試作品を手にする(左から)森下さん、田邉社長、企画営業の三橋千栄子さん。本物は完売のため社員も手にできない人気を呼ぶぬいぐるみダイオウグソクムシ=沼津港深海水族館提供 【足立朋子】横浜市中区のぬいぐるみメーカーが制作した深海生物「ダイオウグソクムシ」が、思わぬヒット商品となっている。ぬいぐるみとしては異例の精巧さで「気持ち悪さ」を追究したのがうけ、6月の発売以降、各地の水族館などで完売が相次いでいる。 「顔はゴキブリ、体はダンゴムシかシャコ。こんなの売れるのかと思いました」。こう笑うのは、メーカー「ティーエスティーアドバンス」の田邉尚志社長(72)。チーフデザイナーの森下礼子さん(35)が提案した試作品を見たときの率直な感想だ。 ダイオウグソクムシは、世界最大のダンゴムシの仲間。メキシコ湾などの海底で魚などの死骸を食べ、「深海の掃除屋」の異名を持つ。鳥羽水族館(三重県)で絶食しながら