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ブックマーク / kasasora.hatenablog.com (6)

  • 友人が友人でなくなるただひとつの恋愛パターン - 傘をひらいて、空を

    疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。そのためにわたしの周囲から真っ先になくなったのが「慣例でなんとなく年に一度くらいやっていた昔なじみとの飲み会」である。ほんとうはみんなそれほどやりたくもなかったのかもしれなかった。 もう復活することはないかなと思ったのだけれど、疫病流行から二年、なんとなくの飲み会をやってもいいのかもしれないというような空気が東京にやってきて、それでまたわたしの昔なじみから声がかかった。わたしは行くと返信した。 わたしはなにしろ飲み会に飢えていた。先だって趣味仲間に声をかけて飲み会をやったのだけれど、ハイになっちゃうくらい楽しくて超酔っぱらった。飲み会はほんとうに楽しい。疫病前はそこまでではなかったのに、一度奪われるとこんなに恋しくなるものかと思う。それで昔なじみの集まりにも一も二もなく参加した。 そうしたらしばらくLINEのやりとりもな

    友人が友人でなくなるただひとつの恋愛パターン - 傘をひらいて、空を
    tigtig8
    tigtig8 2022/04/11
    あくまで私の観測範囲の話ですけど、浮気や不倫をする男性に差別的&見下し思考の強い人物が多いから、女性側も洗脳されていく構図な気がします。満たされない人がそういうことにハマりがちなんでしょうね
  • 孤独死OK、超OK - 傘をひらいて、空を

    いつもより早く起きる。川を渡り、友人の家まで歩く。友人の犬を連れて河川敷を走る。犬は往復の道で私を先導し、ときどき私を振り返り、信号ではぴたりと止まる。引き綱をつける必要もほんとうはない。でもつけてほしいと飼い主は言う。顔見知りじゃない人とすれちがってリードのついていない犬がいたら安全じゃないような気がするでしょう。 犬は散歩用の綱をつけるとき、顎を上げて協力する。とくにいやではないようだ。それどころかちょっと笑う。この犬にかぎらず、犬は、笑う。私にはそのように見える。口角を上げ、目を三日月にして、犬は笑う。そうして私の手や顔をぺろりとなめる。 ありがとう、と友人が言う。彼女の犬は定位置でくつろいでいる。主が半月ぶりに戻った日の飼い犬のふるまいとしてはたいへんクールだ。彼女は一年に一度か二度、私を留守居に雇って、朝晩の犬の世話をさせる。「出稼ぎ」のためだ。「俳優のディナーショーとかで伴奏す

    孤独死OK、超OK - 傘をひらいて、空を
    tigtig8
    tigtig8 2017/02/08
    "最低限のことはいろんな人に頼んであるし、書類と費用も用意してあるし" これ、どんな風にやっているか、いくらくらい用意して、どこに置いているか知りたい。疎遠な家族に伝えてあるけどアテにならなそうで心配。
  • 口説く男を憎まないためのたったひとつの条件 - 傘をひらいて、空を

    そうだ今日は男の人から口説かれたのに不愉快じゃなくてね。不愉快じゃないのは珍しいからうれしかったよ。つきあうことはないだろうけど、なんだか感謝しちゃう、私の世界の殺伐度がすこし下がった気がするから。 彼女はそのように話す。殺伐度、と私は思う。いいことばだ。殺伐とした心境にもいろいろなレヴェルがある。そしてある種の人間は人生のおおかたの時間、殺伐と無縁ではない。私もそうだし、目の前の友だちもそうだ。私たちはだいたい暗い。少女のころから夢とか希望とかはあんまり持っていなかった。生き延びることが最優先で、その先のことはとくに考えていなかった。そのような戦略によって私たちは生き延びた。「生き延びた」といえる境遇と年齢にあっては、殺伐とした部分はおおよそ保険みたいなもので、いざとなったら発動する非常用装置のひとつにすぎない。存在意義はあるし、今さら追い出すわけにもいかないくらい一体化してもいるけれど

    口説く男を憎まないためのたったひとつの条件 - 傘をひらいて、空を
    tigtig8
    tigtig8 2015/12/09
    本当に、いきなり体を触ってきたり失礼な言葉を投げかけてくる男性(口説いてるつもり)はとても多い。少なくても自分と同等な存在とは認識していないよね。殴りはしないけど、極力縁を切りたいと思う。
  • 苦労知らずと呼ばれる勝利 - 傘をひらいて、空を

    そりゃね、ああやって親切にしてあげるのはいいことだ、きみがうちの小学生の娘なら褒めるさ。でも世の中、そんな、いいやつばかりじゃないんだから、騙されないように気をつけなきゃだめですよ。課長、そんなこと言うと社内になんかまずい人がいるみたいじゃないですか。いや、そういう意味ではなくて、ただ、この人、あまりに無防備に人に良くするもんだから、心配になっちゃってさあ。 彼女はあいまいに笑って首をかしげる。彼女はちゃんと相手を選んで親切にしているつもりだ。それに、無防備ではない。彼女が信頼する特定の数名以外と対面するときにはいつも浅く椅子に腰掛け、テーブルとの隙間がじゅうぶんにあることを確認している。すなわち、鈍器で殴られそうになっても逃げられる距離感を保っている。もちろん、それが具体的に起きると思っているわけではない。ただ、そうなる可能性はいつだってあるのだと、そのように感じている。彼女にとって他者

    苦労知らずと呼ばれる勝利 - 傘をひらいて、空を
    tigtig8
    tigtig8 2015/04/15
    “きっと、すてきなご両親に、うんと愛されて育ったのよね”私もよくこのように言われていて、そう思われたくて親切に朗らかに振舞う努力をずっとしていたのだけど、ある日いきなり自分が破綻してしまって驚いた
  • 働いているだけで背後から石を投げられる話 - 傘をひらいて、空を

    だからさあ槙野さんみたいな人は俺の嫁さんみたいな人に感謝してほしいわけよ。突然の大声に視線を向けるとすこし離れた席に私の嫌いな同僚がいて私の嫌いな笑いを笑っていた。この人と話をすると不愉快になると入社当初から思っていた。幸いなことにふだんの仕事で直接やりとりすることはごく少なく、あっても事務的なやりとりだけですむ。 私は情熱的に人を憎むことがあるが、それは戦うべき何らかの理由があるとき、あるいは嫉妬などがあるときだ。彼はその対象ではなく、ただいると不愉快なのでいないほうがいいと、そう感じている相手だった。そういう相手とは同じフロアに勤めていてもなぜだかあんまりすれ違わない気がする。そう言ったら昔、そりゃあ脳みそがよぶんなものを認識しなくていいようになにか処理しているんだ、と言われたことがある。私の脳にはそんなに便利な機能がついているのかなあと思った覚えがある。そんなだから今日も、その人がそ

    働いているだけで背後から石を投げられる話 - 傘をひらいて、空を
    tigtig8
    tigtig8 2015/02/18
    涙が出そう。こういう輩って、時短とか育休とってる女子社員にも一人前に働いてないって文句言うしね。自分は対して評価されていなくて不満な上に、不当に得してる人がいるように思えて腹立たしいのかね。
  • あまい真綿 - 傘をひらいて、空を

    彼は仕事でへとへとに疲れて、彼女に連絡すると言ったことを忘れる。起きると彼女からメッセージが入っている。昨夜どうしたの?具合でも悪い?彼は返信する。だいじょうぶ。ごめんね。だいじょうぶならよかったと彼女は送りかえす。そのようなことが何度か起きる。あなたってほんとにいいかげんねと彼女は笑う。彼も笑う。 彼の仕事は先が読めないので、彼の予定はよく変わる。彼は彼女にそれを告げる。ごめんねごめんねと彼は言う。仕事なんだからしかたがないでしょと彼女は言う。笑って言う。そのうち彼もそう思う。仕事なんだからしかたがない。それからやがて、しかたないとも思わなくなる。予定が立たないならはじめから伝えなければいいのだ。それは当たり前のことで、だから意識なんかしない。 予定がつぶれても彼女に会いたいので、時間ができた日に彼は彼女にたずねる。今日行ってもいい?彼女は承諾する。彼は喜ぶ。やがて喜ばなくなる。それは当

    あまい真綿 - 傘をひらいて、空を
    tigtig8
    tigtig8 2013/12/18
    途中までは、好意と思いやりから素直に受け入れてたんだろうなぁ。 割とよくある話だけど、決定的にダメになってしまうパターンな気がする。女の子の自尊心が低いと無理やり我慢するかもだけど、、
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