12日夜に大阪市内で開かれた故吉村大志郎(ネルソン吉村)氏のサッカー殿堂入りを祝う会を取材し、「温故知新」という言葉が頭に浮かんできた。 日本サッカーリーグ(JSL)初の外国籍選手として1967年に来日した日系2世の吉村氏は、釜本邦茂氏との名コンビでJリーグ・C大阪の前身であるヤンマーの黄金時代を築いた人物。ブラジル流の柔らかいボールタッチと高いパスの精度は、当時の日本サッカー界にとっては衝撃的で、多くの選手に影響を与えた。 メキシコ五輪銅メダルの立役者でもある釜本氏が「ボク自身、彼がいなかったら(JSLの)得点王になれていなかった」と振り返るほどの人物だが、Jリーグ発足以降のサッカーファンにはどうも認知度が低い気がしてならない。 日本協会は2005年に殿堂を創設し、毎年9月10日の協会創立記念日に式典を開催している。これまでに50人あまりが殿堂入りを果たしているが、日本サッカーの発展に尽