コミュニケーション能力とは、いわゆる「空気を読む」といったような、場に同調する世智に長けているということではない。また、当意即妙な発言を自在に行えたり、対話者の機嫌を良好に保ったりといったことに関する能力でもない。正確にいえば、それらはコミュニケーションが果たすべき目的を達成するためのいち手段であって、コミュニケーション能力はもっと一般的な意味において認識されるべきものだ。 「コミュニケーション能力に長けている」とは、以下の3つからなる一連の行為を、より高い生産性において行える能力のことをいう。 コミュニケーションとは、対話者(自分を含む)の心内の状態(感情や意識、意見など)になんらかの作用を与えることである (1)の定義の把持に基づき、対話者(自分を含む)の心内の状態を、無意識的な作用にとどまらず、意識的に操作する (2)の操作により、当該コミュニケーションから生産的なアウトプットを生成