「燃料電池車(FCV)の水素を充填(じゅうてん)するために横浜市内から羽田空港の近くに行かなければいけない。FCVへの充填は3分なのに、羽田空港への往復で1時間かかった」 9日に開かれた横浜市議会本会議で、草間剛市議(自民)が水素エネルギーに関する質問をしている中で飛び出したエピソードだ。議場では笑いが起こったが、全く笑い事ではない。 市内には、現時点で水素を充填できる拠点がない。JX日鉱日石エネルギーが旭、泉の両区内の2カ所で商用の水素ステーション建設を進めているものの、完成時期は「今年度中を目指す」(JX)以上のことは明らかになっていない。 林文子市長はエネルギー政策をより具体的に進めるためのアクションプランを今年度中に策定する方針を示し、その中で水素活用の普及拡大に向けた取り組みを積極的に進めると答弁した。 だが、一般的に水素ステーション設置には1基当たり4億~6億円かかり、完成まで
香川県とJR四国(高松市)は17日、香川県の観光発展で連携するパートナーシップ協定を締結した。県庁での締結式の席上、JR四国の泉雅文社長は浜田恵造知事に、東京発高松行き寝台特急「サンライズ瀬戸」を9~11月の間、琴平の観光振興を図るために琴平駅まで延長運転することで最終的な詰めを行っていることを報告した。 「サンライズ瀬戸」は、島根県・出雲市駅行き「サンライズ出雲」と併結して東京を夜に出発し、岡山で2方向に分かれて翌朝に高松に着く。個室が主体の2階建ての電車型。ビジネス客中心の「サンライズ瀬戸」に対して、「サンライズ出雲」はここ数年、女性客の人気を集めている。 「サンライズ瀬戸」の琴平までの延長運転については県もJR四国に検討を要望し、同社も今年に入ってからJR東日本、東海、西日本の各社と協議・検討を重ねてきた。泉社長は「365日というのは難しい。秋の休日前日出発で延長運転はできそうで、細
燃料電池車(FCV)の市販化が平成27年に始まる見通しの中、燃料の水素を充(じゅう)填(てん)する水素供給施設(ステーション)の建設が進んでいない。政府は当初、27年中に全国で100基程度の商用水素ステーションを整備する構想だったが、現時点で計画ベースでもその3分の1にも満たず、大半は未着工という。 水素ステーションの設置コストは1基当たり4億~6億円とされ、「ガソリンスタンドの約5~6倍」(石油元売り大手)という。国が建設にかかる費用の最大半額を補助するとはいえ、それでも億単位の投資を要する。実際、現時点で補助金の対象になったのは31基。しかも着工はわずか数基とみられる。 ある石油元売り大手幹部は「電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)に比べて、はるかに高価なFCVの需要が不透明な中で巨額投資はできない」と困惑する。 全国で15基の設置を計画しているJX日鉱日石エネルギー
複数の路線が乗り入れ、ドア枚数の異なる電車が混在して走るJR大阪環状線について、JR西日本が片側3ドアの車両に統一する方向で検討を始めたことが10日、分かった。通勤時間帯での3ドア車の導入試験の結果、「3ドア車でも遅延や大きな混乱はない」と判断した。平成29年度までに導入する新型車両を3ドア車とする方向で検討しており、4ドアの古い車両を順次置き換える方針だ。11日に開業140年を迎える大阪駅での整列乗車を促進し、混雑を緩和する狙いがある。将来のホームドア導入にも弾みがつきそうだ。 JR西によると、大阪環状線を走る電車は、4ドア車が6割、3ドア車が4割。このため、電車によって駅ホームの乗車位置マークが「△」と「○」で異なり、利用客の多い大阪駅などではラッシュ時の混雑が問題になっていた。 一般的にはドア枚数が多い方が乗降がしやすいとされ、利用客の多い路線では4ドア車が使われる。 JR西はドア枚
「旭ポンズの成長はたかじんさんのおかげ。順調に回復していると思っていたのに」。関西を中心に絶大な人気を誇る「旭ポンズ」。製造している旭食品(大阪府八尾市)の高田悦司(61)社長は、やしきたかじんさん(64)の訃報に言葉を失った。 「鍋を食べるなら旭ポンズがおいしい」。昭和42年の発売開始以来、目立った宣伝活動はしてこなかったが、たかじんさんがラジオ番組などでたびたび称賛。評判は口コミで広がり、関西だけでなく、全国の消費者へ浸透していった。 天然素材を厳選し、香りや色にも徹底してこだわった旭ポンズはヒットを続け、今では年商(約13億円)の8割を占める看板商品に。高田社長は「20年ぐらい前、たかじんさんから瓶のキャップについてアドバイスもいただいた」と振り返る。液だれしないように改良されたキャップは、たかじんさんの助言によるものだった。 「がんばりや!」。高田社長は約15年前、リサイタルツアー
川崎重工業が開発した鉄道車両の新型台車「efWING(イーエフウィング)」。世界で初めてというCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用した特殊な構造により、軽量化による省エネ性能の向上に加え、脱線に対する安全性や乗り心地も高めている。川崎重工は鉄道車両を中核事業の1つと位置付けており、「次世代の台車」として国内外で売り込む。 CFRPは軽くて、強度が高いことが特徴で、航空機の胴体などに使用されている。川崎重工は米ボーイング向け部品などを手がけており、これまでCFRPのノウハウを蓄積してきた。 鉄道車両の台車を軽量化する場合、従来は一部を薄くするなど形状を変更する手法が一般的だった。今回は素材を見直し、業界で初めてCFRPを採用した。 通常の台車は鋼製で、メーンフレームである「側(がわ)バリ」と、レールから伝わる振動を抑制する「軸バネ」で構成されている。efWINGは、CFRP製のフレーム
■生命の起源に迫る 地下物質を初採取 小惑星の物質を初めて地球に持ち帰り、世界的に注目された探査機「はやぶさ」の後継機で、12月の打ち上げを目指す「はやぶさ2」。小惑星内部の物質を初めて採取する計画で、生命の起源の謎に迫る野心的な探査に期待が高まっている。(草下健夫) はやぶさ2は2010年に帰還した初代はやぶさと基本構造が同じ探査機。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が組み立てと機能試験を進めており、8月に完成する。種子島宇宙センター(鹿児島県)からH2Aロケットで12月に打ち上げられる見込みだ。 18年6月に小惑星「1999JU3」に到着し、約1年半にわたり探査。採取した物質を入れたカプセルが20年12月、地球に帰還する。小惑星までの直線距離は最長で約3億キロだが、地球の重力を利用して加速するため遠回りするので、往復で数十億キロに及ぶ6年間の長旅となる。 ■人工クレーター 探査のハイライ
日本の「軍艦」などを祭っている台湾南部・高雄市の道教霊廟(れいびょう)「紅毛港保安堂」の新堂が完成し、仮堂から神像や神艦を遷座する落慶祭がこのほど行われた。 高雄は日本統治時代、海軍と軍港の街として知られた。同堂によると、終戦直後、漁師が漁網にかかった頭蓋骨を地元の廟に祭って慰霊したところ、大漁が続いたため、1953年に保安堂を建立。その後、頭蓋骨が「日本海軍38号哨戒艇の艇長」を名乗って漁師の夢枕に立ち、「部下を日本へ連れて帰れなかったのが残念」と語ったと伝えられている。そこで漁師有志が90年ごろ、「魂だけでも帰れるように」と、「日本の軍艦」の模型を作り神艦「38にっぽんぐんかん」として奉納、追悼供養したという。 港に面した旧堂は再開発で2007年に移転を迫られ、堂管理委員会では神艦などを仮堂に遷座し、08年から3500万台湾元(約1億2200万円)を投じて新堂を建設。うち100万元(約
経済産業省は19日、次世代エネルギーとして期待される水素の活用に向けた「水素・燃料電池戦略協議会」の初会合を開き、今年度内に産学官の具体的な方策を盛り込んだ工程表を策定する方針を決めた。水から取り出せ、環境にも優しい水素は資源の乏しい日本にとって「究極のエネルギー」とされる。政府は官民一体で水素が広く活用される「水素社会」の実現を目指す。 協議会はJX日鉱日石エネルギーやトヨタ自動車など関連企業の代表者や有識者で構成。初会合では、政府が予算や税制上の措置で企業の取り組みを後押しする必要性が指摘された。 工程表は、東京五輪の開催される2020年と30年を重要な節目とし、水素の製造から貯蔵・輸送、利用までの各段階での産学官の役割分担や目標を明示する。 今回、経産省が協議会を設置して水素の活用促進に乗り出したのは、水素社会の到来が現実味を増してきたからだ。 日本企業は水素を活用する技術開発で世界
大阪市営地下鉄御堂筋線に接続する大阪府北部の北大阪急行線の延伸計画をめぐり、松井一郎府知事は18日の定例記者会見で、建設事業費600億円のうち、府が100億円を負担する考えを明らかにした。沿線の箕面市は300億円を負担する意向で、残りは北大阪急行電鉄など鉄道事業者の負担と、国からの補助金で賄う想定。今年度内に関係機関で事業費の負担割合や工期を盛り込んだ協定書を締結し、平成30年の開業を目指す方向で、30年来の地元の悲願だった延伸が一気に進み出しそうだ。 箕面市によると、延伸計画は昭和60年から検討を開始。ターミナル駅の千里中央(豊中市)から北へ約2・5キロ延ばし、箕面市に「箕面船場」と「新箕面」(いずれも仮称)の2駅を新設する。平成21年の市の調査で事業費は420億円と試算されたが、24年度の再調査で600億円程度に膨らむと見積もられた。 市は、負担する300億円のうち200億円を建設事業
小野寺五典防衛相は13日、フィリピンの台風被害への国際緊急援助活動で、海上自衛隊最大のヘリコプター搭載護衛艦「いせ」など3隻をはじめ、約1000人を派遣する方向で調整していることを明らかにした。国際緊急援助活動としては過去最大規模となる見通し。 ほかに輸送艦「おおすみ」、補給艦「とわだ」、CH47輸送ヘリ3機、C130輸送機などの派遣を準備している。おおすみは沖縄周辺海域で予定していた離島防衛訓練への参加を急遽(きゅうきょ)、中止して準備に入った。 現地では医療や輸送、防疫などの支援活動を想定。先に現地入りした先遣隊要員がフィリピン政府と調整を進めている。
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