中学生の頃、ジャック・ロンドンの『野生の叫び声』と『白い牙』を旺文社文庫で読んで読書の楽しさを知った。 高校生の頃、勉強に飽きると北杜夫氏の『どくとるマンボウ航海記』と『どくとるマンボウ青春期』を開いて、何度も何度も飽きずに読んだ。 畑正憲氏の『ムツゴロウの青春期』を読んで、恋に憧れた。 司馬遼太郎氏の『燃えよ剣』と『竜馬がゆく』を読んで、やがて僕が出港することになるであろう人生の航海を思って胸を熱くした。 上温湯隆氏の『サハラに死す』を読んで、僕はどこまで勇敢になれるだろうかとこころ震わせた。 水産学科専攻だった大学時代、スティーヴン・ジェイ・グールドが『ワンダフル・ライフ』に描いてみせた進化の秘密にときめいた。 エド・マクベインの87分署シリーズに人生の機微を知った。 ジェームス・サーバーの軽妙な絵と短編に、人生の苦さを垣間見た ソール・ベローの『オーギーマーチの冒険』のように、僕も何