1月21日、アメリカのオバマ大統領が、一般教書演説を行った。 「一握りの者たちだけが、得をする経済を認めるのか?あるいは、努力する人々全員に、収入増と就労の機会を生み出す経済を求めるのか?」 オバマ大統領は、格差是正を大きな課題として挙げ、具体的に富裕層への増税に言及した。 アメリカのみならず、世界全体で「約4割の富をたった1%の富裕層が保有している」という統計もあるほど、格差は大きな問題となっている。オバマ大統領は、富裕層への増税によって富の再分配をはかろうとしている。しかし、それで格差の問題は解決するのだろうか。僕は、「資本主義」というシステムそのものへの疑問が湧いてくるのを押えきれないのだ。 いま、フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏の『21世紀の資本』が世界的なベストセラーとなっている。 ピケティ氏は、所得と資産の格差について膨大なデータを分析した。1970年代ごろまでに、所得と資