原作を読んだときから吹奏楽部部長・小笠原晴香が駅ビルコンサートで吹くソロは期待していた。普段、部の中心である田中あすかの影にかくれがちな晴香が、前に出てノリノリのソロを披露する。これはぜひアニメで観たいな、と思っていたのだ。 『響け!ユーフォニアム2』7話で描かれたアニメ版のソロパートは、期待以上の映像に仕上がっていた。原作では「A列車で行こう」だった曲が「宝島」に変更され、アルトサックスで吹かれることの多いソロ(原曲はピアノ)をバリトンサックスで吹く。それだけでも見応え・聴き応えのある上、アニメならではの「動き」にも目を見張るものがあった。懸命な晴香の表情とリズム良く走る運指に加え、臨場感あるカメラワークが盛り立てる。 たとえば麗奈がそうであるように、ピンと背筋を伸ばして前を見て吹くのが本作の基本的な演奏スタイルだ。カメラも正面から演奏者を捉える。それがこのソロでは、正面にカメラを置いて
新人声優「ずかちゃん」こと坂木しずかにようやくスポットライトが当たった。『SHIROBAKO』第23話「続・ちゃぶだい返し」のラストシーンについて少し、書いておきたい。前回、しずかは自室で一人、テレビに出演しているフレッシュな声優をみながらビールをあおっていた。その様は胸に突き刺さり、痛々しかった。今回、まず憎い演出だなと思ったのは、キャサリンの妹・ルーシー役にしずかが選ばれるんじゃないかと視聴者に期待させている中、アルバイト先の居酒屋で映されるしずかのカットだ。静かに電話と取ったしずかの後ろは前回を引きずるように暗く、目の前は明るい。アフレコ現場にシーンを移す直前のこのカットは妙に引っ掛かった。どうして気になったかというと、23話のポイントは「誰と何を共有しているのか」だと思ったからだ。ラストシーンをみてみよう。宮森あおいは追加シーンのアフレコ現場に姿を現したしずかをみとめ、言葉にならな
万策尽きず、最終話も無事放映された『SHIROBAKO』。めでたしめでたし。そんな最終話で嬉しかったのは「興津さん」と皆から呼ばれている武蔵野アニメーションの総務・興津由佳が大活躍したことだ。彩り豊かな本作の女性陣にあって個人的に一番注目していた興津さん。「残業をしない主義」「昔は制作だったらしい」など設定は散りばめられていたが、クリティカルなパーツを見せないキャラクターで、そこに興味の沸く“隙”があった。まず取り上げたいのは、興津さんのデスク周り。クールビューティな外見と事務的ではっきりとした言動は、シンプルで実用性重視の配置を想像させる。しかしよく観察してみると、ファンシーな小物が目を惹くチャーミングなデスク。「意外と可愛い一面を持つ」ことがデスク周りから伺えるのだ。ハート型のマウスパッドや花柄レースのコースターなど、こだわりの感じられる品がずらっと並ぶ。とりわけ目を惹くデスク右上に鎮
『SHIROBAKO』のバランス感覚にはいつも膝を打つ。「虚構と現実」のバランスだ。このテーマで馴染み深いのは今敏監督だろうか。混淆していく現実と夢の世界を精緻な筆致で描き、入れ子構造に収める独特の手法を用いていた。アニメーション制作にスポットを当てた『妄想代理人』第10話「マロミまどろみ」は、比較対象として興味深いエピソードだ。同じ題材を扱うにしても、今敏監督と水島努監督の「ブラックジョーク度合い」とでも称すればいいのか、明らかな違いがある。とはいえ、『SHIROBAKO』の構造は今敏監督の作風と似ている。修羅場続きで一寸先に落とし穴が待ち構えている現実、けれど夢を持ち続けたいアニメーション制作という場所へのこだわり、その交錯が見所。そんな本作特有のバランスを支えているのは、隅々まで徹底して虚構と現実を対立させていること。主人公の宮森あおいを例にとってみよう。同期のタローこと高梨太郎と比
ネット社会の恩恵か、専門用語や制作工程をフォローしてくれる公式サイト、リアルタイムで流れてくるアニメ関係者のつぶやき、インターネットは業界事情(そんな大げさなものじゃないけれど)を知るにありがたい存在だ。そこで『SHIROBAKO』をより深く、楽しめるものにしてくれる資料を紹介する趣旨のエントリーを書きたくなった。ネットで今すぐ読めるもの、P.A.WORKS関連の資料を中心にアニメを勉強する上で有用な、好きな書籍の紹介も兼ねて。ちょっと変わったアイテムもあるけれど、ご愛嬌ということでお願いしたい。 ■人狼制作日誌P.A.WORKS代表取締役・堀川憲司が制作担当だったProduction I.Gのアニメーション映画『人狼 JIN-ROH』ホームページ用制作日誌。アニメ制作にまつわる定番の読み物で、理知的な性格を反映したと思われる筆の滑らかさ、個性的なクリエイターたちと付き合っていく我慢強さ、
2015年11月9日追記:以下の内容は Xcode 4 までに対応しています。最近の Xcode に対応するには github.com/github/gitignore の Objective-C.gitignore を使うことをお勧めします。(追記終わり) Xcode で作ったプロジェクトを Git で管理するにあたってめんどくせえーのは、 .xcodeproj の中にプロジェクトのデータとユーザデータが一緒に入ってる点です。普通に空のプロジェクトを作るとこうなります: Xcode 3: - $PROJ.xcodeproj/ - project.pbxproj - $USER.mode1v3 - $USER.pbxuser Xcode 4: - $PROJ.xcodeproj/ - project.pbxproj - project.xcworkspace/ - xcuserdata/
「屈辱」という,非常に悪趣味なゲームがある。 デイヴィッド・ロッジの『交換教授』といえば、「屈辱」である。これは誰もが読んでいると思われているが、実は自分は読んでいないという有名文学作品のタイトルを挙げて、参加者の内でその作品を読んでいる人の数が得点となるというゲームである。つまり、得点(作品を読んでいる人の数)が高ければ高いほど、その人に教養がないということになるというその名にふさわしい残酷なゲームなのだ。最初に読んだ時、私は自分こそこのゲームの勝者になれると思った。今も思っている。この小説を読んだ人はどうやらみんな同じことを考えるらしい。白水社 :連載・エッセイ 再読愛読 山崎まどか(1)『交換教授』 わたしは『交換教授』を未読なのだが(別にこのゲームを紹介するからというわけではない),この「屈辱」というゲームのことは又聞きにせよものすごい印象に残っていて(『ハムレット』と口走ってしま
追記 たくさん反響があって驚きました。念の為書いておくと、私はこの記事で仕組みを解説しただけで、このようなノウハウに賛成も反対もしていません。追記はここまで。 azu さんのつぶやきで知った、Dangers of anonymous function closures が、例がよいのに説明が少ないので、ここで丁寧に解説します。なぜ、 jQuery で ;(function () ...とセミコロンで始めるコードがあるのかがわかります。 次のサンプルの実行結果を想像して下さい。 var foo = function(bar) { console.log("foo"); return bar; } (function(){ console.log("bar") })(); 結果は "foo bar" を印字します。多くの場合、これは意図しない挙動だと思います。"bar" だけだと思いませんか。
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