大矢光雄・東レ社長「炭素繊維、水素、水処理事業が我々の成長エンジン。『高成長・高収益』事業を拡大していく」 「方向性は間違いない。道を間違えないように手段を講じるのは私の日々の仕事」─東レ社長の大矢氏はこう話す。コロナ禍で厳しい状況になっていた炭素繊維事業だったが、いま改めて成長軌道に戻っている。それ以外にも繊維、水処理などが成長エンジンとして会社を牽引。技術力に定評がある東レ。その技術を生かすビジネスモデルの構築が、営業出身の自身の使命だと大矢氏。今後の戦略は─。 環境変化があることを前提に対応していく ─ 政治・地政学リスク、金利環境など様々な不確定要素がある中ですが、今の経営環境をどう認識していますか。 大矢 アメリカの大統領選挙にしても、地政学リスクにしても、先が読めずに混沌としているというのが正直な感想です。その意味で変化がある、環境が変わることを前提に対応しなければなりませんか