4月7日、中央アジアにある旧ソ連の共和国キルギスで、数百人の死傷者を出す政変が起きた。反政府勢力が暴動を起こし、警官隊と衝突。野党支持者が政府省庁や国営テレビ局を占拠し、「臨時政府」を打ち立てたのだ。 石油・天然ガスなどの資源があるわけでもなく、人口は550万人程度。そんな小国で政変が起きても、あまり世界の注目を浴びるはずはない。だが、キルギスは特別だ。 キルギスは、米国、ロシア、中国の3カ国の思惑が交差する、地政学的に極めて重要な国である。キルギスがこれからどう変わっていくのかは、見過ごせない問題だ。 中央アジアでロシアに最も身近な存在 ソ連崩壊後、ロシアは国境周辺で急速に足場を失いつつあった。EU諸国、独立を宣言したバルト3国は言うまでもなく、伝統的にロシアとの結びつきが強かったウクライナ、モルドバ、ベラルーシなどとも緊密な関係の維持は難しかった。 一方、中央アジアではロシアの求心力が
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