2015年12月28日 慰安婦問題の「最終的な解決」がなぜ可能だったのか 戦後70年を記念する2015年が終わろうとするこの時期に、この合意の知らせを耳にして驚いています。これほどまで難しい問題を、「最終的に解決」というのも、大変な驚きです。少なくとも、私自身はこのような合意が可能となるとは思っていませんでした。 これまでの日韓間の外交交渉の経緯を見ていて、正直申し上げて年内の合意は困難だと思っていました。また、慰安婦問題のような日韓両国の国内世論にとって敏感な問題で、さらには圧力集団が影響力を大きく持つ中で、両国政府ともに妥協が困難な問題だとこれまで考えてきました。ですので、ここにきての「最終的に解決」という合意に、率直に驚いています。私の国際政治学者としての想像力よりも、実際の力学のほうがはるかにダイナミックで、可変的でした。 同時に、このようなきわめて難しい問題を解決するためには、国