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ブックマーク / honz.jp (26)

  • 『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ

    死の貝:日住血吸虫症との闘い (新潮文庫 こ 28-2) 作者: 小林 照幸 出版社: 新潮社; 文庫版 発売日: 2024/4/24 小林照幸『死の貝 日住血吸虫症との闘い 』(新潮文庫)が注目されている。4月24日に上梓されて以来、現在4刷、累計2万6千冊のスマッシュヒットだ。26年前の1998年に出版されたが、なぜいまこんなに注目を浴びているのか。以前より小林照幸のを”激推し”してきた東えりかと、医学者・仲野徹が話を聞いた 仲野 『死の貝』は昔読んだ記憶があったけれど、文庫化されたのも20年以上時間が経ってからだし、こんなに注目されることってある?と不思議になりました。どうして突然文庫化されたんですか? 小林 それは新潮社さんからご説明頂きましょうか。 編集部 もともと新潮社の営業部と未来屋書店で、月に一回、情報交換の定例会議をしています。そのなかで女性書店員さんが「そういえ

    『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く - HONZ
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2024/07/01
    紹介されている書籍も含め、読みたい。/しかし、wikipedia三大文学って、ぜんぶノンフィクションだろうに。文学といっていいのかな?
  • 『宗教の起源──私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』 ダンバー数、エンドルフィン、共同体の結束 - HONZ

    ロビン・ダンバーは、彼が提唱した「ダンバー数」とともに、その名が広く知られている研究者である。ダンバー数とは、ヒトが安定的に社会的関係を築ける人数のことであり、具体的には約150と見積もられている。ダンバーは、霊長類各種の脳の大きさ(とくに新皮質の大きさ)と集団サイズの間に相関関係があることを見てとり、ヒトの平均的な集団サイズとしてその数をはじき出したのであった。 さて、そんなダンバーが書で新たな課題として取り組むのが、「宗教の起源」である。人類史において、宗教はどのようにして生まれ、どのように拡大を遂げていったのか。宗教に関する広範な知識に加えて、専門の人類学や心理学の知見も駆使しながら、ダンバーはその大きな謎に迫っていく。 ダンバーも言及しているように、現生人類の歴史のなかで、宗教は個人や社会に対していくつかの利益をもたらしてきたと考えられる。その代表的なものを5つ挙げるとすれば、(

    『宗教の起源──私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』 ダンバー数、エンドルフィン、共同体の結束 - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2023/10/26
    ロビン・ダンバーは「科学が嫌われる理由」もおすすめだよ。
  • 『女性のいない世界』 消えた1億6300万人 - HONZ

    この数字は、100人の女子に対してどれだけの男子が生まれるかを表した出生性比と呼ばれる数値である。この数字が何を意味するかは、自然な状態での出生性比105と比べる必要がある。上記の中国の出生性比113と自然な出生性比の差はたった8であり、大きな問題ではないと思えるかもしれない。しかし、この比の差を具体的な人数に置き換えると問題の大きさが見えてくる。 書で紹介されているパリ人口開発研究所のクリストフ・ギルモトによる2005年の研究によると、もしこの過去数十年間自然な性比が維持されていたとしたら、アジア大陸だけでもあと1億6300万人の女性がいた計算になる。つまり、現在のアジアには自然な状態と比べて、日の総人口よりも多い数の女性が不足しているということだ。 書は1992年にギルモトが人口統計学の短期調査プロジェクトでインドを訪ねるところから始まる。現地の孤児を引き取る養護施設で働くフラン

    『女性のいない世界』 消えた1億6300万人 - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2023/02/25
    選択的女児中絶の結果、女性はますます性資源・再生産資源としてマーケットに載せられることになるという予測。ジェンダー平等などのジェンダーイデオロギーはこの予測された世界に都合のよいイデオロギーとなろう。
  • 友好的なのが何より大事 『ヒトは〈家畜化〉して進化した──私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』 - HONZ

    ヒトの進化において「協力的なコミュニケーション」が大きな鍵を握ったであろうことは、たびたび指摘されるところである。人がひとりでできることは限られている。単独で野生動物を狩ろうとしても、得られるのはせいぜいウサギくらいだろう。しかし、ほかの人と協力すれば、わたしたちはシカだって野牛だって狩ることができる。また、ほかの人と情報交換すれば、わたしたちは新たな技術などについて伝えあうことができる。というように、その進化史において、協力的なコミュニケーションはヒトに多大なメリットをもたらしたと考えられる。 しかしそれならば、次のような問いがさらに生じても不思議ではないだろう。ヒトはどうやって協力的なコミュニケーションを行うことができるようになったのか。 書は、その問いに対してひとつの回答を与えようとするものである。そして、書が導き出す回答は、原書のタイトル(Survival of the Fri

    友好的なのが何より大事 『ヒトは〈家畜化〉して進化した──私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか』 - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2022/06/27
    この「人類自己家畜化論」は結構以前からあるし説得力のある議論だと思う。/「他の奴らは家畜化されているが、この俺だけは違う!」という思い込みが中二病の本質なのではないかと思っている。ソースは過去の俺。
  • 『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』世界はくだらない仕事にあふれてる - HONZ

    待ちに待った邦訳がようやく出た。 デヴィッド・グレーバーの『ブルシット・ジョブ』である。 「ブルシット・ジョブ」とは、「クソどうでもいい仕事」のことだ。 もう少し丁寧に説明すると、「なんのためにあるのかわからない、なくなっても誰も困らない仕事」のことである。 近年、私たちの身の回りでブルシット・ジョブが増えている。 そして、確実にこの手の仕事は、働く人々の心身を蝕んでいる。 多くの人がこのことにうっすら気づいていたようで、2013年に著者があるウェブマガジンで「ブルシット・ジョブ現象について」という小論を発表したところ、国際的な反響を呼んだ。書はこの小論をベースに、その後の調査や考察を加えて一冊にまとめたものだ。コロナ禍でエッセンシャル・ワーカーに注目が集まる中、時宜にかなった出版といえる。まさにいま読むべき旬の一冊だ。 著者のデヴィッド・グレーバーは、イギリスの名門大学、ロンドンスクー

    『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』世界はくだらない仕事にあふれてる - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2020/08/26
    良い詩が引用されているのでブクマ。
  • 『<効果的な利他主義>宣言!──慈善活動への科学的アプローチ』 どうせよいことをするなら、最高によいことをしよう - HONZ

    『<効果的な利他主義>宣言!──慈善活動への科学的アプローチ』 どうせよいことをするなら、最高によいことをしよう 近年、欧米の若い人たちの間で、とりわけミレニアル世代の抜群に頭のいい人たちの間で、寄付と慈善活動に関するひとつの運動が盛り上がりをみせている。運動の象徴ともいえるピーター・シンガーだけでなく、スティーブン・ピンカーなどの著名な論者も支持の声を上げているので、あなたもその運動について耳にしたことがあるかもしれない。それは、「効果的な利他主義(effective altruism)」という運動である。 効果的な利他主義は「利他主義」である。だからそれは、他者の助けとなる行動を奨励する。でもそれは、寄付や慈善活動を無条件に奨励するのではない。効果的な利他主義は、それらが「効果的」であることを要求する。つまり、ただ単に寄付や慈善活動を行うのではなく、できるだけ多くの利益につながるように

    『<効果的な利他主義>宣言!──慈善活動への科学的アプローチ』 どうせよいことをするなら、最高によいことをしよう - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2018/11/06
    功利主義哲学者のピーター・シンガー絡みか、なるほど。
  • 【連載】『全国マン・チン分布考』第1回:京都の若い女性からの切実な願い - HONZ

    京都の若い女性からの切実な願い 1995年5月初旬のことです。ユニークな内容が書かれた一通の手書きの依頼文が、『探偵!ナイトスクープ』に寄せられました。そのころはまだパソコンが普及していませんでしたから、依頼は必ず、はがきか手紙で寄せられました。 手紙をくれたのは、京都市内に住む24歳の女子学生でした。地元京都で学生になる前に、東京で働いていた時期があったようです。この依頼はまさにこののテーマ、なんと「女陰」の名称の全国方言分布図を作成してほしいと求める内容だったのです。こんなお願いが、若い女性から、しかも大真面目な文章で寄せられてくるとは、夢にも思っていませんでした。 私たちに依頼文が届いたのは、1991年5月24日に「全国アホ・バカ分布図の完成」編を放送してから、ちょうど4年が経ったころでした。この放送をきっかけに、私が「アホ・バカ方言」の研究を仕事の合間に始め、『全国アホ・バカ分布

    【連載】『全国マン・チン分布考』第1回:京都の若い女性からの切実な願い - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2018/09/13
    「力道山怒りの空手チョップ! ボボ・ブラジル流血、ボボ・ブラジル流血ゥ! ボボ、血を流しております!」
  • 『歴史は実験できるのか 自然実験が解き明かす人類史』 比べることで歴史の”なぜ”に答えを出す - HONZ

    歴史に“もし”はない。もし奴隷制がなければアフリカはもっと経済発展を遂げただろうか、もしイギリス統治がなければインドの識字率はもっと高くなっていただろうか、もしフランスではなくスペインに支配されていればハイチはドミニカよりも豊かになっていただろうか。想像力豊かに刺激的な虚構のストーリーを作り上げることはできても、時計の針を巻き戻し、ありえたかもしれない結末を知ることはできない。物理学者が気温などのあらゆる環境をコントロールしながら特定の条件だけを少しずつ変化させて行う実験のように、歴史を繰り返すことはできないのだから。 歴史だけでなく進化生物学や地史学のように過去を扱う分野では、因果関係を明らかにするための最も強力な手法である実験を、用いることができないのだろうか。そうではないと書の編著者であるジャレド・ダイアモンドとジェイムズ・A・ロビンソンは説く。歴史関連の学問においては、自然実験と

    『歴史は実験できるのか 自然実験が解き明かす人類史』 比べることで歴史の”なぜ”に答えを出す - HONZ
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2018/06/14
    「自然実験」ならば経済学というイメージ。例えば「経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策」という書籍は自然実験のオンパレードです。
  • 『反ワクチン運動の真実 死に至る選択』 - HONZ

    書『反ワクチン運動の真実』は『代替療法の光と影』に続き、地人書館から出版されるポール・オフィットの2冊目の著書となる。 ポール・オフィットは1951年生まれ、感染症、ワクチン、免疫学、ウイルス学を専門とする小児科医である。ロタワクチンの共同開発者の一人であり、米国屈指の名門小児科病院であるフィラデルフィア小児科病院で長らく感染症部長を務めた後、現在はペンシルバニア大学医学大学院の小児科教授として教鞭をとるほか、フィラデルフィア小児科病院ワクチン教育部長も務めている。 1999年に『予防接種は安全か――両親が知っておきたいワクチンの話』日評論社(2002)と抗生物質の使い過ぎをやめようと呼びかける親向けのを出版、その後、書にも登場するポリオワクチンでポリオに感染した子供が出たカッター事件を扱った、『カッター事件』(未訳)を2005年に執筆出版したのを機に、2017年に出版された『パン

    『反ワクチン運動の真実 死に至る選択』 - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2018/05/14
    「反科学というよりも反政府社会運動」むー・・・。科学と体制の問題を考えると、反科学運動は反体制運動の一種とはいえるか。反権威主義運動でもあるしね。で、ジェンダーと絡んだりする。
  • 遺伝子の差はどれだけの不平等を産んでいるのか『ゲノムで社会の謎を解く――教育・所得格差から人種問題、国家の盛衰まで』 - HONZ

    遺伝子の差はどれだけの不平等を産んでいるのか『ゲノムで社会の謎を解く――教育・所得格差から人種問題、国家の盛衰まで』 双子研究を筆頭に、遺伝子が我々の身体的特徴だけではなくIQや統合失調症などの病気といった数々の要因に深く関連していることがわかってきている。が、そうであるならば遺伝子についての知見を深めることによって政策レベルで活かす──介入したほうがいい人間には介入し、そうでない人間には介入しない──というような形の、オーダーメイド政策はありえるのか。 たとえば、受け継がれた遺伝子的な差異こそが社会的不平等の第一の駆動力なのだろうか。現在の機会均等は主に”勉強ができること”によってもたらされているが、そもそもその能力に生来から違いがあるのだとしたらそれはどれ程の不平等につながっているのか。もしそれが明らかになれば、より適切な平等へ向けて歩み出すことができるかもしれない。これは見方によって

    遺伝子の差はどれだけの不平等を産んでいるのか『ゲノムで社会の謎を解く――教育・所得格差から人種問題、国家の盛衰まで』 - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2018/03/27
    純粋な能力差別主義の社会というのは、実は性差別や民族差別などの「能力以外の」あらゆる差別が撤廃された社会のことでね。人間社会はそのレベルにはまったく達していない。
  • 『鳥! 驚異の知能 道具をつくり、心を読み、確率を理解する』 鳥を知れば人間の本質が見えてくる - HONZ

    21世紀の今、人類は世界のあらゆる場所にまで生息範囲を広げ、多くの生物を絶滅に追いやり、地球環境そのものを変えるほどの力を持つにいたった。どのような能力が、人類をこれほど繁栄させたのか。持続的な二足直立歩行も人類の特徴ではあるが、何よりその知能が私たちを特別な存在としたことは間違いない。意図的な核融合、宇宙への旅行、地球の裏側との瞬時のコミュニケーションを可能にするのは、人類の叡智だけだ。 あまりに多くのものを手にしたために、私たちはこの知能を人類にのみ与えられた特権だと勘違いしがちである。特に鳥は昔から愚かな生き物だと考えられてきたという。英語では落ち着きのない人を「鳥頭」(bird brain)と呼ぶ表現もある。確かに、ただ何気なく眺めているだけでは街にいるカラスやスズメから、知性を感じることは難しい。しかし、気の遠くなるようなフィールドワークによって得られた事実を裏付けとして、よりつ

    『鳥! 驚異の知能 道具をつくり、心を読み、確率を理解する』 鳥を知れば人間の本質が見えてくる - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2018/03/27
    そもそもIQテストが都市生活者の商工業などに適応する能力を測るものでしかないという話もあるしのう。グールドの「人間の測りまちがい」の論点の敷衍は当然にこうなるだろう。
  • 『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か - HONZ

    書、表紙が素敵なのだ。 裸の成人女性からうまい具合に乳首を隠したイラスト、線画の描写ゆえ生々しさはなく90年代に流行ったオシャレ系マンガの表紙のようである。 とは言えハダカはハダカ、サラリーマンばかりの通勤電車で読むのは平気だった私もさすがに目の前に小学生男子が立っている中では書の続きを読むのをためらった。 こんな風に感じるのは何も私だけではないだろう。そもそもたとえ乳首が隠されていたとしても裸の成人女性が描かれた表紙を人前で出すこと自体やりたくないという人も多いはずだ。(うん、屋さんでカバーかけて貰えるのってとっても大事かも)。 この「通勤電車ならいいや」と「でも小学生男子には刺激が…」の線引きをしている私の気持ちは一体どこから生じているのだろうか。 えっちなのは、いけません! 我々(少なくとも私は)はそう刷り込まれている。だから、公共の場でえっちなイラストの表紙のを出すのがため

    『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2017/09/13
    ここで紹介されてる理路はパターナリズムだよね。他の要因もあると思う。例えば、公私二元論によるエロの私的領域への封じ込めとか、ロマンティック・ラブ・イデオロギーによる性愛の聖化とかいろいろ。
  • 『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』 - HONZ

    ニワトリ無くして、人類無し! もし世界からニワトリが消えたなら? きっと各地でパニックが起きるに違いない。鶏肉は牛肉・豚肉などと比べて国際的な生産・消費量が急増しており、とりわけ新興国・途上国での需要がぐんと伸びている。安価で栄養価の高い肉や卵は、多くの庶民の健康を陰で支えてきた。 その膨大な加工品も含めて、人類にとってますます不可欠な材となり、成長する巨大都市のエネルギー源にもなっている。 もし私たちが他の惑星へ移住する時がきたならば、最も重要なタンパク源としてニワトリをまず同行させるだろう。実際、NASAはニワトリが惑星間旅行に耐えられるかどうかの実験をしており、可能と結論づけている。 材だけではない。インフルエンザの世界的流行をい止めるのにも、ニワトリは重要な役割を担っている。インフルエンザワクチンを作る入れ物として、卵が使われているのだ。 「宇宙船よりも複雑な構造」を持つ卵

    『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』 - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2016/11/18
    牛や豚と比べてエネルギー効率がだいぶいいんだよね。鶏皮とっちゃえば飽和脂肪酸も少ないから健康にもいい。環境指向にも健康志向にもよくあっているんだよなあ。
  • 『非モテの品格 男にとって弱さとは何か』ルサンチマンを超えた先にあるもの - HONZ

    タイトルを見て思わず手に取った。面白そうだと思ったのではない。憤慨したのだ。 はっきり言って私はモテない。メディアに出れば、ネットの掲示板には「ブス」という心無い言葉が流れる。だから、モテないことには一家言もっている。 だが、このタイトルには全く同調できなかった。 男はたとえ生まれ持った容姿に恵まれなくとも、筋肉をつけ、身なりに気を使い、学歴や財力、権力、そして小粋なトークでもできれば、間違いなくモテるようになれるだろう。これら全ては後天的な努力で手にすることができるものばかりだ。努力が足りないだけなのに「弱さ」とは一体何事かと憤りながらページをめくった私は、後頭部を殴られるような衝撃を受けた。 「ふと、自殺した友人や知人たちの顔を、今でも思い出すことがある。」という書き出しから始まる冒頭には、社会の期待するマッチョな男性像に絡め取られ、声を上げることもできないまま死を選んでしまう男性たち

    『非モテの品格 男にとって弱さとは何か』ルサンチマンを超えた先にあるもの - HONZ
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2016/11/07
    「筋肉をつけ、身なりに気を使い、学歴や財力、権力、そして小粋なトークでもできれば」という♂への視線と、男をたてて従順であればという♀への視線は対称的なものだろうねえw
  • 『本当はひどかった昔の日本 古典文学で知るしたたかな日本人 』文庫解説 by 清水 義範 - HONZ

    私は、大塚ひかりさんには恩を受けている。大塚さんの仕事の中に、ひとりで全訳をした『源氏物語』(ちくま文庫)があるのだが、そののおかげで私は初めて『源氏物語』の全巻を読み通すことができたのだ。 それより前には、いろんな作家の現代語訳で挑戦したのに、ついにすべてを読み通すことができなかった。谷崎潤一郎訳では、全10巻のうち第1巻(「若紫」まで)しか読めなかったし、その後、円地文子訳でも、瀬戸内寂聴訳でも読もうとしたのだが、半分くらいまでで挫折してしまっていたのだ。『源氏物語』を通読するのは私には無理なのかと思ったくらいだ。 ところが、年を取って図々しくなっている私は、よくわかっているような顔をして『源氏物語』について、解説するようにしゃべったりしていた。あの物語の中のヒロインたち何人かを題材にして大いにパロディ化してみた『読み違え源氏物語』(文藝春秋)という短編集まで出しているのである。ある

    『本当はひどかった昔の日本 古典文学で知るしたたかな日本人 』文庫解説 by 清水 義範 - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2016/09/01
    「本当【は】ひどかった昔の日本」というより「本当【に】ひどかった昔の日本」だろうねw 昔はよかったファンタジーは老人の公開オナニー。
  • 『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』解説 by 岸 由二 - HONZ

    現代生態学の核心的なテーマを扱う不思議なが登場した、というと、意外に思われるかもしれない。扱われているのは、自然回復論。外来種をどう理解し、評価するか、未来の自然保護をどのようなビジョンで考えるか、そんな話題ではないか。そのどこが現代生態学の基礎テーマにからんでいるというのだろう。 現代生態学の基礎テーマというと、まっさきに、ドーキンスの利己的遺伝子論や、やたらに複雑な数理生態学のことを連想する読者がいるかもしれない。それはそれで、正しいのだが、自然回復、自然保護などを扱う生態学のいわば道における基礎テーマは、すこし焦点が違う。きわめて重要な領域なのだが、とくに日の生態学の領域ではなかなか話題にするのも難しく、わかりやすい専門書もほとんどないのが実情だ。そんな、わかりにくい世界について、「外来種をどう評価するか」という現代保全生態学

    『外来種は本当に悪者か? 新しい野生 THE NEW WILD』解説 by 岸 由二 - HONZ
  • 『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』悲劇への道は、共感の心で敷き詰められている - HONZ

    SNSに功罪はあれど、「共感をベースにした評判社会」という言葉には何か否定できないものがある。他人の喜びや悲しみといった感情に寄り添うことができ、周囲からどのように思われているか可視化される状態であれば、さぞかし理想的な社会になるはずだ。 しかし、実態はどうだろうか。人々のつながりは誹謗中傷や負の感情を運ぶ時の方が勢いが強く、よりスキャンダラスな方向へと向かっているような印象も受ける。ならば、世の中は「共感をベースにした評判社会」とは違う方向へ進んでいるのだろうか? 書はこのような疑問に対して、明快に回答する。むしろ、これは共感をベースにしているからこその動きであると説くのだ。驚くのはそのメカニズムを、1942年と1950年に起きた2つの冤罪事件(浜松事件と二俣事件)、そして1759年に出版されたアダム・スミスの『道徳感情論』という2種類の要素から解き明かしていることだ。 なぜ、SNS

    『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』悲劇への道は、共感の心で敷き詰められている - HONZ
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2016/06/03
    id:REV 「裁判以外では結果責任が問われ」てしまうので隠蔽などが起こり、結果的に間違いを起こすシステムがただされない、という話もある。道徳感情に反するようだが、責任を問わないシステムのほうがいいかも?
  • 『呼び覚まされる霊性の震災学 3・11 生と死のはざまで』震災地に幽霊…? - HONZ

    東日大震災から5年。この「5年」というのは一つの区切りの意味を持つようで、関連図書の出版が相次いでいる。その中でも注目のが東北学院大学、金菱清ゼミナールが行った「震災の記録プロジェクト」をまとめた書である。このゼミの学生と指導教官である金菱清が、被災地における問題が生存(survive)から、生活(life)にシフトしようとしている2013年から始めたものだ。 この5年間、被災地では何が行われ今に続いているのか。政府やマスコミ、インターネットでの情報しか知らない人たちは、この事実に驚かされるだろう。 石巻市や気仙沼市で多く見られるという幽霊現象。実際にタクシーに乗せたという経験を持つドライバーに直接インタビューを行った。彼らは乗車させただけでなく、会話もしている。初夏に厚いコートを着て乗り込み、いつの間にか消えてしまう。乗車記録が残り未収金となる。若い人が多いのも特徴のようだ。ドライ

    『呼び覚まされる霊性の震災学 3・11 生と死のはざまで』震災地に幽霊…? - HONZ
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2016/03/06
    こうした「幽霊」は体験者の主観的事実であることにとどまらず、デュルケムのいう社会的事実であるともいえるのではないか? 紹介記事では「祟る」存在ではなく「赦す」存在として現れているのも興味深い。
  • 『人類と家畜の世界史』 - HONZ

    ブライアン・フェイガンが人類と動物の関係史を書いたというので、私は興味津々で書の原書となるThe Intimate Bond──How Animals Shaped Human Historyのページをめくってみた。ところが、人類の歴史を変えた動物として彼が選んだ8種類のリスト、犬、ヤギ、羊、豚、牛、ロバ、馬、ラクダを見て、はたと考え込んでしまった。牛馬と犬、それに豚はともかく、ヤギに羊にロバ……。ラクダにいたっては実際に見たこともない。これでは、「人類の歴史なのに、日のことが一つも書かれていない」という、読者からの批判が聞こえてきそうな気がした。 日人にとって歴史的に身近な動物はなんだろうか。シカにイノシシ、クマ、サル、キツネ、タヌキ、カモシカ、キジあたりだろうか。いずれも野生動物で、狩りの獲物であっただけでなく、信仰の対象であったりもする。いまでは日人も、豚肉、鶏肉、牛肉、乳製

    『人類と家畜の世界史』 - HONZ
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    tikani_nemuru_M 2016/01/21
    猫がいにゃー。ニンゲンを奴隷化に成功した猫がいにゃー。・・・まあ、猫は家畜じゃにゃーから仕方にゃーかも・・・
  • 『エロ本黄金時代』Wikipediaではわからない歴史がある - HONZ

    表紙とタイトルから想像できないが、文体も内容も驚くほど硬派だ。エロを論じているのに全くエロくない。確かに小中学校のPTA会長のお母様が白目をむくような内容も含まれるが、XVIDEOSで毎日が絢爛豪華のエロのフルコース状態の21世紀の男女には時代を切り取った、ひとつの産業ノンフィクションとして楽しめるはずだ。 エロが存亡の危機に立たされて久しい。書を読んで驚いたが、『べっぴん』、『すっぴん』、『デラべっぴん』、『ビデオボーイ』の英知出版の四誌合計で毎月100万部以上発行していた。『投稿写真』は30万部、『ザ・ベストマガジン』はピーク時には100万部に迫ったとも言われる。出版不況とはいえ、かつて僕らを猿にさせたエロは部数減に歯止めがかからず、いずれも廃刊に追いこまれている。 90年代中頃には、書の言葉を借りれば「パソコンのモニターを見ながらオナニーできるわけがない」と業界関係者は楽観

    『エロ本黄金時代』Wikipediaではわからない歴史がある - HONZ