも現地の人たちは納豆のことを、業界人ばりに「トナオ」と呼んでいるではないか。さらにその後、タイ、ネパール、インド、ブータンといった他のアジア諸国においても、納豆もしくは納豆もどきのべ物と何度となく遭遇することになる。これを見逃す高野ではなかった。 書は「納豆の起源と変遷を解き明かす」というテーマを目的に、アジアの奥地から日の東北地方、はたまた固定観念の外側までを探検した一冊であ

    『謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>』 豆から生まれたメンタリティ - HONZ
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    terazzo 2016/05/06
  • そもそもなぜ地球外天体は地球に到達するのか?──『ダークマターと恐竜絶滅―新理論で宇宙の謎に迫る』 - HONZ

    書名に入っている「ダークマター」と「恐竜絶滅」、どちらもなんてことない単語であるが、かけ離れた関係性の単語なだけに、とてつもなくうさんくさい!「ダークマターとブッダ」ぐらいに意味がわからない! なんてうさんくさいなんだ! と一目見た時につい思ってしまった。 とはいえ著者は『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』など数々の著書/実績に加え、ハーバード大学の教授である理論物理学者リサ・ランドールである。きっとおもしろいはずだ。しかし……当にだいじょうぶかぁ? と怪しみながら読んでみたのだが、これがたしかにおもしろい──そして、しっかりとしている。見事に「ダークマター」と「恐竜絶滅」という結びつきそうもない両者を結合し、そこにどのような背景が存在しているのかを丁寧に解説してみせる。 そもそも、研究上この「恐竜絶滅」は好奇心をぞんぶんに煽りたて、謎の追求に必要な駆動力を与えてくれるものの、疑問

    そもそもなぜ地球外天体は地球に到達するのか?──『ダークマターと恐竜絶滅―新理論で宇宙の謎に迫る』 - HONZ
  • 『ミャオ族の刺繍とデザイン』深い祈りと神話の世界を身に纏う - HONZ

    中国大陸の南西部を中心に定住する少数民族・ミャオ族。かつては稲作の民として知られたが、気象変動や土地争いなどにより今は山の民として暮らしている。 そんなミャオ族には日人のルーツではないかという説があったり、自然を崇拝していたり、納豆をべていたりと、知れば知るほど親近感のわく存在なのだが、刺繍・染め・織といった女性たちの手仕事にも定評があり、そのレベルの高さには驚かされる。

    『ミャオ族の刺繍とデザイン』深い祈りと神話の世界を身に纏う - HONZ
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    terazzo 2016/04/01
  • 『知能はもっと上げられる 脳力アップ、なにが本当に効く方法か』 - HONZ

    科学が認めた脳力アップの方法とは? 知能は上げられない――それは生まれつきの能力であり、大きく伸ばすことは難しい。研究者も、多くのひとびとも、そう考えていた。ところが、近年、「知能は短期間で上げられる」という研究成果が続々と発表され、大きな注目を集めている。こうした成果に基づいた<頭をよくする>脳トレや認知能力を高めるメソッドもいろいろ開発されている。また、米国では政府系機関も関心を寄せ、積極的な研究支援を行なっている。 書はこうした動向を科学ジャーナリストである著者が、最新の脳トレをはじめ頭がよくなる方法を、みずから実践体験することによって紹介していく。 すでに世の中には「脳力アップ」を謳う多くの商品やメソッドが出回っている。実はこうした中で、科学的に効果が検証されているものはごく少ない。著者は、まずなにが科学的に認められ、なにが認められていないのかを吟味検証する。 あの有名な脳トレ・

    『知能はもっと上げられる 脳力アップ、なにが本当に効く方法か』 - HONZ
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    terazzo 2016/03/31
  • 『都市の起源 古代の先進地域=西アジアを掘る』 よそ者が都市をつくった - HONZ

    都市は人を惹きつける。整備されたインフラがもたらす快適な生活、次々にもたらされる新たな出会い、世界に解き放たれる前の情報など、都市にはヒト・モノ・カネ・情報の全てが潤沢に存在しているのだから、都市への集中は当然の成り行きとも思える。事実、1950年に30%だった都市化人口率は現在50%にまで増加しおり、国連の予測では2050年には70%近くにまで及ぶという。もちろん、都市にはメリットだけでなく、希薄な人間関係や経済格差などのデメリットも存在するのだが、都市化の流れは強力なものだ。 このように「陰」と「陽」の面を併せ持つ都市は、どのように誕生したのか。書では、世界最古の都市が誕生した約5300年前の西アジアに焦点を当てることでこの問いに答えを出していく。考古学的手法で世界最古の都市を分析することで、その誕生過程を「流れ」として捉えられ、現代を生きる我々が当然のものとして受け入れている「都市

    『都市の起源 古代の先進地域=西アジアを掘る』 よそ者が都市をつくった - HONZ
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    terazzo 2016/03/23
  • 『性風俗のいびつな現場』支援か搾取か - HONZ

    女性の貧困がメディアを賑わして久しい。働く単身女性の3人にひとりが年収112万円以下との統計もある。こうした貧困女性の中でも福祉の網から漏れ落ちた人々のセーフティーネットとして機能してきたのが性産業だ。 性産業の現場で何が起きているのかに迫ったルポは少なくない。書でも母乳を欲しがる男性向けの風俗店や30分3900円で違法行為ありの激安風俗店、熟女専門店、他の風俗店では採用されない女性ばかりを集めた「地雷専門店」で働く女性や経営者が登場する。 印象的なのは、地雷専門店の経営者のインタビューだ。同店では年齢や容姿は不問で幅広い女性に門戸を開く。生活の手段が限られた女性に稼いでもらいたいために、原則、応募者全員採用だ。スリーサーズが全て1メートル超えでも入店OK。福祉のみならず風俗の世界からも押し出された女性たちの受け皿として機能している。 とはいえ、性サービスでなく、容姿や年齢をネタとして消

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    terazzo 2016/02/01
  • 『性倒錯者 だれもが秘める愛の逸脱』無限に広がる、奥深き性愛の世界 - HONZ

    冒頭の一文から引き込まれる。「あなたは性的に逸脱している。まったくの倒錯者だ」ときたものだ。 そして息もつかせぬ間に「手始めに僕から行こう。」と、自身の性遍歴を語り始める。思春期の頃にネアンデルタール人の裸に興奮を憶えたこと、高校生の時に想いを寄せていた男子が捨てたコーラの空き缶に興奮したこと、初体験の相手が足フェチのゲイであったこと…。 著者が、前著『ヒトはなぜ神を信じるのか』のジェシー・べリングであることを知っている人でなくても、驚きのエピソードの数々だろう。そして『ヰタ・セクスアリス』のような告白の後は、無限の領域に広がる「性愛」の世界を限界まで見せてくれる。 書『性倒錯者 だれもが秘める愛の逸脱』はヒトのセクシュアリティについていま開花しつつある新たな科学と、もっとも奇妙な形のセクシュアリティのケーススタディーを重ねあわせることによって、「性倒錯者」という存在の核心に迫ろうと試み

    『性倒錯者 だれもが秘める愛の逸脱』無限に広がる、奥深き性愛の世界 - HONZ
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    terazzo 2016/01/24
  • 『アメリカの真の支配者 コーク一族』 石油から思想までを操る華麗過ぎる一族 - HONZ

    世界最強国家アメリカで、最も影響力を持つのはどの一族だろう。20数年間で2人の大統領を輩出し、さらに3人目の大統領候補を送り出そうとしているブッシュ家だろうか。世界最大の石油企業スタンダード・オイルに始まり、金融や軍事関連企業を次々と傘下におさめ、政界にも強いコネクションを持つロックフェラー家だろうか。 夫婦で大統領となる可能性の出てきたクリントン家や世界一の大富豪として慈善活動を強力に推進しているビル・ゲイツなど、大きな力を持つアメリカ人の名前は数多く思い浮かぶ。ところが、左派系メディア『マザー・ジョーンズ』誌シニア・エディターである書の著者は、Wikipediaの日語版にも個別記事がなく、日ではその名を知る人の少ないコーク四兄弟こそが、「現在のアメリカにおいて、最も影響力を持ち、強力で、人々の耳目を集め、嫌われている人たち」であるという。 コーク一族が所有・経営する非上場企業のコ

    『アメリカの真の支配者 コーク一族』 石油から思想までを操る華麗過ぎる一族 - HONZ
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    terazzo 2016/01/05
  • 『第三帝国の愛人』アメリカ大使一家が見た、ナチスの暗い真実 - HONZ

    1933年1月、ヒトラーがヒンデンブルク大統領の任命により首相になってから、翌1934年8月、ヒンデンブルクの死と同時にあらゆる権能を掌握し、絶対的な権力者・総統となるまでの2年弱。ヒトラーとナチスの「権力掌握の総仕上げ」が成され、日常生活に潜んでいた恐怖政治の実体が一気に表面化して世を覆い尽くすこの時代を、ヒトラー政権下で初めてベルリンに赴任したアメリカ大使とその一家が残した日記や手記、膨大な文書や歴史資料をもとに再現したのが書である。 シカゴ大学の教授で著名な歴史学者でもあるウィリアム・D・ドッドは、就任したばかりの大統領・ローズベルトから「政府に奉仕する気があるか聞きたい。ドイツに大使としていってもらいたいのだ」という電話を受ける。「ドイツリベラルアメリカ人の手を示してもらいたい」と。このときすでに4ヶ月も駐独大使の席は空席だった。が、ドッド自身にとっても、周囲の人々にとって

    『第三帝国の愛人』アメリカ大使一家が見た、ナチスの暗い真実 - HONZ
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    terazzo 2015/12/02
  • 就職先、南の島 『日本を愛した植民地 南洋パラオの真実』 - HONZ

    書の舞台は、ミクロネシアである。ただ、そういわれても、茫洋として掴みにくい。だから副題に「南洋パラオ」と入っているのだろう。観光地パラオなら少しはイメージできる。実際に私は、この副題で興味が湧いた。メインタイトルだけだったら、手に取ることさえなかっただろう。そういう類のは山ほど出ているからだ。私は、この副題に惹かれて書を手に取り、そして、次の一文を読んで背中に電流が走った。 残念な事に戦後70年もの間、ミクロネシアの日移民のことは、ほとんど一般の日人には知られて来なかった。書を通して、ひとりでも多くの人に知ってもらうことが、死んでいった移民たちの供養になればと心から願っている。 (書「おわりに」より) 何年か前に自分の戸籍をさかのぼった際、祖父がミクロネシアで暮らしていた痕跡があるのを知り、ずっと気になっていたからだ。前後の辻褄を考えると、どうやら祖父は九州から東京の明治大学

    就職先、南の島 『日本を愛した植民地 南洋パラオの真実』 - HONZ
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    terazzo 2015/11/17
  • 『宇宙背景放射 「ビッグバン以前」の痕跡を探る』 実験物理学者の戦国時代 - HONZ

    宇宙はどのようにしてできたのか、その起源への探求は人類をひきつけてやまない。そのため「宇宙のはじまり」を扱った書籍は少なくなく、2011年新書大賞を受賞した『宇宙は何でできているのか』のヒット以降、関連テーマの出版点数は増しているように思える。インフレーション、重力、ダークマター、宇宙のはじまりに迫る様々な理論が、理論物理学者の手で語られてきたが、その理論家たちが巧みに描き出す宇宙の姿の土台となるデータは、誰がどのように生み出しているのか。 実験物理学者である著者は、宇宙誕生の謎を解き明かすための研究現場が実際にはどのようなものか、理論家がよりどころとするデータはどのように生成されているのか、実験家と理論家がどのような緊張関係のなかで互いを高めあっているのか、そして実験物理学者たちはどんなデータを求めて世界中で熾烈な競争を行っているかを、著者の一人称で語りかける平易な文章で教えてくれる。複

    『宇宙背景放射 「ビッグバン以前」の痕跡を探る』 実験物理学者の戦国時代 - HONZ
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    terazzo 2015/11/12
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    「ナウシカ戦法」「男女の違い」・・・とら婚によるオタク友達を作る... 2018年09月23日 「ナウシカ戦法からの3ワード」「許し、許される」「男性の変化を促すアプローチ」――「オタクに寄り添う」婚活サービスを手掛ける「とら婚」が「オタク友だちを作ろう」という趣旨で、女性向けに女子会を開...

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    terazzo
    terazzo 2015/09/12
    元カノがドルオタの彼氏とライブ会場に来る話が好き
  • 『世界を破綻させた経済学者たち 許されざる七つの大罪』 - HONZ

    主流派経済学にひそむ欺瞞 2008年にアメリカで勃発した金融危機は、起きるべくして起きた出来事ではあった。 リスクが大きいローン債券を証券化した「デリバティブ」(金融派生商品)が主役を演じたバブル崩壊劇であったが、そんな危険物を扱う市場を透明にしようとする努力はクリントン政権時にわざわざ禁止されていた。個々のトレーダーたちは成功すれば莫大な報酬を得る一方、失敗してもダメージは比較して小さい仕組みだったから、おのずと高リスクの取引にのめり込んでいった。なかでも証券の値下がりリスクに備える保険商品であるCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は住宅市場の過熱とともに住宅ローン担保証券の損失に対して広く用いられるようになっていたが、検査が厳格でなく、しかも発行者には準備金を積み立てる義務がなかったため、保険大手のAIGが保証金の

    『世界を破綻させた経済学者たち 許されざる七つの大罪』 - HONZ
    terazzo
    terazzo 2015/08/21
    少なくとも未来に起こる「市場の失敗」に備えるためには、純然たる法則とコンセンサスによる理論の自己実現の間にある何かを追及するべきなのかも。
  • 周到に計算された「狂人国家」というブランディング戦略 『北朝鮮の核心』 - HONZ

    北朝鮮は、統計上はアフリカの小国ガーナに似ている。2010年の人口は北朝鮮が2,440万人に対してガーナが2,470万人。一人当たりGDPはそれぞれ1,800ドルと1,700ドル。しかし、国際社会から受ける注目度や、先進国から引き出してきた援助の額、政治的譲歩において、北朝鮮はガーナなど比べ物にならない大成功を収めてきた。この差はどこから来るのだろう。 書の序章には「驚異的な理性の国」というタイトルが付いている。もちろんそれは北朝鮮のことだ。活用できる資源もなく、経済は死に体、時代遅れのスターリン主義と君主制を貫き、核兵器を積極的に威嚇手段として用いるその様は、周辺国の人々から「理解不能な狂人国家」と思われている。ところがこの国の指導層は、自分たちが何をしているのか、実は完璧に分かっているのだ。 著者アンドレイ・ランコフは、ソ連に生まれ、留学生として平壌に住んだ経験もあり、現在は韓国の国

    周到に計算された「狂人国家」というブランディング戦略 『北朝鮮の核心』 - HONZ
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    terazzo 2015/08/20