ただの紙が、想いをのせた「物」になる。 上の写真は「束見本(つかみほん)」。紙の質感や、表紙とページで用いる紙の違いによるマッチングの確認、背表紙の実寸計測などを行うために、実際の写真集の仕様で製本作成するサンプルです。ここに”写真集”というひとつの世界が載るわけですが、束見本の状態では余程の斤量(紙の厚み)がない限り、単なるノートにしか見えません。写真集は、想いの整理から編集・デザイン・印刷・製本・配本と、数多くの行程を重ね、たくさんの人の手が入ります。そうしてできあがった写真集を束見本と共に手にすると、本当に「想いが物になる」なんて、思わず口をついて出てくるのです。写真プリントにもそんな実感はありますが、写真集となれば1つの世界が本に宿るのです。この面白さをぜひ読者の皆さんに伝えたい。著者であるScott氏と、印刷および製本でタッグを組ませていただいた株式会社山田写真製版のご協力を得て