東海大海洋学部(静岡市清水区)は7日、陸上の水槽で養殖したクロマグロを公開した。海での養殖と異なり、水槽は自然の影響が少なく安定した養殖が可能で、排せつ物や餌による海水汚染を防ぐこともできる。漁獲規制が進む中、実用化が期待され、同大の秋山信彦教授は「将来は水槽内でふ化させて完全養殖を実現し、海を知らないマグロをつくりたい」と話している。 秋山教授らは大学内に直径5メートル、水深1メートルの水槽を四つ設置。2008年9月に水槽に入れた稚魚は、体長76.5センチ、約11キログラムまで成長した。養殖には、年間を通じて水温が一定で、病原菌が発生しにくい地下海水を使った。 クロマグロは狭い水槽で飼育すると、壁にぶつかって死ぬことがあるが、秋山教授らは壁面にマグロが嫌がる気泡を発生させ衝突を回避。水流の速さを調整することで、脂質の量も調整できるという。 【関連ニュース】 ・ 【特集】築地発「