アルピーヌは7月11日、英国で開幕する「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2024」に、水素エンジン搭載の次世代スポーツカーのプロトタイプ『アルペングローHy4』(Alpine Alpenglow Hy4)を出展する。 同車は、2022年のパリモーターショー2022で発表されたアルピーヌのコンセプトカー『アルペングロー』の進化バージョン。アルペングローHy4の名前は、水素の「Hy」と4気筒の「4」を組み合わせたものだ。 水素を動力源とするアルピーヌ・アルペングローHy4プロトタイプは、未来のハイパーカーを彷彿とさせるデザインをさらに洗練させた。コックピットは2シーターとなり、レーシングステアリングホイールやスピード感を喚起する新しいホイールなど、パフォーマンスの代名詞ともいえる装備が採用されている。また、そのデザインには、ブランドの将来のスタイリスティックな進化のヒントが隠されて
2024年5月21日、イードはオンラインで「池田直渡の着眼大局セミナー」を開催した。第3回は、川崎重工の水素戦略本部から加藤美政課長と技術開発本部エネルギーシステム研究部の田中一雄部長が講師として登壇。「川崎重工の水素サプライチェーン構築とCO₂分離回収技術」と題し、同社の取り組みについて講演が行われた。その内容をダイジェストでお届けする。 なぜ水素・液化水素に注目したのか水素は利用時にCO₂を出さないため、産業活動やモビリティの脱炭素化に幅広く貢献することが期待されている。無色・無臭・無毒な気体で様々な資源から作ることができるとともに、貯めて運べるメリットもある。 ・日本のエネルギー課題 2050年のカーボンニュートラル実現に向け、CO₂を排出しないエネルギーの確保が急務となっている。太陽光や風力などは気象条件に左右されるため、安定的な供給は期待できない。「様々な場所で作れて、貯めて運べ
英国のグリーンリチウムは6月4日、フランス最大の電力会社のEDFの「ティーズグリーン水素プロジェクト」に参画すると発表した。このプロジェクトでは、英国の大規模リチウム精製所に水素を供給する。 現在、世界のリチウムの大部分は中国で精製されている。英国とEUは精製されたリチウム化学物質の輸入に依存しており、供給の安全性、価格、量に不確実性が生じている。このため、英国政府は2022年にリチウムを重要鉱物戦略の一部に指定し、2023年にはその戦略を刷新した。 リチウム精製プロセスの改善は、欧州のバッテリーやEVのサプライチェーンの脱炭素化に大きな機会を提供する。水素を原料ガスとして利用することが、この脱炭素化の可能性を引き出す鍵となる。現在の精製業者は石炭や天然ガスなどの化石燃料を使用しており、大量の二酸化炭素を排出している。
トヨタ自動車の北米部門は5月1日、カリフォルニアの研究開発オフィスを、「北米水素本部(H2HQ)」に改称すると発表した。 新しいH2HQでは、研究開発から商品化計画、水素関連製品の販売までを担うチームのためにオフィス環境が整備された。将来的には、柔軟なマイクログリッドや持続可能な顧客教育センターなど、H2HQキャンパスに重要な機能を追加する計画だ。 2023年、トヨタ自動車は日本における水素事業を再編し、「水素ファクトリー」と呼ばれる組織を作り、水素関連作業を一箇所に集約し、燃料電池や水素関連製品の顧客指向の製品開発と生産を加速させた。その後、トヨタ自動車ヨーロッパも水素ファクトリーを発表し、トヨタの水素事業をさらに成長させ、ヨーロッパ全域に水素エコシステムとインフラの展開を促進することを目指している。
トヨタ自動車が2022年11月に発売した『クラウンセダン』。このモデルは「クロスオーバー」などクラウンシリーズの他のモデルと毛色が異なる。 車格は一クラス上のEセグメントフルサイズ。クルマの成り立ちも他がエンジン横置きの前輪駆動(FWD)ベースとなったのに対して伝統的な後輪駆動(RWD)ベースを継承している。そして来年で70年となるクラウン史上初めて内燃機関を持たないピュア電動車が用意された。 ◆クラウン初のピュア電動車はFCEV クラウン初のピュア電動車はバッテリー式電気自動車(BEV)ではなく、世界的にみてもまだまだマイノリティの燃料電池車(FCEV)。なぜクラウンセダンのフル電動パワートレインにFCEVを選んだのか。チーフエンジニアの清水竜太郎氏は3月に都内で開催されたトヨタの水素エネルギーイベントで次のように語った。 「FCEVをより多くの方々にお買い求めいただきたいという思いがあ
独ボッシュは4月19日、2023年度の業績を発表し、その中で、成長分野である水素技術に関する事業見通しを再確認した。同社は2030年までに水素技術による売上高が50億ユーロに達する可能性があるとしている。 2023年、ボッシュはドイツのシュトゥットガルトと中国のチョンチンで燃料電池システムの生産を開始。中国市場を主要ターゲットとし、欧州や北米では2030年までで大きな成長は見込んでいない。 水素燃焼エンジンについては、クライメートニュートラルな商用車輸送への最短の道と位置づけ、市場規模が2030年には約10億ユーロに達すると予想されている。ボッシュの噴射技術を採用した水素燃焼エンジンは、早ければ今年中にインドで導入される見込みで、世界の3大経済圏のトラックメーカーから5件の受注を獲得している。
GMは3月5日、水素燃料電池トラックによる新たなテストを米国で開始すると発表した。 GMは、電動化の一環として、ゼロ排出を目指す車両やアプリケーションの範囲を拡大している。リチウムイオンバッテリーや水素燃料電池を用い、これらのソリューションを他社のビジネス運営に統合する支援を行っている。 最新のプロジェクトは、中型燃料電池トラックを中心とした水素ベースのシステムだ。エネルギー省のスーパートラック3プログラムと水素燃料電池技術オフィスから資金を得て、フリートや商業顧客向けの燃料電池の実生活での応用を示すパイロットプログラムを主導している。 2024年型シボレー『シルバラード5500 MD』のフレームを基にしたこれらのフィールド評価トラックは、HYDROTEC燃料電池システムで動力を供給する。プロトタイプトラックは、300マイル以上の航続と19500ポンドの車両重量を持つ。トラックは800Vア
ダイムラートラックは、液体水素の新しい補給技術「sLH2」を、リンデエンジニアリングと共同開発した、と発表した(2月7日)。 この技術は、従来のガス状水素に比べて、より高い貯蔵密度、長距離走行、迅速な給油、低コスト、優れたエネルギー効率を実現する。両社は、水素動力トラック用の共通給油基準としてsLH2を確立し、ISO規格を通じてすべての関心を持つ者に技術を公開することを目指している。 sLH2は、従来の液体またはガス状水素補給コンセプトと比較して、シンプルでありながら性能を向上させる。新しい水素補給ステーションは、1時間あたり400キログラムの液体水素を供給する能力を持つ。また、水素ステーションの投資コストは2から3分の1に、運用コストは5から6倍低くなる。今日、液体水素はヨーロッパ全域で信頼性を持って供給されている。
欧州委員会による、e-FUEL(イーフューエル)の使用を前提に「35年以降も内燃機関の販売を容認する」という2023年3月の発表、次いで、各国の自動車工業会の連名で発信されたマルチパスウェイの必要性を記したリリースを受け、より一層の注目を集めるカーボンニュートラル燃料(CNF)。本シリーズは4回に渡って、そのCNFについて解説していく。 第1回では化石燃料ができるまでとわれわれが取り組むべきことを記した。第2回では水素を取り上げる。 本当は最も商業化が進んでいるバイオエタノールから話を始めたいのだが、アルコールの話をするならメタノールの話を飛ばすわけにも行かず、メタノールの話をするには、水素生成の話が必要になるので、まだ課題の多い水素の話から始めたい。水素の問題がわかると他の話がわかりやすくなるからだ。 水素と作り方の種類水素には、グレー、ブルー、グリーンの3種類がある。化学的には全く同じ
ボッシュは今年1月、米国ラスベガスで開催されたCES 2024に出展。気候中立を目指しながら世界のエネルギー需要を満たすカギは水素であるとし、今後は水素バリューチェーンに沿ったソリューションを展開していく考えを示した。 ◆急速に高まりつつある水素燃料の活用背景にあるのが、EV熱が一巡した今、世界的な水素燃料を活用する動きが急速に高まっていること。特に米国においては、国内水素製造に対して最大3ドル/kgの税額控除が受けられるインフラ法及びIRAが制定され、その予算規模は5年間で95億ドル(1兆4000億円)にものぼる(経済産業省 2023年12月発行資料)。こうした支援制度を受け、ボッシュもかねてより開発していた水素燃料の活用を加速していく考えを示したのだ。 その柱となるのがモビリティ用途の燃料電池で、最近になってドイツのシュトゥットガルトでその量産を開始したという。これは、大型車両のパワー
ヒョンデ(現代自動車)は12月21日、米国ラスベガスで2024年1月に開催されるCES 2024において、次世代の水素エネルギーシステムを初公開すると発表した。 ヒョンデは、水素を動力源とし、ソフトウェア主導の変革が人類にどのような普遍的利益をもたらすかを発表する。また、次世代の水素エネルギーシステムは、燃料電池車などのモビリティへの搭載にとどまらず、人々の日常生活の快適性を引き上げるという。 ヒョンデは水素社会への移行を加速させるために、グループ会社の能力を結集する。また、クリーンな水素バリューチェーンを効果的に確立するために、モジュラー式の水素ツールボックスも発表する予定だ。 すでにヒョンデは、燃料電池車の『ネッソ』を日本市場にも導入している。水素と大気中の酸素で電気を生成し、モーターで走行する。3段階の空気浄化システムを搭載した。約5分の水素充填で、約820kmの航続を可能にしている
川崎重工業は、大型商用車ベースの燃料電池自動車(FCHDV)向けに大流量で水素充填が可能な水素ステーションを実現するための技術を開発する。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業/水素ステーションの低コスト化・高度化に係る技術開発」に、川崎重工が提案した大容量高圧ガスブースター式水素圧縮機の技術開発が採択されたもの。 積載量や航続距離の問題からバッテリーEV化が困難な大型商用車は、脱炭素化に向けてFCHDVが有望視されている。ただ、FCHDVには大流量での水素充填が可能な大規模ステーションが必要。これを実現するには、水素ステーションを構成する機器・装置の大容量化、コストダウン、安定稼働が課題で、ステーションの性能を決める重要な装置として水素圧縮機がある。
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